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【徹底解説】コンサルタントの仕事とは?|仕事内容や業界の基礎知識

コンサルタント(以下、コンサル)とは、クライアント企業(以下、クライアント)が抱える課題を明確にし、解決のための戦略を立案・提言、さらにその実行支援をする専門家です。「コンサルタント(Consultant)」の語源は「Consult」で「相談する」という意味を持ちます。コンサル業務で成果を出すには高度な知識やスキルが必要です。責任も大きい反面、大きな達成感ややりがいを実感できる仕事です。 本記事では、コンサルティング業界で働くことに興味のある方へ向けて、コンサルティング業界(以下、コンサル業界)の種類や基本的な業務の進め方に加え、役職別・種類別の仕事内容についても徹底解説します。さらに、コンサルへの転職で有利になる経験・スキルなども紹介していますので参考にしてください。

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1.コンサルタントについて簡単に解説

コンサルタントとは、企業の経営課題に対して分析し、戦略策定から施策実行までを支援する「課題解決のプロ」です。主に経営層が直面する課題である、全社戦略、経営戦略、事業戦略、M&A戦略といった戦略立案、コスト削減、業務プロセス適性化といった業務改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の立案から推進、基幹システムの刷新や新規テクノロジーの導入などのテーマを扱います。なお、単なる助言に留まらず、具体的な成果にもコミットします。そのため、論理的思考力や分析力、コミュニケーション能力に加え、常に学び続ける知的好奇心と強い当事者意識が不可欠です。業務において相応の責任とプレッシャーを伴いますが、クライアントと一体となり変革を成し遂げる達成感は非常に大きく、魅力的な仕事です。  

コンサルタントの仕事とは?やりがいや求められるスキルについて解説

2.コンサルタントの仕事の進め方

コンサルの具体的な仕事内容をイメージするために、業務の流れを確認してみましょう。ここでは、コンサルの仕事の手順を解説します。

Step1.クライアント企業の現状分析と課題把握

クライアントの持つ理想の姿を明確にするために、与えられたテーマに沿って現状分析を行います。分析の方法は様々です。例えば、新たな事業展開を検討しているクライアントから依頼を受けた場合、経済のトレンドや業界の動きなどのマクロなデータ分析を実施することがあります。加えて、組織内部の状況を見極めるため、経営層や各部門のリーダーや一般社員へのインタビューを行うケースもあります。多様な階層のメンバーから意見を聞くことで、組織の可能性や潜在的なボトルネックを明らかにしやすくなるためです。現状把握が完了したら、クライアントとあらためて意見​​をすり合わせ、課題を明確化し、目指すべき方向を確認することが重要です。

Step2.課題について情報収集する

課題を特定したら、現状とのギャップを埋めるために情報収集を開始します。例えば、新規事業を展開する場合は、既存事業についてのデータ収集を行います。 主に以下の情報を収集する必要があるため、同業他社や商品についてのデータ分析や、想定されるターゲットのインタビュー・アンケート調査なども行うことがあります。
  • 人的資源
  • 社員数
  • 売上
  • 顧客満足度
  • 従業員満足度
  • 営業手法など

Step3.大量の情報の中から取捨選択を行う

集めたデータは膨大な量になるため、精査して必要なものだけを選ぶ作業を行います。取捨選択をスムーズに行う際には、フレームワークを活用することが多くあります。フレームワークとは、思考を整理する際に有効な枠組みのことです。活用することで、クライアントの強みと弱みを理解し、論理的なアプローチで情報の選別が可能となります。

Step4.課題解決のためのビジョンを策定する

得られたデータを基に、課題解決に向けたビジョンを策定します。ビジョンとは、クライアントが目指すべき理想の姿のことです。例えば、新規事業を検討しているクライアントの場合、「顧客ニーズを満たす革新的な商品を提供し、市場シェアを拡大する」というビジョンを掲げます。具体的な理想像を設定しておくことで、チームが一丸となって計画を実行する基盤を築けます。

Step5.課題解決のための具体的な実行支援を行う

ビジョンが策定できたら、具体的な実行支援へ移行します。主な流れは以下の通りです。 1.プロジェクトチームの立ち上げ 2.クライアントにチームメンバーの選定を依頼 3.プロジェクトの目標・進行予定・役割分担などの共有 4.目標達成までプロジェクトの推進

3.【役職別】コンサルタントの仕事内容

コンサルはプロジェクトを立ち上げてチームで活動するため、複数の役職が存在します。コンサルティングファーム(以下、コンサルファーム)によって使用されている役職名は異なりますが、ここでは一般的なコンサルの役職と、それぞれの特徴や主な仕事内容をご説明します。

■アナリスト/アソシエイト

コンサルファーム入社後、初めて就くポジションが「アナリスト」です。「アソシエイト」や「リサーチャー」と呼ばれることもあります。プロジェクトの基礎的な部分を担い、上位職であるコンサルやマネージャーをサポートします。アナリストとして働く期間で、コンサルの基礎的な能力を身につけられます。 主な業務は以下の通りです。
  • データ収集
  • 分析
  • 資料作成
  • リサーチなど

■コンサルタント

アナリストとして実績を積むと、「コンサルタント」という役職に昇進できます。中途採用の場合、これまでの経験や取得している資格によってはこのポジションからスタートすることもあります。「シニアアナリスト」や「シニアアソシエイト」といわれることもあります。プロジェクトの中核を担い、クライアントに対して具体的な解決策をアドバイスできるようになります。 主な業務は以下の通りです。
  • クライアントとのミーティング
  • 問題解決のための提案ストーリー作成
  • プロジェクト管理など

■シニアコンサルタント/マネージャー

「シニアコンサルタント」や「マネージャー」は、クライアントへの高品質なソリューション提供に注力します。 主な業務は以下の通りです。
  • 特定のアカウントとの関係構築
  • プロジェクトのマネジメント(QCD)
  • 新規開拓のための営業サポートなど

■ディレクター/プリンシパル

「ディレクター」は「プリンシパル」とも呼ばれる役職です。基本的にプロジェクト現場への直接的な関与はせず、コンサルファーム全体の事業成長と収益向上に貢献する役割を主に担います。コンサルファームの成長戦略を推進するとともに、重要なクライアントとの関係構築を行います。 主な業務は以下の通りです。
  • 業界全体のクライアントとの関係構築
  • 複数プロジェクトの統括やビジネス開発
  • 新規クライアントの獲得など

■パートナー

「パートナー」はコンサルファームで最上位の役職とされます。コンサルファームの経営に直接関わり、全体の方向性を決定できる役員相当のポジションといえます。 主な業務は以下の通りです。
  • ファーム全体の経営戦略策定
  • 主要クライアントとの長期的な関係構築
  • 収益管理など

4.コンサルティングファームの概要

コンサルの中にはフリーランスとして活動する人もいますが、基本的にはコンサルファームに所属するケースがほとんどです。

コンサルティングファームの主な種類

コンサルファームは一般的に以下に大別されます。
  • 戦略コンサルティングファーム
  • 総合コンサルティングファーム
  • 財務コンサルティングファーム(FAS:Financial Advisory Services)
  • DX/ITコンサルティングファーム
  • 組織人事コンサルティングファーム
  • シンクタンク系コンサルティングファーム
  • 事業再生系コンサルティングファーム
  • 国内独立系コンサルティングファーム
  • 専門特化型(医療・建設・営業など)コンサルティングファーム
 

5.【種類別】コンサルタントの仕事内容

転職後のキャリアパスを描く際は、コンサルファームごとの主要な業務内容を把握しておくことが大切です。ここでは、代表的なコンサルファームの種類別に、基本の仕事内容を解説します。

戦略コンサルティングファーム

戦略系のコンサルファームでは、企業の長期的な成長戦略や競争力強化などを目的としたプロジェクトに携わります。 基本的にはクライアントの経営層に向けて、上記の戦略に関するコンサルティングを行います。企業の将来に影響を与えるプロジェクトとなるため責任が大きく、相応の経験や知見が求められます。 主な業務は以下の通りです。
  • 経営戦略の立案
  • 新規事業の開発
  • M&A(企業買収・合併)のサポート
戦略コンサルとは?総合コンサルとの違いや仕事内容、やりがいを解説

総合コンサルティングファーム

総合系のコンサルは、戦略立案から実行支援まで一貫したサポートを行います。各分野のプロフェッショナルとされるコンサルが協力し、多様な領域の課題について総合的なコンサルティングサービスを提供します。そのため、企業規模が大きい傾向にある点も特徴です。 主な業務は上記戦略コンサルティングファームの業務に加えて以下のものがあります。
  • ITシステム導入
  • 業務プロセス改善
  • 人事戦略の立案など

財務系コンサルティングファーム(FAS:Financial Advisory Services)

財務系コンサルファームは、財務に関するアドバイザリーやサポートを行います。財務に関する改善提案や戦略立案を実施します。ビジネスのグローバル化が進み、財務会計が複雑化している中で、今後も幅広い企業からノウハウを求められる存在といえます。 主な業務は以下の通りです。
  • 企業のM&A戦略、財務戦略、資金調達のサポート
  • リスク管理
  • 企業価値評価
  • M&Aのエグゼキューションサポート
  • PMI(Post Merger Integration)サポートなど
財務コンサルティングへ転職するには?求められるスキル・経験・資格  

DX/ITコンサルティングファーム

DX/ITコンサルは、企業のDXに特化したサービスを提供します。システムエンジニアと混同されるケースもありますが、コンサルが手がけるのはシステム導入の決定や要件定義といったプロセスです。システム自体の構築を行うエンジニアとは領域が異なります。 主な業務は以下の通りです。
  • DX/IT戦略の立案
  • システム導入支援
  • データ分析と活用
  • デジタル化推進など
ITコンサルとは?種類別の仕事内容と仕事のやりがい、代表的な企業  

組織人事コンサルティングファーム

組織・人事系コンサルは、企業の組織構造や人事制度などを改善するためのプロジェクトを推進します。企業内部に変革をもたらし、組織の根本的な改善を図ります。近年では人的資本経営の推進や組織人事改革を推進する企業も多く見られるため、ニーズが高まっている領域といえます。 主な業務は以下の通りです。
  • 組織改革の支援
  • 人材育成プログラムの設計
  • 報酬制度の見直し
  • 労働環境の改善など

シンクタンク系コンサルティングファーム

シンクタンク系コンサルファームは、主に官公庁や地方自治体、業界団体などをクライアントとし、マクロな視点から社会経済の調査分析や政策立案・提言を行います。 質の高いリサーチと深い洞察にもとづいた報告書の作成や政策提言が求められ、公共性が高く社会全体の利益に貢献するプロジェクトに携わる機会が多いのが特徴です。 主な業務は以下の通りです。
  • 国内外の経済、社会動向の調査
  • 特定産業の将来予測
  • 環境、エネルギー問題などの社会課題に関するリサーチ
  • 政策の効果測定
  • 制度設計支援など

事業再生系コンサルティングファーム

事業再生系コンサルファームは、経営不振や財務困難に陥った企業を対象に、その再建と持続的な成長を支援します。 財務・会計・法務に関する高度な専門知識に加え、厳しい状況下で迅速かつ的確な判断を下す能力や多様な関係者との交渉力、結果に対する強いコミットメントが求められます。 主な業務は以下の通りです。
  • 財務状況や事業実態を把握するためのデューデリジェンス
  • 経営悪化の根本原因の特定
  • 具体的な再生計画の策定
  • 金融機関との交渉支援
  • スポンサー探索
  • 再生計画の実行支援など

国内独立系コンサルティングファーム

国内独立系コンサルファームは、特定の外資系ネットワークに属さず、日本で設立・発展してきたファームを指します。クライアントは日系企業が中心で、大手から中堅・中小企業まで幅広く、日本企業の文化や実情に即した細やかなコンサルティングを提供することが特徴です。ファームごとに得意とする領域や業界がある場合も多いです。 クライアントとの長期的な信頼関係を重視し、戦略策定だけでなく実行支援まで深く関与する傾向があり、日本の商習慣や組織風土への深い理解と現場に寄り添った実践的な提案力が求められます。 主な業務は以下の通りです。
  • 戦略策定
  • 業務改革
  • 組織人事
  • IT導入支援
  • 新規事業開発など

専門特化型(医療・建設・営業など)コンサルティングファーム

専門特化型コンサルファームは、医療、建設、製造、小売、エネルギー、金融といった特定の「業界」や、営業、人事、SCM(サプライチェーンマネジメント)、リスクマネジメントなどの特定の「業務機能」に特化した高度な専門知識とノウハウを提供します。 特定の分野における深い実務経験や高度な専門性、最新の技術動向や業界トレンドへの継続的なキャッチアップが不可欠で、特定の分野でプロフェッショナルとしてのキャリアを追求したい人材に適しています。 主な分野別の業務は以下の通りです。
  • 医療分野
    • 病院経営改善
    • 医療DXの推進など
  • 建設分野
    • プロジェクトマネジメントの最適化
    • コスト削減など
  • 営業分野
    • 営業戦略の立
    • 営業組織の強化・改善など
 

6.日系・外資系のコンサルティングファームの違い

日系コンサルティングファーム

日系コンサルファームは、国内の大手企業や官公庁を主要クライアントとし、日本の市場や商慣習などへの深い理解を強みとしています。長期的な雇用を前提に、OJTや充実した社内研修を通じて人材育成に時間をかける文化が特徴で、安定したキャリアを築きやすい環境です。 プロジェクトはクライアントとの長期的な関係性を重視し、戦略策定から実行支援、定着化まで伴走する案件が多い傾向にあります。昇進や昇給は年功序列の要素も残しつつ、近年では成果主義の導入も進んでいます。国内案件を中心に、じっくりとスキルを習得し、組織の一員として貢献したいと考える人材に適しています。

外資系コンサルティングファーム

外資系コンサルファームでは、実力主義・成果主義が徹底され、個々のパフォーマンスが評価と報酬に直結します。「Up or Out」と呼ばれる、常に高い成果を求められる文化も一部に見られます。 クライアントはグローバル企業や国内大手企業など多岐にわたり、グローバル規模のプロジェクトが多いのが大きな特徴です。そのため、英語をはじめとする高度な語学力や異文化への対応力が不可欠とされます。多様なバックグラウンドを持つ人材が集い、フラットかつオープンな議論が活発に行われる環境下で、若手でも成果次第で早期の昇進や高い報酬水準が期待できます。さらに、キャリアの流動性も高い傾向にあります。

7.コンサルタントに向いている人の特徴

コンサルには、専門知識や分析能力といったテクニカルスキルだけでは不十分です。ここでは実践的なスキルを活かすためのソフトスキルや心構えなど、コンサルに向いている人の特徴を解説します。

知的好奇心と学習意欲がある

コンサルの仕事は、プロジェクトごとに異なる業界や未知の分野の課題解決に挑む連続です。そのため、新しい知識や最新技術への強い興味を持ち、常に情報を収集・吸収し続ける高い学習意欲が不可欠です。 クライアントの複雑な課題の本質をとらえ的確な解決策を導くには、業界特有のビジネスモデルや市場動向などを短期間で集中的に理解し、自身の知識を絶えずアップデートする姿勢が求められます。

プロフェッショナル精神・当事者意識がある

コンサルには、分析や提案に留まらない、クライアントの成功にコミットする強いプロフェッショナル精神が不可欠です。プロジェクトの課題を自らのものとしてとらえ、主体的に解決策を立案し、関係者を巻き込んで実行する当事者意識が求められます。 アウトプットの品質には細部までこだわり、時にクライアントの期待を超える価値提供を目指す姿勢が、深い信頼関係と長期的なパートナーシップを築きます。困難な状況でも粘り強く課題に取り組み、クライアントの事業成長へ貢献する強い意志を持つ人材が、コンサルタントとして成功を収めるでしょう。

体力・精神的なタフさ(ストレス耐性)がある

コンサルの業務は、厳しい納期やクライアントからの高い期待、そして時に厳しいフィードバックといったプレッシャーに常に直面します。長時間労働も想定されるため、心身の健康を維持し、一貫して高いパフォーマンスを発揮できる体力と精神的な強靭さが不可欠です。 特に、答えのない問いに対し論理と仮説検証を繰り返す過程は、心身ともにハードです。そのため、自己管理能力を高め、困難な状況でも冷静に質の高い思考と成果を維持できる精神力が、プロジェクト成功の鍵となります。

柔軟性と適応力がある

コンサルティングプロジェクトは、計画通りに進むとは限りません。市場環境の急変、クライアントの方針転換、新たな事実の発覚など、予期せぬ事態や前提条件の変更は頻繁に起こります。こうした状況では、自身の仮説や計画に固執せず、冷静かつ臨機応変に対応する柔軟性が不可欠です。 新しい情報にもとづき迅速に思考を切り替え、最適なアプローチを再構築し、時には大胆な方針転換にも適応できる力が求められます。

協調性とチームワークがある

コンサルティングプロジェクトの成功には、チームワークが重要です。多様な専門性を持つメンバーが知見を結集し、協力して複雑な課題解決に臨むのが基本です。個人の能力だけでは限界があるため、各メンバーの強みと個性を尊重し、連携してチームのアウトプットを最大化する協調性が必要です。 積極的な情報共有、建設的な議論、そして他者への敬意を忘れず、チーム全体の目標達成へ貢献する姿勢が重要です。優れたチームワークは、質の高い成果とともに、メンバー相互の学びと成長も促します。

8.コンサルタントになるために必要な学歴・資格

コンサルという職務に就くために、法律で定められた「必須」の学歴や国家資格などはありません。しかし、実際の採用選考の現場では、候補者の基礎能力やポテンシャルを測るために学歴が参考にされたり、特定の学位や専門資格が高度な知識・スキルが有利に働くケースもあります。

学歴フィルターの傾向

コンサルになるために、法律で定められた必須の学歴や学位はありません。しかし、実際の採用選考では、一定の学歴水準が重視される傾向が見受けられます。 具体的には、国内外の難関大学や大学院の出身者が多く採用されている実態があり、これは一部で「学歴フィルター」とも称されます。企業側としては、候補者の論理的思考能力や学習能力、ポテンシャルなどを効率的に評価する初期スクリーニングの一環として学歴を参照していると考えられます。

有利になる可能性のある学位・資格

コンサルとしてのキャリアを追求する上で、特定の学位や専門資格は必須ではありませんが、保有していることで選考や実務において大きな強みとなることがあります。特に有利に働く可能性のある代表的な学位・資格は以下の通りです。

MBA(経営学修士)

評価される理由:経営戦略、マーケティング、ファイナンスなど、企業経営全般に関する体系的な知識と高度な分析的思考力を習得していることの証明となります。 特に有利なファーム:戦略系コンサルファーム、総合系コンサルファーム。

公認会計士

評価される理由:財務会計監査や内部統制に関する深い専門知識と実務能力を客観的に示します。 特に有利な分野:FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)、事業再生コンサル、M&A関連アドバイザリー、会計系コンサル。

税理士

評価される理由:税法に関する深い専門知識と実務経験を証明し、税務戦略やタックスプランニングに関する高度なアドバイス能力を示します。 特に有利な分野:税務アドバイザリー、事業承継コンサル、国際税務関連。

9.コンサルタントへの転職に有利になる知識・経験

コンサル業界への転職を目指す際、異業種で培った専門性や実務経験も、コンサルとしてのポテンシャルを示す上で重要なアピールポイントとなり得ます。ここでは、コンサル業務に活かせる具体的な知識や経験を解説します。

特定業界・業務の専門知識

コンサルへの転職において、特定の業界や業務に関する深い専門知識と豊富な実務経験は、強力なアピールポイントとなります。 これらは、クライアントが直面する固有の課題を迅速かつ的確に把握し、実効性の高い具体的な解決策を策定・提案する上で不可欠な基盤となるからです。 例えば、以下のような専門性が評価されます。
  • 金融業界出身者:金融規制や市場動向に関する深い理解、リスク管理の知見。
  • 製造業出身者:製品知識はもとより、生産プロセス、品質管理、サプライチェーンマネジメントに関する専門知識と改善経験。
  • 医療分野出身者:医療制度、関連法規、病院経営などに関する専門知識。
  • 経理・財務経験者:財務戦略立案、M&Aアドバイザリー、企業価値評価などに関する専門スキル。
  • 人事経験者:組織改革、人材育成戦略、人事制度設計などに関する専門知識と実務経験。

企画職の経験

事業会社などでの企画職経験は、コンサルの業務と親和性が非常に高く、転職市場において有利に働くケースが多く見られます。 その理由は、具体的な実行計画策定に至るプロセスは、コンサルがプロジェクト初期に行う現状分析や課題特定、戦略オプションの策定と類似しているからです。特に、中期経営計画の策定、新商品・サービスの開発、部門横断的なプロジェクトマネジメントを主導した経験があれば強いアピールポイントになるでしょう。

IT関連の業務経験

DXが経営の最重要課題の一つとなる現代において、IT関連の業務経験はコンサルへの転職において非常に価値が高いとされています。特に、システム開発のプロジェクトにおけるIT戦略の立案、業務要件定義といったフェーズでの経験は強いアピールポイントとなります。また、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)の経験があれば、大規模なIT導入プロジェクトを数多く手がけるコンサルファームでは即戦力として期待されます。

法人営業の経験

法人営業における豊富な経験と実績は、コンサルタントへの転職において有利に働く重要な要素です。 高い営業目標に対する強いコミットメントと達成経験は、成果への執着心や計画性を示します。 また、経営層を含む多様なステークホルダーとの折衝・提案経験は、高度なコミュニケーション能力、交渉力、プレゼンテーション能力の証明となるでしょう。 さらに、無形商材の営業や新規顧客開拓の経験は、論理的な説明能力や関係構築能力を効果的にアピールすることにつながります。

10.コンサルタントへの転職活動

コンサル転職を成功させるには、計画的な準備と情報収集が不可欠です。ここでは、コンサルファームの中途採用のプロセスや情報収集の方法、最新の転職市場の動向、選考の対策などを解説します。

中途採用の選考プロセス

コンサルファームの中途採用は、主に即戦力人材の獲得を目的とし、年間を通じて実施されています。 選考プロセスは、書類選考、Webテスト(能力検査・性格検査)、そして複数回の面接で構成されます。面接では、通常の質疑応答に加え、論理的思考力や問題解決能力を評価する「ケース面接」が実施される点が大きな特徴です。 応募から内定までの期間は、平均して1〜3ヶ月程度と、新卒採用に比べてスピーディーに進む傾向があります。

情報収集

コンサル転職を成功させるためには、業界や個々の企業への深い理解が不可欠です。まず、各ファームの公式サイトや採用ページで、企業理念、事業領域、得意とする分野、求める人物像などの基本情報を確認しましょう。加えて、業界専門誌のレポートやニュース記事、関連書籍などを通じて、コンサル業界全体の動向や最新トレンドを把握することも重要です。 さらに、特に効果的なのが、コンサル業界に特化した転職エージェントの活用です。一般には公開されていない非公開求人の紹介に加え、各ファームの選考傾向にもとづいた書類添削や面接対策など、専門的なサポートを受けることで、転職活動を有利に進められるでしょう。

転職市場の動向と転職しやすい年齢

2025年5月現在、コンサルの需要は依然として高く、多くのファームが積極的に中途採用を行っています。特に企業のDX推進、M&A戦略支援など領域でのニーズが顕著で、これらに関連する専門知識や経験を持つ人材の求人倍率は高い水準で推移しています。 中途採用で有利とされる年齢層としては、一般的に20代後半から30代前半が多いとされています。しかし、30代後半以降でも、特定の業界や業務に関する高度な専門知識、豊富なマネジメント経験、あるいは強固な顧客基盤などがあれば、シニアポジションでの採用可能性は十分にあります。

選考対策

コンサルファームの選考を突破するには、各段階に応じた戦略的な準備が不可欠です。 まず書類選考では、徹底した自己分析にもとづき、「なぜコンサルタントか」「なぜそのファームか」という志望動機を明確に記述します。職務経歴書には、これまでの実績やコンサル業務に活かせるスキルを具体的なエピソードを交えて記載し、論理的思考力や課題解決能力を効果的に伝えましょう。 次にWebテスト対策として、専用問題集を用いた反復演習により出題傾向をつかみ、時間配分に習熟することが重要です。 そして面接対策では、自身の経験や強みを簡潔かつ論理的に説明するトレーニングが求められます。加えて、コンサルティングファーム特有の「ケース面接」への対策は必須です。ケース面接では、与えられた課題に対し、制限時間内に仮説構築、分析、そして論理的な解決策を提示する能力が厳しく評価されます。

11.コンサルタントのキャリアパス

コンサルとしての経験は、その後のキャリアにおいて多様な選択肢をもたらします。ここでは、所属するコンサルファーム内でステップアップするキャリアパスと、新たな分野で活躍するキャリアパスについて解説します。

ファーム内での昇進・昇格

まず、コンサルファーム内でのキャリアは、アナリストとして基礎を固め、コンサルタント、マネージャー、そしてパートナーへと、段階的に責任範囲と求められる能力を高めながら昇進していく道が一般的です。この過程で、個々のプロジェクト貢献からチームリード、さらにはファーム経営への参画へと視座を高めていきます。段階的に役割と責任が拡大し、専門性と経営的視座を深めていくことになります。

ポストコンサルとしてのキャリア

コンサルファームで数年間実務経験を積むと、そこで培った高度なスキルを活かし、多様な分野へ転身する「ポストコンサル」というキャリアパスが拓けます。 主な転身先としては、以下のような道が挙げられます。 ・事業会社:経営企画部門やマーケティング部門などで、企業戦略の策定から実行までを主導する。 ・スタートアップ:CxOや経営幹部として参画し、急成長する事業のグロースを力強く牽引する。 ・金融業界:PE(プライベートエクイティ)ファンドやベンチャーキャピタルで、投資先の企業価値向上に専門知識を活かして貢献する。 ・独立、起業:自らコンサルティングファームを設立したり、まったく新しい分野で事業を立ち上げたりする。 これらの選択肢は一例であり、コンサルタントとして得た経験は、幅広い分野で活躍するための強固な基盤となるでしょう。

12.コンサルタントの仕事内容は役職やファームの種類によって多種多様

コンサルの仕事内容は多岐にわたり、役職やコンサルファームによって多岐にわたります。しかし、コンサルの仕事で根幹にある「クライアントの抱える課題を解決するために全力を尽くす」という部分は変わりません。幅広い企業からのニーズに対応できるコンサルになれば、さらなるステップアップが期待できるでしょう。

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この記事の監修

新山 雄俊

Niiyama Takayoshi


【担当領域】 ・コンサルティングファーム ・SIer ・製造業 ・エネルギー ・ポストコンサル 【経歴】 高専電気工学科を経て長岡技術科学大学卒業、同大学院電子機器工学専攻修了。日系・外資系のエレクトロニクスメーカー/IT関連企業で15年以上にわたりエンジニア業務に従事。装置開発からキャリアをスタートし、生産技術や品質保証を経て、システムアーキテクト、開発PM、FAEマネジャー、事業開発シニアマネジャーを務める。その後、人材業界に転じ、主にミドル・ハイクラス層向けに、製造業、IT、エネルギー、商社、金融機関、コンサルティングと幅広い業界での支援実績を積む。英語堪能。 【自己紹介】 マネージャー以上のハイクラス層を得意とし、私自身の製造業におけるシステムアーキテクト/開発PM経験にもとづき、候補者様にとっての課題特定から具体的なソリューション提供までできることが強みです。 自動車、半導体、エレクトロニクス、化学等の製造業、エネルギー業界(電力、ガス)、コンサルティング業界を中心に数多くのご支援実績を有しています。IT関連では、SaaS、SIer、金融機関、コンサルティングなど、多岐にわたる分野でのご支援実績がございます。 求職者様とのコミュニケーションに重きを置き、ご経験やご志向を深く理解することで、その方のご希望に合ったキャリアプランの構想から実現に至るまでのストーリーを重視し、ご支援させていただきます。  

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