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ESGとは?ESG投資の種類や取り組み例などを詳しく解説

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2022.09.02

ESGとは、企業が長期的に成長するために経営において必要な観点のこと。注目されるESGの基本情報や取り組み例、ESG投資について詳しく解説します。

ESGとは?ESG投資の種類や取り組み例などを詳しく解説

企業が利益を追求しすぎたことによって、企業に対する信頼を揺るがすような問題が相次いだことや、世界的な環境問題や労働問題が深刻化していることを受けて、企業の在り方が問われるようになりました。従来、財務情報で評価されてきた企業の価値が「社会的責任をどのように果たしているか」へとシフトする中で、各企業が取り組みを強化しているのが「ESG」です。

ここでは、ESGの基本情報やESG投資、ESGへの取り組み例や注意点などについて、わかりやすく解説します。

 

ESGは企業の中長期成長に欠かせない観点

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の3つの言葉の頭文字を組み合わせた言葉です。企業が中長期的に成長するためには、この3つの観点を経営に取り組むことが必要であるという考えが注目されています。

ESGは、第7代国際連合事務総長のコフィー・アナン氏が提唱した、投資家向けの行動原則「責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)」において、新しい投資判断の基準として紹介されました。PRIでは、持続可能な社会の実現を後押しするために、企業の分析や評価を行う上でESGを考慮した投資行動をとることを求めたのです。こうして、投資家を中心にESGの概念は浸透し、次第に企業も変化に対応すべくESGへの取り組みを始めるようになりました。企業のESGのへの取り組み例は後述します。

 

ESG投資とは?

ESG投資とは、従来の投資の判断基準であった財務状況だけではなく、ESGの要素も考慮した投資のことを指します。

日本では、PRIの提唱後、しばらくは短期的な利益を追求する従来の投資方針が続いていました。しかし、2008年のリーマンショックによる危機感、および2015年の国連サミットにおけるSDGsの採択や日本の年金積立金管理運用独立行政法人のPRI署名を受け、多くの投資家の注目度が高まったのです。

 

 

ESG投資の種類

世界のESG投資の統計を集計する国際団体の世界持続可能投資連合(GSIA:Global Sustainable Investment Alliance)は、ESG投資の投資手法を下記の7つに分類しています。

 

①ネガティブ・スクリーニング

ネガティブ・スクリーニングとは、社会の倫理に反するものや、環境破壊につながるものを投資対象から除外する方法です。武器、たばこ、アルコール、原子力発電、動物実験、ギャンブル、ポルノなどが該当します。ネガティブ・スクリーニングはESG投資の中で最も歴史が古い手法といわれていますが、積極的な投資姿勢とはいえないためESG投資ではない、とする指摘もあります。

②ポジティブ・スクリーニング

ネガティブ・スクリーニングとは対照的に、特にESGの評価が高い企業や業種をピックアップして投資する手法を、ポジティブ・スクリーニングといいます。1990年代に欧州で始まった投資手法で、ESGの評価が高い企業は中長期的に高い成果が見込める、という考え方がベースにあります。

③国際規範スクリーニング

国際規範スクリーニングとは、ESGに関わる国際的な規範を基準として投資対象を選別する手法です。2000年代の北欧から始まりました。ESGに関わる国際的な規範は多岐にわたり、どの規範を基準にするかは投資家の判断に任されています。

④ESGインテグレーション

ESGインテグレーションとは、財務状況のデータと、ESGに関する情報を総合的に見て分析・判断する手法です。ESGの評価だけではなく、これまで投資家が重視していた収益性も考慮することがポイントで、世界全体で広く普及しつつあります。

⑤サステナビリティ・テーマ投資

サステナビリティ・テーマ投資とは、サステナビリティ(持続可能性)に関するテーマに着目して投資する手法です。サステナビリティをテーマとする事業の例として、持続可能な農業や太陽光発電、再生可能エネルギーへの取り組みなどが挙げられます。

⑥インパクト・コミュニティ投資

インパクト・コミュニティ投資とは、社会・環境に貢献する技術やサービスを提供する企業を投資対象とし、経済的リターンだけではなく、社会や環境への良い影響(ポジティブ・インパクト)を重視して投資する手法です。社会課題の解決を目指して設立された非上場企業が投資先として選ばれることが多いでしょう。

⑦エンゲージメント・議決権行使

他の6つが投資先の選定に関する手法であるのに対して、エンゲージメント・議決権行使は「投資先との関わり方」に関連する手法です。投資家が株主として投資先企業のESG活動を直接的に働きかけ、投資リターンの拡大につなげます。経営層との面談や株主総会での議決権行使など、さまざまなアプローチがあります。

 

 

企業ができるESGへの取り組みとは?

企業が実施するESGには、具体的にどのような取り組みがあるのでしょうか。ESGの領域ごとに取り組み例を紹介します。

Environment(環境)への取り組み

企業活動に伴う環境汚染を防止する取り組みが、Environment(環境)です。対応すべき環境課題には、プラスチックによる海洋汚染、CO2排出量の増加による地球温暖化、水資源の枯渇などがあります。

<Environment(環境)への取り組み例>

・ 再生プラスチックや生分解性プラスチックなど環境にやさしい素材で製品を作る

・太陽光発電や再生可能エネルギーを利用する

・二酸化炭素の排出量を削減する

 

Social(社会)への取り組み

労働環境や多様性に配慮した働き方の実現や、地域と共生するための取り組みなど、Social(社会)への取り組みは幅広くあります。対応すべき社会課題には、所得格差の拡大や貧困層の増加、少子高齢化、過労死問題、地域活性化の資金不足、コンプライアンス違反などがあります。

<Social(社会)への取り組み例>

・性別、人種、年齢などを問わない平等な登用

・ダイバーシティの推進

・リモートワークや時短勤務、介護休暇などの勤務環境の整備

・被災地への募金活動

 

Governance(ガバナンス)への取り組み

Governance(ガバナンス)への取り組みは、企業経営の透明性向上のために監視・統制する仕組みを作ることで、「コーポレートガバナンス」や「企業統治」とも呼ばれます。対応すべき課題は、不透明な会計やデータ改ざんなどです。

<Governance(ガバナンス)への取り組み例>

・企業の財政や経営成績など財務情報の開示

・経営戦略の開示

・リスクやガバナンスに関わる非財務情報の開示

 

 

ESGにおける問題点・注意点

ESGへの取り組みは、長期的な企業価値の向上、サステナビリティ意識の高い若手世代からの注目度向上など、さまざまなメリットが見込めます。企業が取り組みを始めるにあたっては、どんな点に注意が必要なのでしょうか。

 

短期的な効果を判断しにくい

ESGは、地球規模の環境問題や貧困のほか所得格差など、一朝一夕には解決しにくい問題と密接に関係しています。したがって、長期的な活動が前提であり、企業の営業目標のように短期的に達成度合いを測ることができません。例えば、製品の素材を再生プラスチックに変えたとしてもすぐに環境が改善されるわけではなく、ダイバーシティの推進をしても所得格差の解消につながるのはずっと先のことです。

つまり、企業は、「すぐに目に見えないけれど、おそらく効果がある」取り組みを地道に続けて行く必要があるのです。SDGsと同様に、取り組みの本質的な意義に注目し、継続的に活動することが求められます。

 

情報開示基準が整備されていない

日本ではESG情報開示の基準が整備されておらず、複数の基準が存在し、企業ごとに異なる基準でESGの情報を開示しているのが現状です。一方で、ESG投資が日本でも急速に普及する中、ESG要素の情報開示を求める投資家などの動きは広がっています。国際会計基準を策定するIFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立を公表。ISSBが主導してESG情報の国際的な開示基準の策定を進めると表明しました。これを契機として、国際的な開示基準の統一化が進んでいくことが期待されます。

 

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ご紹介してきたように、ESGへの取り組みは、今後の企業経営に大きく関わるものです。ESGに配慮しない企業は、いずれ淘汰されてしまうかもしれません。今後は転職活動においても、「ESG」は1つのキーワードとして重視されるようになっていくでしょう。

タイグロン パートナーズでは、ESGに積極的に取り組む企業へ転職を検討している方の転職の支援を行っています。タイグロン パートナーズは、所属のキャリアアドバイザーの大半が実務経験者であり、コンサルタントとしてキャリアを積んできたキャリアアドバイザーも多数在籍しています。

そのため、表面的に企業を紹介するだけではなく、候補者自身の中長期的なキャリア志向を紐解きながら、高い専門性を持って転職希望者の活動をサポートします。

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