日系最大級の総合系コンサルティングファームとして、国内外で高い評価を得ているアビームコンサルティング。「年収はどのくらい?」「コンサルBIG4と比較してどうか?」など待遇に関して関心を抱く人も多いでしょう。特に転職を検討する際には、リアルな年収水準や評価制度、仕事のやりがいを把握しておくことが重要です。本記事では、アビームコンサルティングの待遇について、平均年収や役職別給与テーブル、賞与(ボーナス)、評価制度、競合他社比較など、徹底的に解説します。
アビームコンサルティングの概要
アビームコンサルティングは、日本発のグローバルコンサルティングファームです。クライアント企業の経営戦略立案から業務改革、IT導入、アウトソーシングまで、多岐にわたるサービスをワンストップで提供し、企業の変革と持続的成長を支援しています。
ここでは、同社の基本的な企業情報や組織体制、事業内容、そして同社ならではの特徴と強みを解説します。
名称 |
アビームコンサルティング株式会社 |
英語名 |
ABeam Consulting Ltd. |
設立 |
1981年4月1日 |
資本金 |
62億円 |
代表者 |
代表取締役社長 山田 貴博 |
従業員数 |
8,278名 (2024年4月1日現在 連結) |
拠点数 |
29拠点(2024年10月1日現在) |
本社所在地 |
東京都中央区八重洲二丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー |
子会社 |
アビームシステムズ株式会社 |
関連会社 |
株式会社GXコンシェルジュ
株式会社住商アビーム自動車総合研究所 |
沿革 |
1981年:等松・トウシュロス コンサルティング株式会社を設立
1997年:社名をデロイト トーマツ コンサルティング株式会社に改称、グローバル組織であるデロイト コンサルティングに参加
2001年:デロイトシステムズ中部株式会社を設立(現 アビームシステムズ株式会社)
2003年:デロイト トゥシュ トーマツから脱退、アビームコンサルティング株式会社に社名を変更、株式会社住商アビーム自動車総合研究所を設立
2004年:NECと戦略的資本提携
2015年:グルッポ アッサ社(Grupo ASSA Corp.)と業務提携
2024年:住友商事と共同出資会社「株式会社GXコンシェルジュ」を設立 |
出典: アビームコンサルティング株式会社|会社概要
組織体制
アビームコンサルティングの組織は、主に「インダストリー(業界別)」と「サービスライン(機能・業務)」の2つの軸を組み合わせたマトリクス体制を採用しています。

出典: アビームコンサルティング株式会社|会社を知る
インダストリー
主に以下のような主要業界ごとに専門チームを編成し、各業界特有の課題やビジネス環境に精通したコンサルタントが対応します。
- 製造
- 金融
- 流通、小売
- 通信、メディア
- 中央省庁、公共など
サービスライン
主に以下のような機能別の専門部隊が、業界横断的な知見や最新技術を提供します。
- 企業戦略、事業戦略
- デジタルプロセス(CRM、SCM、HCMなど)
- デジタルテクノロジー(AI、クラウド、SAPなど)
- アウトソーシングなど
主な事業内容
アビームコンサルティングは、クライアント企業の抱える多様な経営課題に対し、戦略策定から業務プロセスの改革やITシステムの導入・活用など、幅広い領域でコンサルティングサービスを提供しています。近年は特に、AI・データ活用といった先端領域にも注力しています。

出典: アビームコンサルティング株式会社|会社を知る
特徴と強み
アビームコンサルティングの最大の特徴は、「日本発・アジア発のグローバルコンサルティングファーム」という独自のポジショニングです。日系企業としての強みを活かし、日本企業の文化や意思決定プロセスを深く理解した上で、真の課題解決を目指す「リアルパートナー」としての伴走型スタイルを貫いています。
IT/DX支援における実績
アビームコンサルティングは、ITコンサルティングとDX支援において国内トップクラスの実績を誇ります。その中核を成すのがSAP導入支援であり、企業の基幹システム刷新からデータ活用基盤構築まで、幅広いSAPソリューションを提供しています。
グローバルネットワーク
アジアを中心に、米州や欧州など世界各地に広がる独自のグローバルネットワークもアビームコンサルティングの大きな強みです。約29拠点、提携パートナー拠点を含めると130拠点以上(2024年時点)のネットワークを活かしています。
これにより、日系企業の海外進出支援やグローバル規模でのサプライチェーン最適化、現地法人の経営管理体制構築など、クロスボーダー案件にも積極的に取り組んでいます。各地域のビジネス慣習や法規制に精通した現地コンサルタントとの連携により、グローバルレベルでの価値提供を実現しています。
人材育成への注力
アビームコンサルティングは、コンサルタントの育成に非常に力を入れています。新卒・中途入社者向けの導入研修から始まり、各役職レベルに応じた階層別研修や専門スキルを磨くための各種トレーニング、語学力向上プログラムまで、充実した研修制度が整備されています。
また、カウンセリング制度やメンター制度を通じて、中長期的なキャリア形成をサポートする体制も整っており、社員一人ひとりがプロフェッショナルとして成長し続けられる環境が提供されています。
アビームコンサルティングの年収
アビームコンサルティング株式会社(以下、アビームコンサルティング)の平均年収は約850万円程度とされています。これはあくまで全体の平均値であり、役職、評価によって大きく変動します。
新卒の年収
アビームコンサルティング公式サイトによると、新卒の初任給は以下の通りです。
職種 |
学歴 |
初任給 |
コンサルタント職 |
学卒 |
370,000円 |
院卒(修士・博士) |
400,300円 |
プランニング&オペレーション職 |
学卒 |
313,000円 |
院卒(修士・博士) |
339,100円 |
出典: アビームコンサルティング株式会社|新卒採用
上記を年収に換算すると、学部卒で約550万円〜600万円、修士・博士修了で約580万円〜630万円程度が見込まれます。上記には基本給に加え、想定される賞与が含まれています。
アビームコンサルティングは優秀な新卒社員の獲得にも力を入れており、初年度から比較的高水準な待遇が期待できるファームと言えるでしょう。ただ、入社初年度の賞与(ボーナス)に関しては、評価期間が短いことや試用期間などにより、通常と異なる場合がある点に留意が必要です。
役職別の年収レンジ
アビームコンサルティングでは、役職ごとに明確な年収レンジが設定されており、昇格に伴い着実な昇給が見込めます。一般的な役職と年齢、年収の目安は以下の通りです。
役職 |
年齢(目安) |
年収(目安) |
ビジネスアナリスト |
22歳~ |
550万円〜600万円 |
コンサルタント |
23歳~ |
600万円〜750万円 |
シニアコンサルタント |
27歳~ |
750万円〜1,000万円 |
マネージャー |
30歳~ |
1,000万円〜1,400万円 |
シニアマネージャー |
34歳~ |
1,250万円〜1,900万円 |
ディレクター |
37歳〜 |
1,800万円〜 |
プリンシパル |
42歳~ |
2,500万円~ |
競合他社との年収比較
アビームコンサルティングの平均年収を他の主要コンサルティングファームと比較すると、以下の通りです。
企業名 |
年収(目安) |
PwCコンサルティング合同会社 |
1,000万円 |
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 |
950万円 |
KPMGコンサルティング株式会社 |
950万円 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 |
900万円 |
アクセンチュア株式会社 |
900万円 |
アビームコンサルティング株式会社 |
850万円 |
コンサルBIG4(PwCコンサルティング合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、KPMGコンサルティング株式会社、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)やアクセンチュアといった外資系総合コンサルティングファームと比較すると、アビームコンサルティングの平均年収は若干低い傾向があります。
アビームコンサルティングの給与体系・評価制度
アビームコンサルティングの基本給や賞与(ボーナス)の仕組み、残業代の扱いや昇給制度、そして個人のパフォーマンスがどのように評価され報酬に反映されるのかを解説します。
給与体系・賞与(ボーナス)
アビームコンサルティングの給与は、基本給と年2回(通常6月・12月)の賞与(ボーナス)で構成されています。役職ごとに基本給のレンジが明確に定められており、昇進・昇格によって基本給が上昇する仕組みです。
賞与の決定には、会社全体の業績に加え、個人の業績評価やプロジェクトにおける稼働率などが総合的に考慮されます。特にマネージャー以上の役職では、担当プロジェクトの利益率も評価の重要な指標の1つとなります。
入社後の最初の賞与については、評価期間の短さから一律の金額が支給されるケースや、試用期間中の算定基準が異なる場合がある点に注意が必要です。
残業代の扱いと昇給制度
アビームコンサルティングは、マネージャー以上を除き、みなし残業制度を採用しておらず、原則として残業した時間に応じて残業手当が適正に支給される点が挙げられます。
昇給は通常年1回、個人のパフォーマンス評価にもとづいて行われます。評価結果によって昇給率は異なりますが、特に役職が上がる際には、基本給が大幅に上昇する場合があります。
人事評価制度の仕組みと基準
アビームコンサルティングでは、半期または通期ごとにパフォーマンス評価が行われ、昇給・賞与・昇進に反映されます。
一般的な評価プロセスとしては、期初に上司と目標を設定し、期中および期末に面談を通じて達成状況を確認します。プロジェクト単位での評価に加え、360度評価が取り入れられるケースも見られます。
評価は、各役職レベルに求められるコンピテンシー(能力・行動特性)やプロジェクトへの貢献(成果)、会社方針への貢献(採用活動、ナレッジ共有など)を総合的に判断する仕組みです。
アビームコンサルティングの年収が高い理由
アビームコンサルティングの年収が高い理由を以下の3つの側面から解説します。
- デロイト トーマツ コンサルティングとの関係によるもの
- 好調な高収益事業によるもの
- 優秀な人材を確保するための報酬体系を導入しているため
デロイト トーマツ コンサルティングとの関係によるもの
アビームコンサルティングの年収が高い背景には、その設立経緯があります。同社は、2003年に旧デロイト トーマツ コンサルティングの一部門がマネジメント・バイアウト(MBO)で独立、誕生しました。
この経緯により、グローバル基準の手法や品質管理、多様な業界に関する知見、強固な顧客基盤を継承しています。こうした「デロイト由来のDNA」が、質の高いサービスと高単価の案件を生み出し、高収益体質と高水準の報酬体系のもとになっています。
好調な高収益事業によるもの
アビームコンサルティングの高年収を支える大きな柱は、特にSAPコンサルティング事業における圧倒的な市場競争力と、その好調な業績です。
同社は日本国内で最多クラスのSAP認定コンサルタントを擁し、SAP社との30年近くに及ぶ強固なパートナーシップを築いています。企業の基幹システムとしてSAPの需要は高く、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などにより、導入・刷新のプロジェクト案件を数多く手がけています。
SAPコンサルティングの詳細については、以下の記事をご覧ください。
SAPコンサルとは?仕事内容と人材需要が高い理由、転職で求められるスキル
優秀な人材を確保するのための報酬体系を導入しているため
アビームコンサルティングは、優秀な人材の獲得・定着を図るため、業界水準を意識した競争力の高い給与体系やインセンティブ制度を導入しています。
市場価値の高い専門性を持つ社員に相応の報酬を提示することで、モチベーションの向上や継続的な成長、そしてファームへの貢献を促すことを目的としています。
コンサルティングファームは「人材」が最大の資本であり、その確保と維持がファームの競争力を直接的に左右します。特に同社のようなトップクラスのコンサルティングファームは、国内外の競合他社や大手事業会社、IT企業との間で常に激しい人材獲得競争に直面しています。そのため、魅力的な報酬制度を通じて優れた人材を惹きつけ、維持することは、同社にとって重要な経営戦略となっています。
アビームコンサルティングの働き方と福利厚生
コンサルティング業界は激務というイメージもありますが、アビームコンサルティングでは近年、働き方改革が進み、社員が長期的に活躍できる環境整備に注力しています。
ここでは、同社の労働環境の実態、残業時間、そして社員の多様なライフスタイルやキャリア形成を支える充実した福利厚生制度について解説します。
出典:アビームコンサルティング株式会社|成長支援と制度
労働環境と残業時間
アビームコンサルティングの平均残業時間は月30〜40時間程度とされており、コンサルBIG4や外資系戦略コンサルティングファームより少ないという情報もあります。
大きな特徴として、同社は原則「みなし残業制度」を採用しておらず、マネージャー未満の役職では実働に応じた残業手当が支給されるため、サービス残業が発生しにくい透明性の高い仕組みです。
ただし、リリース直前や最終報告前などのプロジェクトの山場や、緊急対応が必要な場面では、一時的に残業が増えることも想定しておく必要があります。
キャリア形成やスキルアップの支援制度
アビームコンサルティングでは、社員の継続的な成長とキャリア実現を支援するため、多彩な制度を用意しています。自己啓発支援として、オンライン学習プラットフォームの提供、社内外の各種研修プログラムへの参加奨励、SAP認定資格をはじめとする専門資格取得費用の補助などが行われています。
充実した福利厚生制度
アビームコンサルティングは、社員が安心して長期的に働けるよう、業界内でも手厚いと評価される福利厚生制度を導入しています。ここでは主な制度を紹介します。
健康保険カフェテリアプラン
社員一人ひとりに年間5万円分などの一定のポイントが付与されます。ポイントの範囲内で住宅関連補助や医療費補助、育児・介護サービス、自己啓発、旅行・レジャーなどから個人のニーズに合わせて自由にサービスを選択・利用できる制度があります。
確定拠出年金制度
将来の資産形成を支援するため、確定拠出年金制度を導入しています。会社からの掛金拠出に加え、社員自身が掛金を上乗せできるマッチング拠出も可能なため、税制優遇を受けながら効率的に老後資金を準備できます。
団体保険制度
社員とその家族の万が一に備え、会社負担で加入できる各種団体保険制度が充実しています。団体定期保険や医療保険(入院・手術給付)、三大疾病サポート保険、海外赴任者向けの包括保険など、幅広いリスクに対応した保障が提供されており、安心して業務に専念できる環境を支えています。
社内クラブ活動
テニスやサッカー、ゴルフ、ヨット、軽音楽、写真など、多種多様な公認クラブ活動が活発に行われています。これらの活動を通じて、部署やプロジェクトの垣根を越えた社員同士のコミュニケーションが促進され、リフレッシュや人脈形成の機会となっています。
外部カウンセリングサービス
社員のメンタルヘルスサポートの一環として、産業カウンセラーや臨床心理士といった外部の専門家によるカウンセリングサービスを無料で利用できる制度があります。職場の人間関係や業務上の悩み、プライベートな問題など、気軽に相談できる窓口が用意されており、心身の健康維持を支援しています。
アビームコンサルティングへの転職情報
アビームコンサルティングは中途採用を積極的に行っており、特にDXやSAP領域を中心に採用を強化しています。ここでは、同社への転職難易度、最新の採用動向と募集職種について解説します。
転職難易度が高い
アビームコンサルティングへの転職難易度は非常に高いとされています。同社の知名度や安定性、豊富なキャリア機会から、コンサルタント経験者だけでなく、事業会社やIT業界出身の優秀な人材が多く応募しています。
選考では、論理的思考力・問題解決力・コミュニケーション能力に加え、応募ポジションに応じた専門性が重視されます。内定を得るには、入念な自己分析と企業研究が不可欠です。
採用動向と募集職種
アビームコンサルティングの募集職種は大きく「コンサルタント職」と「プランニング&オペレーション職(管理部門など)」に分かれます。
コンサルタント職では、インダストリー(製造、金融、公共など)やサービスライン(戦略、SCM、HCM、CRM、テクノロジーなど)ごとに専門性を追求するポジションが多数募集されています。
公式採用ページなどで公開されている求人の年収レンジは、経験やスキルに応じて幅広く、例えばコンサルタントクラスで約580万円、シニアコンサルタント以上では1,000万円を超え、上位役職では2,000万円に達するケースもあります。ここからは、現在の求人情報を紹介します。
アビームコンサルティングが求める人物像
アビームコンサルティングでは、以下の5つの経営理念(コーポレートバリュー)を掲げており、これらの理念に共感し、体現できる人物を重視しています。ここでは、同社が求める具体的な人物像を解説します。
- クライアントを思う心
- 卓越したプロフェッショナリズム
- 多様な個人の尊重
- チームの力
- 独自のグローバル観
クライアントを思う心
アビームコンサルティングが重視する価値観の一つが「クライアントを思う心」です。
この価値観は、常にクライアントの立場に立つことを基本とします。表面的な課題だけでなく、その本質や将来的な影響まで深く洞察し、クライアントにとって何が本当に最良の道なのかを徹底的に考え抜く姿勢が求められます。
そのため、単なる理論や理想論に終始するのではなく、クライアントのビジネスの現実に即した、実現可能かつ効果的なソリューションを具体的に描き出すことが重要です。
卓越したプロフェッショナリズム
現状に決して満足することなく、常に自身の知識、スキル、経験をより広く、深く追求し続ける探求心と向上心を持つことが、アビームコンサルティングのコンサルタントには不可欠です。
コンサルティング業界は変化が激しく、新しいテクノロジーやビジネスモデルが次々と生まれます。そのような環境下で、常に学び続け、専門性を高めていく努力が求められます。
そして、その積み重ねによって培われた高い専門性を活かし、既存の枠組みにとらわれず、変化を恐れずに業界のリーダーとして新しいサービスの開拓や価値創造にも積極的に挑戦できる人物が評価されます。
多様な個人の尊重
アビームコンサルティングでは、社員一人ひとりが持つ異なる才能や多様なバックグラウンド、価値観を心から尊重し合う文化を大切にしています。異なる視点やアイデアが交わることで、より革新的で質の高いソリューションが生み出されると考えるからです。
そのため、他者の意見に真摯に耳を傾け、それぞれの「個」の力を最大限に活かし、かけ合わせることでチームとしてより大きなシナジー効果を生み出すことに喜びを感じられる人物が求められます。
チームの力
コンサルティングプロジェクトは、個人では対応しきれない複雑な課題にチームで取り組むのが基本です。アビームコンサルティングでは、個々の高い専門性をチームの中で活かし、社内外のメンバーと連携しながら成果を最大化する姿勢が重視されます。
クライアントとも「発注者と受注者」の関係を超え、同じ目標を共有するパートナーとして信頼関係を築き、ともに課題解決を進められる人物が求められます。
独自のグローバル観
日本発・アジア発のグローバルコンサルティングファームであるアビームコンサルティングは、独自のグローバル観を持つ人材を求めています。これは、単に語学力があるということだけを意味するものではありません。
世界中の先進的な事例やベストプラクティスを積極的に学び、自身の知見を広げる柔軟性を持ち合わせていることが重要です。同時に、それぞれの国や地域が持つ固有の文化、歴史、価値観、ビジネス環境、法規制などを深く理解し、尊重できるバランス感覚も不可欠です。
アビームコンサルティングの選考
アビームコンサルティングへの転職を成功させるためには、同社の選考プロセスと各ステップで重視されるポイントを正確に理解し、適切な対策をする必要があります。ここでは、一般的な選考フローと、各段階における具体的な対策のポイントを解説します。
選考プロセスとポイント
アビームコンサルティングの中途採用の選考プロセスは、基本的に「書類選考」「Web適性検査」「面接(2〜3回)」で構成されます。応募ポジションや候補者の経験に応じて内容が変わる場合もあります。
コンサルタント職では、論理的思考力や問題解決力を評価する「ケース面接」や「フェルミ推定」が行われることもあります。
また、現職が多忙な候補者向けに、複数ステップを1日で実施する「一日選考会」が開催されることもあります。各選考段階で求められる能力は異なるため、段階ごとの対策が重要です。
書類選考
書類選考は、応募者の基本的なスキルや経験が、募集しているユニットやポジションの要件に合致しているかを見極めます。単に職務経歴を羅列するのではなく、これまでの実績や成果を具体的かつ定量的に記述し、コンサルタントとして活かせるポテンシャルをアピールする必要があります。
面接対策
アビームコンサルティングの面接は、複数回実施され、回を追うごとに評価の視点や質問の深さが変わることが一般的です。
面接官は主に現役のコンサルタントが担当し、候補者の論理的思考力、コミュニケーション能力、問題解決能力、そしてカルチャーフィット(企業文化への適合性)などを厳しく評価します。
「なぜ転職するのか」「なぜコンサルタントなのか」「なぜアビームコンサルティングなのか」という基本的な質問に対しては、自身のキャリアプランとの一貫性や、同社の企業理念・特徴への深い理解にもとづいた回答を準備する必要があります。
過去の実績を説明する際は、具体的な状況、自身の役割、取った行動、そしてその結果(STARメソッドなどを活用)を論理的に伝えられるようにしましょう。
面接で重視される点
アビームコンサルティングの面接では、「論理的思考力」「コミュニケーション能力」「独自性のある自己PR」「企業・業界への理解度」の4つが総合的に評価されます。さらに候補者の価値観や資質がどれだけ合致しているか(カルチャーフィット)も重要な判断基準となります。
アビームコンサルティングでのキャリアパス
アビームコンサルティングは、社員一人ひとりの成長とキャリア実現を重視しており、ファーム内外で多様なキャリアパスを描ける環境を提供しています。
明確な昇進・昇格の仕組みに加え、グローバルな経験を積むための制度や専門性を高める支援が充実しており、個々の志向やライフステージに合わせたキャリア構築が可能です。また、同社で培った高いスキルと経験は、社外の様々なフィールドでも高く評価されています。
社内でのキャリア成長と支援制度
アビームコンサルティングでは、アナリストから始まり、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーへと続く標準的なキャリアパスが用意されています。社員のキャリア成長を支援する研修や制度も豊富です。
出典: アビームコンサルティング株式会社|研修・キャリア構築
海外駐在員公募制度
グローバルな視点と経験を持つコンサルタントを育成するため、海外拠点での業務経験を積むことができる「海外駐在員公募制度」があります。社員は自らの意思でこの制度に応募し、選考を経て海外のプロジェクトやオフィスで活躍するチャンスを得られます。アジアや米州、欧州など、同社のグローバルネットワークを活用したキャリア形成が可能です。
資格取得支援制度
SAP認定資格をはじめ、PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)、中小企業診断士、公認会計士など、業務に関連する幅広い資格の取得が推奨されています。資格の受験や研修にかかる費用の補助や合格時の一時金支給、資格維持費用の会社負担など、様々な支援が提供されています。
語学力向上プログラム
グローバル案件への対応力強化のため、社員の語学力向上をサポートするプログラムが提供されています。英会話スクールの受講料補助や割引きやTOEICやTOEFLといった語学テストの受験費用負担、社内での語学研修などが実施され、社員がビジネスレベルの語学力を習得・維持できるよう支援しています。
カウンセリング制度
社員が中長期的な視点でのキャリア構築をサポートするために、専門のキャリアカウンセラーによるカウンセリング制度や上位管理職によるメンター制度などが設けられています。キャリアの方向性やスキルアップの方法、ワークライフバランスなど、様々な相談に対応し、個々のキャリアプラン実現を後押ししてくれます。
社外へのキャリアパス事例
アビームコンサルティングで培われる高度な問題解決能力や戦略的思考力、プロジェクトマネジメントスキルなどは、同社を離れた後のキャリアにおいても極めて高く評価されます。これらの能力は、多様な分野で活躍するための強固な基盤となり、幅広いキャリアの選択肢を切り拓くことを可能にします。
事業会社への転職
一般的なキャリアパスの一つが、大手事業会社の経営企画や事業開発、DX推進、マーケティング部門などへの転職です。コンサルタントとして培った戦略策定能力やプロジェクト推進力を活かし、事業の当事者として企業の成長に直接的に貢献できる魅力があります。
スタートアップ企業への参画
急成長を目指すスタートアップ企業へ、CxO(最高経営責任者、最高執行責任者など)や事業責任者といった経営幹部として参画するケースも増えています。事業立ち上げや組織構築など、ダイナミックな環境で自身の能力を試すことができます。
PEファンド・VC業界などへの転身
プライベートエクイティ(PE)ファンドやベンチャーキャピタル(VC)へ転身し、投資先の選定やデューデリジェンス、投資後のバリューアップ(企業価値向上支援)などに携わるキャリアも選択肢の一つです。財務知識や企業分析能力、経営的視点が活かされます。
他のコンサルティングファームへの移籍
より専門性を深めたい、異なるカルチャーのファームで経験を積みたいといった理由から、外資系戦略コンサルティングファームや他の総合系ファームへの移籍という選択肢もあります。特定の領域に特化したブティックファームなどへステップアップ、あるいはキャリアチェンジするケースも見られます。
卒業生(アルムナイ)とのネットワーク
アビームコンサルティングは、退職した社員(アルムナイ)との良好な関係構築も重視しており、公式なアルムナイネットワークを運営しています。このネットワークの目的は、同社での経験を共有する元社員同士が、卒業後も相互に有益な情報交換やビジネス連携を図り、継続的な関係を築くことです。
アルムナイにとっては、多様な業界で活躍する元同僚との人脈維持や最新の業界情報の入手、アルムナイ限定イベントへの参加といったメリットがあります。また、同社にとっても、アルムナイは貴重なビジネスパートナーや潜在的なクライアントになります。
さらには将来的な再雇用の対象となり得るなど、双方にとって長期的な価値創出の源泉となっています。
アビームコンサルティングへの転職を目指す方へ
ここまでアビームコンサルティングの年収水準や評価制度、働き方、福利厚生、そして多様なキャリアパスについて詳細に解説しました。
最後に、転職を検討する上で重要な自己分析のポイントと、ハイクラス転職を実現するための転職エージェントの活用についてお伝えします。
自身がアビームコンサルティングで活躍できるか
アビームコンサルティングへの転職を具体的に検討するにあたり、まずは自身と同社とのフィット感を多角的に見極めることが重要です。
第一に、これまでの経験やスキルや自身の価値観が、同社が求める人物像や企業文化とどれだけ合致しているかを深く自己分析しましょう。
次に、同社の公式サイトやニュースリリース、社員インタビュー、プロジェクト事例などを徹底的にリサーチします。同社の事業内容、強み、そしてコンサルタントの具体的な働き方や仕事のやりがいについて理解を深めることが重要です。
転職相談はタイグロンパートナーズへお任せ
アビームコンサルティングのような大手・有名コンサルティングファームへの転職は、綿密な情報収集と戦略的な選考対策が不可欠です。そこで有効なのが、コンサルティング業界等のハイクラス転職に特化した転職エージェントの活用です。
タイグロンパートナーズは、年収1,000万円以上のハイクラス・プロフェッショナル求人に特化し、コンサルティングファームへの転職支援にも豊富な実績があります。各業界出身の経験豊富なコンサルタントが、あなたの経験・スキル・志向を深く理解した上で、転職活動の進め方、各社選考のポイントを的確にアドバイスします。ぜひ、タイグロンパートナーズの転職・キャリア相談にお申し込みください。