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CAEとは?CAE解析エンジニアの業務内容や転職のポイントを解説

CAEとは、構造物の構造強度など機械設計のプロセスにおいて、コンピューターで行うシミュレーションや解析のこと。コスト削減や時間短縮などのメリットがあるため、近年では製造業界を中心に、利用が広がっています。 ここでは、このCAEを行うツールを操作する、CAE解析エンジニアの業務内容や転職事情について解説します。   <目次> 1.CAEとは 2.CAEが必要な理由 3.CAEの活用によって得られるもの 4.CAE解析エンジニアになるために必要な知識は? 5.CAE解析エンジニアの業務内容 6.CAE解析エンジニアに向いている人とは? 7.CAE解析エンジニアのキャリアパスは?

1.CAEとは

CAEとは、Computer Aided Engineeringの頭文字を取った略語です。日本語では適した訳語がみあたりませんが、「計算機援用工学」と呼ばれることもあります。 機械や建物、地形などの構造物とその構成要素が稼働したときの強度や耐久性の問題点について、コンピューター上のシミュレーションによって洗い出すのがCAEです。同時に、そうした作業をCAE解析と呼び、それを行うソフトウェアそのものはCAEツール、あるいは単にCAEと呼ばれます。 CAEを行うと、対象物への荷重や気体や液体などの流体、熱や電磁場などの物理現象について計算でき、その状態を可視化することができるのです。  

2.CAEが必要な理由

私たちの生活は、実に多くの工業製品によって支えられています。家庭の中だけで考えてみても、ベッドやソファ、照明、エアコン、電子レンジ、湯沸かし器など、多くの工業製品に囲まれています。 これらの製品は人の身近にあるものだけに、安全性や耐久性が保証されていなくてはなりません。数回使っただけでクッションがへたってしまうソファや、火にかけた途端に表面が曲がってしまうフライパンなどは、とても使える物ではないでしょう。 そうした工業製品の性能を、実地試験をすることなく検証できるのがCAEです。CAEは、工業製品とそれを構成する個々のパーツについて、さまざまな要素をシミュレーションで検証することができます。 例えば、フライパンの表面強度を検証する場合、従来ならば鉄板でフライパンの表面を繰り返し引っかくという耐久試験を行うことが一般的でした。しかし、CAEを使えば、実際の試験をしなくても、物理的強度を算出することができるのです。  

3.CAEの活用によって得られるもの

CAEを活用すると、実地試験を大幅に削減することができます。 先程挙げたフライパンの試験を考えてみましょう。「10万回のひっかき試験をクリア!」という実績は、商品につける宣伝文句としては有効かもしれません。しかし、その試験を行うためには、それなりのコストと時間がかかります。 ほかの例としては、自動車の衝突試験が挙げられます。これは、万一の衝突事故の際に車両がどのような壊れ方をするか、それによって乗員にどのようなダメージが加わるかを確認するための試験です。従来であれば、実際に自動車を衝突させて行っていた試験ですが、コンピューター上のシミュレーションで可能になれば、コストと時間の両面で非常に大きな削減効果を得ることができます。再現が難しい状況を容易にシミュレートでき、試験の後に廃材が出ることもありません。 このように、CAEはコストと時間を削減できるというメリットがあり、これを最大化することがCAEツールの目的でもあるのです。  

CAEツールとは

CAE解析を行うために使用するのが、専用のCAEツールです。CAEツールは、「プリプロセッサ」「ソルバー」「ポストプロセッサ」というソフトウェアで構成されています。 ここでは、この3つのソフトウェアが担っている役割について説明していきましょう。  

入力データを整える「プリプロセッサ」

プリプロセッサは、解析のために必要なデータを整える、いわば下処理を行うソフトウェアです。 例えば、機械部品の構造解析を行う場合、コンピューターによる設計システムCADで作成したデータを読み込み、形状に沿ってメッシュという金網を作成します。また、どれほどの荷重が加わるのか、どのような状態で固定されているか、外気温や気圧はどれほどかといった、各種条件を設定していきます。こうして下準備したデータが、次の解析のプロセスへと送られるのです。  

解析したい内容に応じて計算を行う「ソルバー」

ソルバーは、CAEツールの心臓部です。プリプロセッサによって作成されたデータを解析する役割を担います。 CAEでは、解析したい内容によって計算方法がまったく異なります。例えば、構造強度を調べたい場合と熱伝導の状態を解析したい場合では、解析方法が大きく異なるのです。そのため、解析したい内容に合ったソルバーが必要になります。 現在、多くの企業で使われているCAEツールには、構造や熱、流体、電磁場など、解析する内容に応じた多種多様なソルバーが用意されており、必要なものを選択できるようになっています。  

解析結果を出力する「ポストプロセッサ」

ポストプロセッサは、解析結果をモニターにわかりやすく表示する出力機能を担うソフトウェアです。数値だけでなく、グラフや表にまとめることもでき、グラフィカルな表示をすることもできます。 コロナ禍で「くしゃみの飛沫がどのように拡散するか」を示す映像がテレビで取り上げられていましたが、このような解析結果を出力することも可能です。  

4.CAE解析エンジニアになるために必要な知識は?

CAEツールを使いこなして解析を行うのが、CAE解析エンジニアです。この業務に就くためには、どのような知識が必要なのでしょうか。 ここでは、CAE解析エンジニアになるために必要となる、代表的な3つの知識についてご説明します。

①各種工学知識

CAE解析でまず重要なのが、各種の工学知識です。例えば、機械や構造物の強度を解析する場合、材料力学の知識が欠かせません。構造部品のどこにどの程度の負荷がかかり、それが周囲にどのように伝播するのか。どの程度のゆがみやひずみが生じ、どの程度の力が加わると破壊されてしまうのか。こうした特性は素材ごとに違い、形状によっても差が表れるものです。 また、CAE解析では、構造物の強度だけでなく、熱や電気、流体、電磁場なども扱います。そうなれば当然、それぞれの工学知識が求められます。これらの知識を身につけるのは簡単ではありませんが、CAE解析エンジニアを目指すなら、積極的に学習しておきましょう。  

②FEMに関する知識

FEMとは、Finite Element Methodの略で、日本語では「有限要素法」と呼ばれます。FEMは数値解析の手法のひとつであり、複雑な構造を持つものを解析する場合、それを小さなブロックに分割し個別に解析することで、全体の挙動を近似値として解析する方法です。 建物のような大きく複雑な構造物は、全体を解析する際には複雑な計算式が必要となります。そこで、全体を立方体のような単純な単位に分け、それぞれにメッシュを作って解析することで、解析が容易になるのです。 ただし、単純化したメッシュの構造によって解析結果の精度が大きく左右されるため、十分なFEMの知識と正確な設定が必要となります。  

③ソフトウェアの利用に関する知識

CAEツールを使いこなせるスキルは、解析エンジニアに不可欠な要素です。前述したとおり、CAEツールはプリプロセッサ、ソルバー、ポストプロセッサの3つから成り立っています。これらがどのような機能を持ち、どのようなプロセスで解析を行うのかというソフトウェアの知識は欠かせません。 また、正確な解析を行うためにはどのようなデータが必要なのか、どれほどの精度が求められるのかといった点においても、正しい知識が求められます。  

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5.CAE解析エンジニアの業務内容

CAE解析エンジニアの業務は、大きく3つの段階に分けられます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。  

①CAEツールを使って対象物の解析をする

まずは、CAEツールを使って、対象物の解析を行います。これは、CAE解析エンジニアにとって主軸となる業務です。  

②各種パラメーターを設定し、シミュレーションの条件を指定する

設計側から与えられた解析対象の初期値や限界値をもとに、各種パラメーターを設定して、シミュレーションの条件を指定します。このパラメーター設定で解析結果が大きく変化するため、高精度の解析を行うには、いかに正確な数値設定ができるかが重要です。これは、工学的な知識に加えて、経験がものを言うところでしょう。  

③結果を分析し、問題がある場合はフィードバックを行う

複雑な計算はCAEツールの役割ですが、その結果を詳細に分析するのは、CAE解析エンジニアの仕事です。要求性能が十分に満たされているか、問題が発生していないか、あるいは予見される不具合はないか。これらを漏れなく確認する必要があります。 そして、何らかの問題がある場合には、設計を見直すようフィードバックを行います。  

6.CAE解析エンジニアに向いている人とは?

CAE解析エンジニアは、どのような人が向いているのでしょうか。ここでは、CAE解析エンジニアに求められる知識や経験、素質について説明します。  

工学系の知識がある

CAE解析エンジニアの仕事をする上で、工学系の基礎的な知識は必須です。それも、応用力学や熱力学、電気力学など、解析内容に合った知識が求められます。また、解析作業はCAEツールを使うため、ツールに関する全般的な知識も不可欠といえます。  

スーパーコンピューターによる解析作業の経験がある

正確なCAE解析のためには、解析前のパラメーター設定が重要です。これは知識だけでなく、経験による知見も大きく作用します。そのため、大学で工学を学び、スーパーコンピューターによる解析作業を経験した人材であれば、企業が求める人材像に合致するでしょう。  

粘り強さがあり、観察力と注意力に優れている

CAE解析は、地道な作業の連続です。そのため、ひとつの作業を丹念に続けていける粘り強さや忍耐力は必要でしょう。また、解析結果に対する良否の判断には、細かな点も見逃さない観察力や注意力、探究心が重要です。もしも見落としがあれば、製品化されてから大きな問題を引き起こすことにもなりかねないからです。  

提案力がある

CAE解析によって、何か問題点が明らかになった場合は、どのような方法で解決を図れば良いかをクライアントに伝える必要があります。そのため、解決方法をクライアントに提案する力も欠かせません。  

すべてのプロセスを確実に処理できる正確さがある

CAE解析の仕事には、データの入力と各種設定、CAEツールの操作のほか、解析結果の分析、改善案の作成といったプロセスがあります。そのため、すべてのプロセスを確実に処理できる、正確さのある人材が求められます。  

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7.CAE解析エンジニアのキャリアパスは?

CAE解析に限りませんが、エンジニアがキャリアパスを考える場合、大きく2つの方向性があります。 1つは、技術と知識を身につけ、経験を重ねて、エンジニアリングを深掘りしていくというもの。もう1つは、解析の上流や下流も含めた、プロセス全体を俯瞰するポジションを目指すというものです。 前者はエンジニアとしての完成度を磨いて高めることを目指す方向であり、後者はエンジニアの枠を超え、技術コンサルタントや戦略コンサルタントを目指す方向となります。どちらを選ぶかは、エンジニア自身の判断次第でしょう。職人としての技量を追求するのも、広範なスキル獲得を目指すのも、本人次第です。 ただ、人は意外なほど、自分自身を知ってはいません。ですから「自分はエンジニアの腕を追求したい」と考えていたとしても、実は技術コンサルタントとして有望な適性があることもしばしば起こります。それだけに、CAE解析エンジニアがキャリアパスを考える際には、信頼できるアドバイザーやコンサルタントの力を借りることが大切です。  

CAE解析エンジニアの現状

日本におけるCAE解析は、大学の研究室や大手メーカーの研究開発部門など、極めて限られた範囲でしか行われていませんでした。CAE解析が日本で広がり始めたのは、2012年頃からですし、CAE解析エンジニアという職種が多くの企業で確立され、求人情報が増えてきたのは、2017年頃からのことです。ですから、CAE解析エンジニアという職種に関しては、成功例も失敗例も、サンプルとなる実数がまだまだ少ないという現状があります。 しかし、そのような状況でも、CAE解析エンジニアを志す上で、指針となるものはあります。ここでは、CAE解析エンジニアへの転職を成功させるための、2つのポイントについてご説明します。  

必要なスキルや資格を習得しておく

これまで紹介したように、CAE解析エンジニアには、知識と経験が求められます。そうした下地を持っている人であれば、メーカーの設計開発部門で、CAE解析エンジニアとして活躍することができるはずです。大学で工学を学び、スーパーコンピューターによる解析を経験しているのであれば、解析エンジニアとして有望です。 また、必須ではありませんが、自分のスキルを客観的に証明できる、各種解析技術者の資格を取得しておくと、就職・転職時に有利に働くでしょう。学習も資格取得も簡単ではありませんし、勉強する時間を取ることも難しいかもしれません。しかし、それをクリアすることで自信につながりますし、自分のキャリアに新たな可能性をもたらすきっかけになることは間違いありません。  

信頼できる転職コンサルタントを活用する

CAE解析エンジニアは、日本ではまだまだ限られた職種です。ですから、求人側である企業と求職者とのあいだを、いかに適切にマッチングするかが重要です。 タイグロン パートナーズはこの点に関して、大きな自信を持っています。CAEを実践している企業のほとんどをカバーしており、しかも採用決裁者から直接の依頼を受け、マッチングにあたっています。各企業の内情についても理解していますし、将来的なキャリアパスも見越した提案が可能です。 また、一般には公開されていない非公開求人案件も数多く保有しているため、求職者の特性によってはCAE解析以外の、近接職を提案することもできます。中には、CAEツールそのものを自社開発している企業もあるため、自分の手でCAEツールを開発するポジションを紹介することも可能です。 求職者自身の指向と特性、求人側企業の内情などを総合的に検討した上で、双方にとってプラスとなる提案をさせていただきます。  

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CAE解析エンジニアの転職・採用ならタイグロン パートナーズへ

タイグロン パートナーズは、プロフェッショナル人材に特化したトップレベルの人材紹介サービスを行っています。単なるマッチングにとどまらず、求職側の人柄や特性のほか、求人側の社風や文化なども踏まえた、双方にとってメリットのある人材紹介を行っています。 CAE解析エンジニアへの転職を検討している方、あるいは優秀な人材を確保したい企業担当者の方は、ぜひタイグロン パートナーズへお問い合わせください。

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この記事の監修

小崎 嘉大

Kozaki Yoshihiro


【担当職域】 ・製造業(半導体・CAE解析・ソフトウェア組み込み) 【経歴】 玉川大学文学部卒業。サービス業、外資系医療機器メーカーの営業を経て、大手人材会社であるディスコ(現キャリタス)に入社。広告メディア、採用イベントの営業マネージャーを経て、転職メディア事業、代理店ビジネスの新規事業立ち上げに従事。その後、ジェイエイシーリクルートメントで製造業領域の両面型コンサルタントに転職し、電気、電子、半導体、AI領域を担当。当社でも同様に、製造業領域をメインで担当し、CAE解析、半導体設計、MBD/MBSEコンサル、製造業向けプロセス改善、DXコンサルなどの領域を担当。経営者、CTOクラスとのリレーションをもとに、既にあるポジションだけでなく、新規ポジションの創造を得意とし実績を重ねている。 【自己紹介】 技術やトレンドの移り変わりが早い製造業領域で、最新の情報をもとにご支援をさせていただいております。候補者様とのご面談の際にはできる限り時間をかけて、ご経験はもちろん、ご意向やお考えをお伺いの上で、文化や企業の成長フェーズも加味したベストフィットのご提案を心がけております。また職務経歴書には書ききれない、お強みやご自身の信念なども企業様の経営層の方、部門責任者の方に直接お伝えさせていただいております。候補者の方を200%理解するためにお時間をいただいてしまうこともありますが、ご意向に沿ったサポートをお約束いたします。

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