株式会社クニエ(以下、クニエ)は、株式会社NTTデータグループの一員として、日本のコンサルティング業界をリードする企業です。本記事では、そんなクニエへの転職を目指す方に向けて、選考対策や転職難易度、年収の目安など、知っておくべき情報を網羅的に解説します。転職活動を成功に導くための参考として、ぜひご活用ください。
クニエの概要
英語名 |
QUNIE CORPORATION |
設立 |
2009年7月1日 |
資本金 |
9,500万円 |
代表者名 |
山口 重樹 |
従業員数 |
1,050名(2025年5月時点) |
国内拠点 |
東京(本社)
東京都千代田区大手町2-3-2 大手町プレイスイーストタワー11F
大阪
大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル15F
名古屋
名古屋市東区葵1-20-6 NTT DATA 葵ビル
福岡
福岡市博多区博多駅東1-18-33 博多イーストテラス1F Mol.t |
株主構成 |
株式会社NTTデータ100% |
出典:株式会社クニエ|会社概要
主なサービスとインダストリー
クニエの事業内容と特に強みを持つ領域は以下の通りです。
サービス
- 経営戦略・事業戦略
- 組織戦略・管理制度
- ファイナンシャルマネジメント
- CRM
- イノベーションアクセラレーター
- マーケティング戦略
- デジタルマーケティング
- デジタルトランスフォーメーション
- デジタルラボ
- サービスデザインマネジメント
- SCM/S&OP
- ロジスティクス改革
- 調達購買改革
- 生産改革
- PLM
- 組織・人材ソリューション
- ビジネス・トランスフォーメーション
- エンタープライズ・ソリューション
- ITマネジメント
- セキュリティマネジメント
- インフラストラクチャー&テクニカルサービス
- 地方創生/観光誘客
- 地方創生/農業再生
- 地方創生/都市経営
- 地方創生/企業再生
- 途上国ビジネス支援
- グローバル戦略
インダストリー
- ハイテク
- 組立製造業
- 自動車・自動車部品
- プロセス産業(化学、素材など)
- 消費財
- 小売・流通
- 通信・メディア
- サービス・公益事業
- ヘルスケア
- 金融(銀行、証券、保険など)
- 公共(官公庁、地方自治体など)
- ライフサイエンス
クニエならではの強みと特徴
クニエは、日本企業特有の組織文化や現場に対する深い理解にもとづいた、きめ細やかで実践的なコンサルティングを強みとしています。さらに、グローバル案件にも積極的に取り組んでおり、2025年5月時点で海外拠点を6ヶ所に展開、豊富な海外案件の実績があります。
個人の売上目標を設けない組織体制も特徴的で、コンサルタント一人ひとりが常にクライアントの利益を第一に考える姿勢を大切にしています。このようなスタンスが信頼を生み、高い顧客維持率を誇っているのも特徴です。
株式会社NTTデータ経営研究所との違い
クニエは、株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)において、主に企業の戦略策定から業務改革、実行支援までを手掛ける総合コンサルティングファームです。
一方、NTTデータ経営研究所は、公共政策や金融分野における調査や分析、社会制度設計といったリサーチや政策提言に強みを持つシンクタンク系のコンサルティングが中心で、その役割や得意とする領域が明確に異なります。
クニエの最新動向と将来性
企業のサステナビリティと成長を両立させる新サービスの開発に注力しています。具体的には、ソフトウェアのCO2排出量算定ルールの策定支援や、リスクベース型サプライチェーン(RBSC)構築支援など、環境対応やリスクマネジメントを重視したソリューション提供を強化しています。
親会社である株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)の好調な業績やグローバル事業拡大も、クニエの成長を後押ししています。クニエ自身もアジアや欧米への事業展開を加速させ、グローバルなサービス提供体制を一層強化していく方針です。
今後は、AIやIoTといった先進技術を駆使した次世代型コンサルティングサービスを核に、グローバル市場におけるプレゼンスをさらに高めていくことが期待されます。
クニエの選考プロセスと対策
クニエの選考プロセスの内容と対策を解説します。なお、選考の通過率を高めるためには、転職エージェントに書類の添削やアドバイスを求めることも非常に効果的です。
選考フロー
クニエの選考期間は通常1〜2カ月ほどが目安です。
一般的なフローとしては以下の通りです。
- 書類選考
- 一次・二次面接
- 適性検査(Webテスト・性格診断)
- 最終面接
書類選考対策
書類選考では、応募者のこれまでの実績や保有スキルに加え、同社の企業文化との親和性、そして論理的な思考力が重視されます。過去の業務内容を列挙するのだけでなく、以下のポイントを意識して応募書類を作成しましょう。
職務経歴書
職務経歴は、「直面した課題」「自身が講じた具体的な施策」「その結果得られた成果」という一連のストーリーとして構成することが重要です。成果を記述する際は、可能な限り具体的な数値を用いて定量的に示し、あなたの貢献度を明確に伝えましょう。
自己PR・志望動機
「なぜクニエを志望するのか」「自身の強みは何か」「その強みを活かしてクニエにどのように貢献できるのか」という3点を具体的に記述します。
特に、クニエの企業理念や事業内容への深い理解と共感を示し、自身のこれまでの経験やスキルが、志望するポジションや同社の事業とどのように結びつくのかを論理的に説明することが求められます。
面接対策
クニエの面接で一般的な質問(自己紹介、職務経歴、強み・弱み、5年後のキャリアプラン、ストレス耐性など)に加え、クニエでは候補者の人柄や価値観を深く理解するための独自の質問がなされることもあります。
例えば、「最近感銘を受けた本は何か?」「これまでの人生で心に残っている経験は何か?」といった問いを通じて、あなたの思考や人間性を見極めようとします。自身の経験や考えを客観的に整理し、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。
さらに、コンサルタント職の選考である以上、論理的思考力や問題解決能力を測るケース面接やフェルミ推定、そして関連する業界知識を問う質問への対策も必須です。
クニエへの転職難易度・採用実績
転職難易度が高いと言われる理由
クニエへの転職は、コンサルティング業界内でも特に難易度が高いと言えます。その背景には、業界全体の採用基準の高さに加え、NTTデータグループという強力な基盤を持つ同社への注目度の高さがあります。
事業拡大に伴い中途採用は活発ですが、応募者も多く競争は激しい状況です。
中途採用の応募資格と採用実績
採用実績校としては、東京大学や京都大学をはじめとする旧帝国大学クラス、早稲田大学、慶應義塾大学といった難関私立大学が目立ちます。しかし、これは明確な「学歴フィルター」の存在を示すものではなく、結果としてこれらの大学出身者の応募が多いという傾向があるに過ぎません。
最終的には学歴以上に、これまでの経験、保有スキル、そしてクニエの企業文化や求める人物像との適合性が総合的に評価されます。したがって、十分な自己分析と的確な準備を行えば、幅広いバックグラウンドの方に採用のチャンスがあります。
クニエの募集職種と主な仕事内容
最新の求人動向
クニエでは現在、多様な職種で中途採用を積極的に行っています。主な募集職種は、クニエの公式採用ページで随時更新されています。サービスやインダストリー、エリアごとに分かれて探すことができます。
【職種別】主な仕事内容と求められる経験・スキル
ここからは、職種別の主な仕事内容と求められる経験やスキルを解説します。
製造業コンサルタント
製造業コンサルタントは、自動車や重工業、機械などの大手製造業クライアントに対し、生産・設計開発の改善や業務改革を支援します。メーカーでの実務経験や、製造プロセスに関する知識が重要です。特に、製造業における根幹領域である生産・設計開発の改善に強みを持つクニエでは上記の領域での経験が評価される傾向にあります。
グローバル戦略コンサルタント
グローバル戦略コンサルタントは、海外展開を目指す企業に対し、グローバル戦略の策定や実行支援を行います。ビジネスレベルの英語力や、海外での業務経験が重要です。また、異文化理解や国際的なビジネス感覚も重要なスキルとされています。
DX/先端技術コンサルタント
DX/先端技術コンサルタントは、企業のデジタル変革を支援する役割を担います。デジタル技術やアナリティクスに関する知識・経験が求められ、デジタル化戦略の策定や業務のDX化、サービス/プロダクト開発に向けた構想策定などを担当します。
HCMコンサルタント
HCM(人的資本管理)コンサルタントは、人事領域での業務改革やIT導入支援を行います。人事業務の経験や、HR(人的資源)テクノロジーに関する知識が重要です。具体的には、人事部門機能改革、人事関連システムの構想策定・導入支援などを担当します。
SCM/調達・購買コンサルタント
SCM/調達・購買コンサルタントは、サプライチェーンマネジメントや調達・購買業務の改革を支援します。S&OP(販売事業計画)戦略の立案・企画、業務改革、IT選定支援などを担当し、SCM関連領域のプロジェクト経験が求められます。
クニエが求める人物像
クニエでは、コンサルタントとしての基礎スキルとして、問題発見や解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力、ドキュメンテーション能力が求められます。また、専門性を極めたいという志向や、チームや社会への貢献意欲、主体性、チャレンジ精神も重視されています。
さらに、近年のプロジェクトではIT・システムへの深い理解が求められるケースが増えていることから、選考で有利に働く可能性があります。
英語力はどれくらい必要か
英語力は必須ではないものの、案件の約65%がグローバル関連のため、ビジネスレベルの英語力があれば活躍の場が広がります。
クニエの年収
平均年収と役職別年収レンジ
クニエの平均年収は900万円程度とされています。日系コンサルティングファームの中では高水準に位置します。そのため、転職を通じて高い年収を実現したい方にとっても魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
役職別の年収は以下の通りです。
役職 |
年収(目安) |
年次(目安) |
アナリスト |
450万円 |
1年目 |
コンサルタント |
500万円〜700万円 |
2年目~5年目 |
シニアコンサルタント |
700万円〜900万円 |
5年目~8年目 |
マネージャー |
900万円〜1,200万円 |
7年目~ |
シニアマネージャー |
1,200万円〜1,500万円 |
10年目~ |
ディレクター/プリンシパル |
1,500万円〜2,000万円 |
評価次第 |
マネージングディレクター |
2,500万円〜 |
評価次第 |
給与体系と評価制度
クニエでは、社員一人ひとりの成果を正当に評価し報酬に反映させるため、年俸制を基本としています。この年俸には、月45時間分程度の固定残業代(みなし残業代)が予め含まれています。
プロジェクトの状況や契約内容によっては、この固定残業時間を超過した分について、追加の手当が支給されるケースもあります。
人事評価は年1回実施され、個人の実績や成長度合いを重視する成果主義にもとづいています。年齢や勤続年数といった年功序列的な要素ではなく、個々の実力とプロジェクトへの貢献度が評価の主軸となるため、自身の努力と成果がキャリアアップや昇給に直接的に反映されやすい環境と言えるでしょう。
クニエの福利厚生
クニエの福利厚生は、NTTデータグループの充実した制度を基盤としており、業界内で高い水準を誇ります。
主な福利厚生一覧
主な福利厚生は以下の通りです。
- 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険
- NTT企業年金基金
- 企業型確定拠出年金(DC)制度
- 団体定期保険
- 長期障害所得補償保険
- 財形貯蓄制度
- 社員持株会
- 退職金制度
残業時間の実態とワークライフバランス
平均残業時間は、月45時間前後とされており、コンサルティング業界の中では比較的少ない水準と言えます。しかし、これはあくまで平均であり、プロジェクトのフェーズや納期、クライアントの状況によって残業時間は変動し、繁忙期には一時的に業務負荷が増加する可能性もあります。
なお、以下のようなワークライフバランスを重視した社内制度が整備されています。
- 完全週休二日制
- 各種休暇制度(リフレッシュ休暇・年末年始休暇など)
- フレックスタイム制度
- リモートワークの導入
- 時短勤務制度
クニエのキャリアパス
クニエには、多様なバックグラウンドを持つ人材が集い、それぞれの経験を活かしてプロフェッショナルとして活躍しています。入社後のキャリア形成においては、社員一人ひとりの成長を後押しするため、明確なキャリアパスが用意されています。
主に以下のキャリアパスが設定されています。
- マネジメントパス:プロジェクト全体を統括し、チームを率いて成果を創出するマネジメント能力を高めていく道筋です。
- スペシャリストパス:特定の業界やソリューション領域における高度な専門性を追求し、その分野の第一人者として価値を提供する道筋です。
具体的な内容は以下の通りです。

出典:株式会社クニエ|キャリアパス
また、女性社員の比率は約3割とされています。仕事と育児を両立しながらキャリアを継続する社員が多いのも特徴です。
クニエの社風・働きがい・評判
クニエの社風、働く魅力、そして実際に寄せられる評判について紹介します。
企業文化と社風
クニエは、中途採用者が過半数を占めるとされており、多様なバックグラウンドを持つ人材で構成されている点が大きな特徴です。経営層にはNTTグループ出身者が多い一方、現場では外資系コンサルティングファームや様々な事業会社からの転職者がそれぞれの専門性を活かして活躍しています。
社内の雰囲気は、「穏やか」「落ち着いている」とされています。日系企業特有の丁寧さや人当たりの良さを持ち合わせつつも、コンサルタントとして高い成果を出すことが求められるため、プロフェッショナルとしての規律と責任感が重視される文化です。
厳格な成果主義である「Up or Out」の文化はなく、社員の長期的な成長を支援する育成スタイルが根付いています。
働くやりがいと成長環境
クニエで働く魅力の一つは、クライアントに貢献している実感を得られる点です。特に、大手企業とのプロジェクトが多いため、質の高いコンサルティングを提供する責任とやりがいを感じられるでしょう。
また、業務の自由度や裁量権が大きく、若手でも提案や意思決定に関わる機会が豊富です。そのため、日々の仕事を通して多様な課題にチャレンジしながら、自分自身の成長を感じられます。
育成環境も整っており、未経験者向けの基礎研修や役職別の研修、マネージャー向けの育成プログラムなどが用意されているのも魅力です。

出典:株式会社クニエ|研修制度
評判・口コミ集
複数の口コミサイトや転職情報サイトを参考に、クニエの評判を以下のようにカテゴリ別に紹介します。
待遇・福利厚生
- 年収水準は比較的高めで、成果によってさらに向上を見込める。
- 福利厚生はNTTグループ基準で非常に充実している。
- 残業代の支給に関してはプロジェクトごとの裁量が大きく、一部曖昧な面がある。
仕事のやりがい・成長
- 大手クライアントとのプロジェクトが中心で、豊富な成長機会が得られる。
- 研修体制がしっかりしており、スキルアップに前向きな風土がある。
- 保守的な案件が多い部署ではチャレンジの幅が狭い。
社員・社風
- 社内の雰囲気が穏やかで人間関係が良好である。
- 中途社員の割合が高く、異なるキャリア背景の人でもなじみやすい。
- 一部の部署では、ペースダウン志向のメンバーが多く、スピード感に欠ける。
男女の働きやすさ
- 女性の管理職登用も進んでおり、男女問わずキャリア形成が可能である。
- 育休取得や復職支援など、制度面のサポートが厚い。
クニエへの転職を成功させるためのポイント
コンサルタントという仕事への深い理解
コンサルタントという職業は、クライアントに専門的知見を提供し課題解決に導く、大きな責任を伴う仕事です。一方で、一般的に想起されがちな「華やかな仕事」というイメージとは実際には異なるかも知れません。
実際の業務は、膨大な資料作成や徹底したリサーチ、そしてプレッシャーの中での意思決定など、地道でストレス耐性が求められる場面が非常に多いと言えます。こうした実態を事前に理解しておくことで、転職後のミスマッチを防ぐことができます。
転職理由・志望動機の考え方
転職活動では、これまでのキャリアを振り返り、「なぜ転職したいのか」「なぜ今なのか」「なぜクニエを志望するのか」などの問いに明確な答えを持つことが重要です。
例えば、「現職の仕事内容や待遇が不満」などの理由では、面接での説得力に欠けます。前向きな転職理由を用意しておきましょう。そのため、「大きな裁量をもって働きたい」「専門性を高めたい」「社会により直接的なインパクトを与えたい」など、自分の成長志向とコンサルティング業界との関係性を丁寧に説明することが大切です。
さらに、数あるコンサルティングファームの中で、なぜクニエを選ぶのかという点も重要です。クニエの特色に共感していることを伝えることで、志望動機に納得感が出ます。
転職成功者が実践した具体的な対策
クニエへの転職成功者は、例外なく入念な事前準備を徹底しています。
まず、応募書類(履歴書・職務経歴書)は、転職エージェントなど専門家の添削を受け、自身の強みや実績を具体的かつ効果的に伝える工夫をしているケースが多いです。
次に、面接対策として、模擬面接などを通じて想定問答の精度を高め、自信を持って本番に臨めるよう準備を重ねています。コンサルタント特有のケース面接やビジネスディスカッション形式の選考に備えるため、論理的思考力のトレーニングも重要です。加えて、自身のキャリアビジョンや価値観を深く掘り下げ、クニエの企業理念、事業内容、
そして求める人物像について徹底的に情報収集し、理解を深めることも、転職成功を左右する大きなポイントとなるでしょう。
クニエへの転職は転職エージェントにお任せ
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