PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、英国に本拠を構える世界最大級の総合コンサルティングファーム(以下、コンサルファーム)です。ファーム内には様々な業界における企業の経営課題を解決するため、専門知識と高度なスキルを携えた人材が多く在籍しています。本記事では、国内でも最大規模を誇るコンサルファームの一つであるPwCコンサルティングの年収や給与制度について詳しく解説します。採用プロセスや選考対策についても解説するので、コンサル業界での転職を通してキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
PwCコンサルティングの会社概要
PwCコンサルティングは、世界157カ国に拠点を持つ大手コンサルファームです。
ロンドンを拠点とする世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の一員として、以下のような様々な領域におけるコンサルティングサービスを提供しています。
- 金融
- 製造
- 情報通信/テクノロジー/エンターテインメント
- ヘルスケア
- 公共 など
同社は、以下3つのファームと並ぶ世界4大コンサルファーム(BIG4)の一つとして、経営戦略やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進変革などにおいてクライアント企業にサービスを提供しています。
- デロイトトーマツコンサルティング合同会社
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
- KPMGコンサルティング株式会社
戦略策定から実行まで、総合的なコンサルティングサービスを提供しており、世界中から優秀な人材が集まっています。
PwCコンサルティングの会社概要は以下の通りです。
名称 |
PwCコンサルティング合同会社 |
英語名 |
PwC Consulting LLC |
設立 |
2016年2月29日 |
資本金 |
非公開 |
代表執行役CEO |
安井 正樹(2025年4月時点) |
従業員数 |
約5,130名(2024年6月30日時点) |
所在地 |
東京
東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One タワー
名古屋
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 JRセントラルタワーズ 38F
大阪
大阪府大阪市北区大深町4‐20 グランフロント大阪 タワー A 36F
福岡
福岡県福岡市中央区天神1-11-1 ONE FUKUOKA BLDG. 11階 |
出典:PwCコンサルティング合同会社
役職別の主な業務内容
PwCコンサルティングにおける役職別の主な業務内容は以下の通りです。
役職 |
主な業務内容 |
アソシエイト |
・資料作成やリサーチ業務
・クライアントや社内向けミーティングの準備・議事録作成
・先輩社員の指示下におけるタスクの遂行 |
シニアアソシエイト |
・小規模タスクにおけるメンバーへの業務指示
・課題整理や改善案提案などプロジェクト推進の一部担当
・クライアントとのやり取りにおける窓口 |
マネージャー |
・プロジェクト全体の計画立案・管理
・クライアントへの提案活動や課題解決に向けた活動
・チームメンバーの育成・評価 |
シニアマネージャー |
・大型案件のリードや複数プロジェクトのマネジメント
・顧客経営層との関係構築・提案や交渉
・収益管理・プロジェクトの採算確保 |
ディレクター |
・重点顧客向けの営業・案件開拓活動におけるリーダー
・社内外のリソースを活用する案件の総合的な推進
・新サービスやソリューションの開発・展開 |
パートナー |
・会社全体の事業戦略策定
・重要クライアントとの経営課題に対する提言・支援
・業界ネットワークの拡大
・新規案件の創出 |
PwCコンサルティングの年収(2025年5月時点)
2025年5月時点のPwCコンサルティングの平均年収は1,000万円程度とされています。この高い給与水準は、PwCコンサルティングが提供するサービスの価値の高さと、コンサルティング業界全体に共通するいくつかの特徴的な要因を反映したものです。
一般的に、コンサルティング業界の収入が高い背景には、まずクライアント企業が抱える経営戦略上の重要かつ複雑な課題を解決し、事業成長や変革といった大きな成果に貢献することへの高い対価が挙げられます。
また、そのような価値を提供するためには、高度な分析能力、論理的思考力、特定分野における深い専門知識といった卓越したスキルセットを持つ優秀な人材が不可欠であり、その能力に対して相応の報酬が支払われる必要があります。
同社においても、これらの要素が複合的に作用し、高い年収が実現されています。
平均年収(役職・年次別の目安)
PwCコンサルティングにおける役職別の平均年収(目安)は以下の通りとなります。
役職 |
年次(目安) |
年収(目安) |
アソシエイト |
1年目〜4年目 |
700万円~900万円 |
シニアアソシエイト |
3年目〜7年目 |
900万円~1,200万円 |
マネージャー |
5年目~10年目 |
1,200万円~1,600万円 |
シニアマネージャー |
8年目〜 |
1,600万円~2,200万円 |
ディレクター |
10年目〜 |
2,000万円~4,000万円 |
パートナー |
15年目〜 |
3,000万円〜 |
同社では、成果次第では、20代でマネージャーに昇進できるケースもあります。なお、「パートナー」は執行役員に相当するポジションであり、コンサルファーム全体の中でもごく一握りの人材だけが到達できる最上位の役職です。
PwCコンサルティングの給与・評価制度・福利厚生
PwCコンサルティングの給与制度、評価制度、福利厚生について解説します。
PwCコンサルティングの給与制度
PwCコンサルティングの給与制度には、以下のような特徴があります。
- 残業代は月50時間分の固定残業代が基本給に含まれ、超過分は別途支給される。
- 年に1回賞与(ボーナス)をもらえる機会がある。
- マネージャー以上はインセンティブ制度があり、プロジェクトへの収益貢献度によって報酬が加算される。
同社では、以下の「RADAR」と呼ばれるフレームワークで示されている基準を満たすことが重要です。
- Recognise:事実を把握する
- Assess:状況を判断する
- Decide:行動を決定する
- Agree:解決法を決定する
- Report:報告とコミュニケーション
PwCコンサルティングの評価制度
PwCコンサルティングでは、能力やパフォーマンスによって以下5項目を5段階で評価される仕組みがあります。社内では半年に一回、昇進を決める評価会議が開かれます。
- クライアントへの価値提供
- 課題解決力
- チームワークとリーダーシップ
- 業務の生産性・プロジェクト推進力
- 社内外における関係者との信頼関係の構築
PwCコンサルティングの福利厚生
PwCコンサルティングの福利厚生の特徴は主に以下の通りです。
- フレックスタイム制度
- 時短間勤務や短日勤務
- 24時間対応の健康相談サービスの提供
- 語学学習や資格取得へ向けた支援
PwCコンサルティングに転職するメリット
PwCコンサルティングに転職するメリットは、主に以下の5つです。
- 高年収が期待できる
- 教育制度やキャリア支援制度が整っている
- 特定分野の業種についての知見・経験を得られる
- 多様なキャリアパスが用意されている
- 世界各国のプロジェクトに携われる
それぞれ具体的に解説します。
高年収が期待できる
PwCコンサルティングは、入社初年度から550万円以上の給与が見込まれ、シニアアソシエイトへ昇進すれば年収1,000万円以上の年収が可能になります。一定年数以上の実務経験に加えて、特定領域における専門知識やマネジメントスキルを持つ方は、プロジェクトへの貢献度に応じて昇進のスピードも早くなります。
教育制度やキャリア支援制度が整っている
PwCコンサルティングでは、従業員向けの教育制度やキャリア支援制度が充実しています。
中途入社者に対しても、人材育成の一環として以下のような独自の育成プログラムが提供されているのが特徴です。
- コンサルタントとしての基礎を身につける「Core Consulting Skills Academy(CCSA)」
- 個々の成長段階に応じて更なるスキルアップにつなげる「PwC Professional」
- デジタル領域におけるスキルの強化を目的とした「Digital Upskilling」
出典: PwC Japanグループ|キャリア構築
特定分野に関する知見・経験が得られる
PwCコンサルティングで実務経験を積むことで、特定の業界や職種に関する深い知見を得られます。例えば以下のような業界に対応する専門チームがあり、コンサルタントとしての経験を通じて、特定の分野におけるエキスパートとしてのキャリアパスを切り開くことも可能です。
多様なキャリアパスが用意されている
PwCコンサルティングには、一人ひとりの個性や成長段階に応じた多様なキャリアパスが用意されています。同社のグローバルネットワークも活用しながら、自分に合ったキャリアを選択し、以下のようなプロフェッショナル人材を目指すことが可能です。
- 業界特化型のコンサルタント
- IT・デジタル領域のスペシャリスト
- 組織のマネジメントを担うプロジェクトリーダー
- 海外プロジェクトをリードするグローバルコンサルタント
- 新規事業創出に携わるイノベーション人材
世界各国のプロジェクトに携われる
PwCコンサルティングでは、世界各国における多様なプロジェクトに関与する機会があります。同社のグローバルネットワークを活用し、海外拠点のメンバーと連携しながら案件を推進することも多く、国際的なビジネス感覚を磨くことができます。
特に、ビジネスレベル以上の外国語スキルを持つ人材は、クロスボーダーM&A支援や企業のグローバル展開支援といった、国際的な大型プロジェクトで活躍できる可能性が高まります。自身の専門知識と語学力を融合させ、グローバルな舞台で活躍したいと考える方にとって、PwCコンサルティングは有力な選択肢となるでしょう。
PwCコンサルティングの転職情報
PwCコンサルティングの募集職種・採用プロセス・求められるスキルについて解説します。
募集している主な職種(2025年5月時点)
PwCコンサルティングでは、以下を含む様々な業界・職種におけるコンサルタントの募集が行われています。
- 流通・消費財業界、総合商社業界 SX/サステナビリティ・コンサルタント
- エネルギー産業コンサルタント
- テクノロジーアドバイザリーサービスコンサルタント
- セキュリティコンサルタント
- 銀行・証券業界コンサルタント
- エネルギー産業コンサルタント
- 自動車業界コンサルタント
なお、以下の公式サイトで募集職種が随時更新されています。
出典:PwC Japanグループ|採用情報
採用プロセス
PwCコンサルティングにおける採用プロセスは、主に以下の通りです。
- 書類選考
- Webテスト
- 一次面接
- 二次面接
- 三次面接
一次面接では志望動機や職務経歴について聞かれ、二次面接はケース面接やフェルミ推定を問われる面接になることが一般的です。
なお、上記の選考プロセスや内容は一般的なものであり、応募されるポジションや部門、採用時期によってステップの数や詳細な内容は変動する可能性があります。
最新かつ正確な情報は、PwCコンサルティングの公式採用ページや、信頼できる転職エージェントを通じてご確認ください。
求められるスキル
PwCコンサルティングで働く人材には、主に以下のスキルが求められます。
- 専門性が高い高度なスキル
- IT関連における幅広い知見
- コンサルタントとして重要な論理的思考力や問題解決力
- チームワークを意識した業務遂行力
- 社内外におけるプロジェクト関係者とのコミュニケーション能力
特に、IT関連のスキルやDXに関する深い知見と実行力は、同社がクライアントの変革を強力に支援していく上で、今後ますます重要度が増す領域であり、新たな戦力として大きな期待が寄せられています。
PwCコンサルティングの転職難易度
PwCコンサルティングへの転職は、コンサルティング業界の中でも特に難易度が高いとされています。主な理由は以下の通りです。
求める人材のレベルが高い
PwCコンサルティングでは、コンサルタントとして、様々な業界・職種におけるクライアントの経営課題に向き合い、専門家としての立ち振る舞いが求められます。
そのため、専門知識と論理的思考力を駆使し、事実にもとづいた現実的な解決策を提示できるスキルが必要です。
また、グローバルな案件や大規模プロジェクトに携わる機会も多いため、部署やポジションによっては高い語学力が必要です。
さらに、多様な文化や価値観を持つチームメンバーやクライアントと円滑にプロジェクトを推進するためのコミュニケーション能力、そして複雑性の高いプロジェクトを計画し、推進していくためのプロジェクトマネジメントスキルも重要です。
面接の難易度が高い
PwCコンサルティングの面接は難易度が高いとされており、選考プロセスにおける重要な関門の一つが「ケース面接」です。
ケース面接では、提示された具体的なビジネス上の課題(例:特定の企業の売上向上策、新規市場への参入戦略など)に対し、制限時間内に論理的な仮説を構築し、必要な情報を分析し、実行可能かつ効果的な解決策を導き出し、それを面接官に分かりやすく説明する能力が試されます。
重要なのは、この面接では単一の「正解」を出すことではなく、課題に対してどのようにアプローチし、どのような「思考プロセス」を経て最適解を模索しているかという筋道が極めて重視されるという点です。
面接官は、候補者が情報を構造化し、論理的に分析を進め、創造的な解決策を考え出す過程を注意深く評価します。この過程を通じて、以下のような多岐にわたるコンサルタントとしての基礎能力が見極められます。
- 課題設定力
- 論理展開
- 数値をベースにした仮説展開
- 柔軟な思考力
PwCコンサルティングの選考対策
PwCコンサルティングの選考では、コンサルタントとしての能力と素質が総合的に評価されます。選考に向けて押さえておくべき対策のポイントを、以下の3つの観点から解説します。
情報収集
PwCコンサルティングの選考に応募する前に、事前の情報収集は不可欠です。徹底的な自己分析や企業・業界の研究を通じて、同社が求める人物像を把握することが重要です。同社には多様な部門が存在し、業務内容もポジションによって異なるため、自身の経験やスキルがどの分野で活かせるかを見極める必要があります。
書類対策
応募書類では、職務経歴に加えて「なぜPwCコンサルティングを志望するのか」という志望理由を簡潔かつ分かりやすく記述する必要があります。
面接に進んだ際に、前職や現職で培ったスキルや経験が、同社でどのように活かせるかを具体的に説明できるよう準備しておく必要があります。
面接対策
PwCコンサルティングの面接対策では、ケース面接とフェルミ推定への対応が特に重要です。ケース面接では、与えられた情報から本質的な課題を特定し、構造的かつ論理的に解決策を導き出す能力が試されます。フェルミ推定では、限られた情報から大まかな仮説と計算を用いて、合理的な推論を展開する力が求められます。
どちらの形式においても、自身の思考プロセスと導き出した結論を明確に言語化し、面接官に分かりやすく説明するコミュニケーションスキルが不可欠です。自身の強みや経験を具体的なエピソードとして伝え、入社後に貢献できる人材であることをアピールできるよう準備を進めましょう。
PwCコンサルティングへの転職を成功させるには転職エージェントの活用が有効
PwCコンサルティングへの転職を目指す際は、コンサルティング業界に精通した転職エージェントの活用がおすすめです。
業界特有の選考対策や企業ごとの特徴を把握しているため、的確なアドバイスを受けながら準備を進められます。実際に、同社への転職を成功させた方の体験談を一部紹介します。
転職成功者の声
30代:日系大手SI・営業職
転職先:外資系大手コンサルファーム・経営コンサルタントへ
金融機関から直近数年でSIerに転職しましたが、前回の転職時にも志望していたコンサルファームでの仕事が諦めきれず、年齢的にも未経験での挑戦はラストチャンスと考え複数の転職エージェントに転職を相談をしていました。 他のエージェントからは既存求人への応募を急かされましたが、タイグロンパートナーズの担当コンサルタントの方からはWebテストや面接対策をはじめとし、綿密な準備や段階を踏んだ対策が必要な旨説明を受け、非常に納得したため、サポートを受けることに決めました。
実際のサポートでは、求人紹介に加え、独自のフォーマットを用いた数時間に渡る手厚い面接対策や複数回に渡る質疑応答文のレビューをいただき、本音でのアドバイスや時には厳しい指摘をいただくことで、万全の状態で選考に臨むことができました。また、選考中や条件交渉中の連絡も、毎度クイックにレスポンスいただける点も非常に安心できました。 結果として第一志望含めて複数のコンサルファームからのオファーと希望条件の達成が実現できたのは、担当コンサルタントさんのご支援のお陰と思っています。この度は本当にありがとうございました。
40代:外資系コンサルファーム・戦略コンサルタント
転職先:外資系コンサルファーム・戦略コンサルタント
タイグロンパートナーズの担当コンサルタントとは3カ月に一度程度、転職市場動向など含めた情報交換の機会を定期的にいただいていました。前職では大きな不満はなかったのですが、本国の方針と自分の考えが合わないと感じることがでてきた中で、今回のポジションをご提案いただきました。
カジュアルにお話しするところから進めてみたところ、経営陣の考えや本国の方針などが自分自身の考えに合致する点が多いことがわかり、新たな環境でチャレンジすることに決めました。定期的に情報交換をさせて頂いてた信頼関係の強いからこそのご紹介に、とても感謝しています。
転職成功事例一覧はこちら
転職相談はタイグロンパートナーズへ
PwCコンサルティングの転職を成功させるためには、徹底的な準備と適切なサポートが欠かせません。
タイグロンパートナーズは、年収1,000万円以上のハイクラス・プロフェッショナル求人に特化し、コンサルファームへの転職支援にも豊富な実績があります。各業界出身の経験豊富なコンサルタントが、あなたの経験・スキル・志向を深く理解した上で、転職活動の進め方、各社選考のポイントを的確にアドバイスします。ぜひ、タイグロンパートナーズの転職・キャリア相談にお申し込みください。