「“現場ドリブン”で実行までやり切る」BCG出身者創設のコンサルティングファーム|株式会社LASINVA 代表取締役社長 中川 浩幸氏
2025.10.28
「現場ドリブン」で企業を変革。LASINVAが描く次世代コンサルティングの形
ー 実行まで伴走し、挑戦する人と企業を支えるLASINVAの挑戦
戦略を描くだけでなく、現場に入り込み“やり切る”。株式会社LASINVAは、経営戦略策定からIT導入・運用・定着までを一気通貫で支援する「現場ドリブン」を打ち出すコンサルティングファームです。プロパーとフリーランスのハイブリッド体制を強みに、高品質なコンサルティングサービスをフレキシブルかつリーズナブルに提供しています。
「誰もが自らの“ワクワク”に挑戦できる社会に」というミッションを掲げ、クライアントと共に変革に挑む同社。代表取締役社長 中川浩幸様に、創業の背景、同社の特徴、求める人材像などについて、当社エグゼクティブコンサルタント新山雄俊がお話を伺いました。
中川様のキャリアと創業に至る経緯
ビュアー
大学卒業後、住友商事に入社し、最初の3年半は経理、その後4年間営業を経験しました。2015年頃、海外駐在の話があったタイミングであらためてキャリアを考え直しました。当時、戦略コンサルティングファームが世間的に注目を集めており、私自身も挑戦してみたいと考え、ボストン コンサルティング グループ(BCG)への転職を決意。BCGでは約3年半、金融機関を中心に中期経営計画の策定や銀行のデジタル改革、大企業の新規事業開発など、まさにデジタル化の波が本格化した時期の案件に携わりました。
私はコンサルティングを「修業の場」と捉えていたため、いずれは事業会社に戻ろうと考えており、転職活動を進めていました。しかし理想に合うポジションには巡り合えず、またBCGでも長期案件に携わればそのまま時間が流れてしまうと感じ、思い切って退職を決断。その後、フリーコンサルタントとして、ファンド投資先の中堅企業や知人のスタートアップに参画し、実務を通じて経験・実績を培いました。
フリーランスとして活動する中で確信したのは、「優秀な個人を束ねれば、大手ファームに比べて柔軟かつリーズナブルに、しかも現場にしっかり効く支援ができる」ということでした。大企業からは「困っているけれど、BCGに依頼するのは費用的に難しい」という声を何度も耳にしていましたし、中堅・スタートアップでも同様のニーズがあることを強く感じていました。一方で、長期的に品質を担保し、顧客に寄り添い、伴走するためにはプロパーのコンサルタントが必要であることも痛感しました。そこで、プロパーを軸に据えながら、フリーランスの専門性を柔軟に組み合わせるハイブリッド体制を構築するコンサルティングファームとして、当社を立ち上げました。創業から4年余りが経ち、この体制は順調に進化を遂げています。
中川 浩幸氏
創業以来大切にしている価値観と変化
ビュアー
まず、創業以来、変わらず大切にしているのは「現場伴走」です。戦略や方向性を描くだけでは机上の空論に終わりがちです。現場にしっかり腹落ちさせ、合意形成を重ねながら実装・定着までやり切ることを徹底しています。現場の声を吸い上げ、共に変革を推進する姿勢は、創業以来一貫して大切にしてきた価値観です。
一方で、創業後に強化したのは「プロパーを軸にした品質管理」です。ここはクライアントからプロジェクトをご依頼いただけるかどうかの根幹になりますので、大手・有名ファームと遜色ない基準を明確に置いています。具体的には、当社マネージャー以上はBCGを始めとする大手ファーム出身でマネージャー以上の経験を持つ人材を中心に採用し、レビュー・デリバリーをBCG流のフレームで運用しています。案件レビューはマネージャー/シニアマネージャーが二重で実施し、提案から実装・定着までの各フェーズで品質ゲートを設定しています。プロパーが標準化と継続性を担保し、フリーランスの専門性を必要箇所に最適投入する、というハイブリッド体制で、大手と同等以上の品質×機動力を両立しています。
中川 浩幸氏
理念とカルチャー
ビュアー
私たちのミッションは「誰もが自らの“ワクワク”に挑戦できる社会に」で、単なるスローガンではなく、挑戦する時に生まれる高揚感や期待感を大切にしています。コンサルティングを通じてクライアントの変革を支援すること、新しい働き方であるフリーランスを後押しすること、そして私たち自身も常に挑戦を続けること、その積み重ねが“ワクワク”を社会に広げていくことにつながると考えています。
ビジョンは「“現場ドリブン”での企業・社会の変革」です。戦略を描くだけではなく、実際に現場を動かして初めて価値が生まれる。だからこそ実装・定着まで伴走する姿勢を大切にしています。
また、バリューとして掲げるのは「Go Beyond Expectation(圧倒的スピードと実行力で相手の期待値を超えていく)」、「Take Ownership(強いオーナーシップを持ち、やり切る)」、「Mutual Trust and Respect(互いを尊重して高めあう、助け合う)」、「Keep the Passion Alive(ワクワクする夢を持ち、挑戦し続ける)」です。特にオーナーシップと相互尊重は徹底しており、コンサルタントはもちろんのこと、営業担当・採用担当も全社一丸となり同じ方向を向いて協力し合う文化があります。その結果、「私含め当社メンバーの人柄に共感して入社を決めた」というお声をいただくことも多く、自然体かつ誠実な姿勢を組織として大切にしています。
また、社会還元の取り組みも積極的に行っています。例えば、プロサッカークラブとの協働です。アビスパ福岡様のスポンサー営業の戦略立案や生成AIの活用支援、起業家育成プロジェクトをサポートしました。また、ザスパクサツ群馬様における学生を巻き込んだマーケティング施策の運営支援を続けています。さらに、地方創生の一環として瀬戸内地域のベンチャー企業の支援などにも取り組んでいます。
これらはいずれも若手社員の「やってみたい」という声から始まったものであり、会社として挑戦を後押しする文化があるからこそ実現できている活動です。コンサルティング事業の枠を超えて社会に貢献することも、私たちにとって重要な価値提供の一部だと考えています。
中川 浩幸氏
「実行までやり切る」プロジェクト事例
ビュアー
象徴的なのは、製造業を中心としたホールディングス企業のIT部門のご支援事例です。ヘルスケア事業で利用していたプロダクトを外販したいという方針はあったものの、市場性の検証やプロダクト要件の見直しは全くのノープランという状態でご依頼をいただきました。私たちは市場仮説の構築・検証から入り、必要機能の定義や社内開発のマネジメント、PoCの設計・推進、さらには販売支援まで一貫して伴走させていただきました。約2年半にわたるご支援の中で、構想から実装、営業活動に至るまで現場起点で当社らしい価値をご提供できた好事例だと考えています。この案件は、単に戦略を描くだけでなく実行までやり切るという当社のスタイルを体現していますし、大企業の中で小さな案件も含め柔軟に支援できる存在として信頼を得られたケースでもあります。
中川 浩幸氏
LASINVAの現在と展望
ビュアー
組織としてはコンサルタント人員が約100名規模まで成長してきました。今後2〜3年で、250〜300名規模まで拡大させたいと考えています。ただし、その先に500名、1000名とやみくもに拡大するつもりはありません。規模の拡大自体が目的ではなく、品質と継続性を担保できる最適な規模感を維持することが重要だと考えています。
一方で、人依存ではない手法でのコンサルティングサービス提供の取り組みも進めています。例えば、自社のBPR系プロダクトをコンサルティングと組み合わせたサービスや成功報酬型サービスのご提供です。また、既に立ち上げているフリーランスマッチングプラットフォーム「XIENZ(シエンズ)」の拡張も、今後の重要な事業の柱に据えています。こうした“実行”を支える自社プロダクトとサービスを掛け合わせることで、より柔軟で持続的な支援の形を築いていきたいと考えています。
さらに、自己資本投資やサーチファンド的な取り組みにも挑戦したいと考えています。コンサルティングファームは人材が資産ですので、その強みを生かし、事業投資という形でも社会に価値提供できる仕組みを模索しています。
また、上場についても視野に入れています。現時点では具体的な検討を始めた段階ですが、ありがたいことに多様な選択肢や連携の機会をいただいていますので、他社との協業も含めて最適な形を模索しているところです。
今はまだ安定的な成長フェーズですが、第二創業期と捉え、企業の成長余地やストックオプションの柔軟性など、今から入社いただく方にとっても大きな魅力と感じていただけるのではないかと思います。
中川 浩幸氏
大手ファーム・他ファームとの違い
ビュアー
大手ファームとの比較で言えば、やはり柔軟性に優れている点と、企画段階からクライアントに寄り添い実行まで伴走するスタイルが大きな特徴です。大手ファームの場合はどうしてもプロジェクトのスコープや体制が固定的になりやすいですが、私たちはクライアントの状況に合わせて最適なメンバー体制を柔軟に組み、より機動的に価値をご提供することを重視しています。
他ファームとの比較では二つあります。第一に、私を含め経営陣の多くがBCG出身であり、BCG式の人事評価・人材育成・品質管理の考え方を取り入れていることです。短期的な人員拡大を優先するのではなく、しっかりとした人材育成と品質担保を前提に、堅実に組織を拡大している点は私たちの特色だと思います。
第二に、案件創出の仕方です。私たちは、コンサルティングの枠にとどまらず、自社のコンサルタント・マッチングプラットフォームや派生プロダクトを自ら形にして市場で検証し、その成果からテーマを立ち上げて案件化するアプローチを取っています。さらに、クライアントの現場で小さな改善を実装→効果検証→横展開と積み重ね、現場発のテーマを育て、新たに案件化することも重視しています。加えて、顧客との共創を通じて新規事業そのものを企画・検証し、実装フェーズまで伴走する取り組みも行っています。声を上げたメンバーの想いを事業やプロダクトに落とし込み、コンサル×事業創出のハイブリッドで価値を生み出す姿勢こそが、当社の特色だと考えています。
中川 浩幸氏
成長する組織との向き合い方
ビュアー
創業当初は顔が見える小集団で、一体感を持って動けていました。しかし現在はコンサルタントだけでも100名規模となり、各自がクライアント現場に散るフェーズに入りました。その結果、理念の浸透や組織としての一体感を維持することが難しくなっているのは確かです。
この課題に対し、コンサル事業のトップを務める小島(元NTTデータ→BCG)を中心に、アソシエイトパートナーやシニアマネージャーを核としたバーチャル組織を設け、テーマ横断のナレッジ共有とメンバー間連携の強化に取り組んでいます。
具体的には、「コンサル出社日」を設け、物理的な距離を越えたつながりを生み出しています。以前は小島が企画を一手に担っていましたが、現在は複数グループに分け、各個人が月替わりで企画とファシリテーションを担当する双方向の仕組みに変え、「自分の出社日にメンバーに出社してもらう」ことで、当社カルチャーの醸成と組織の一体感の再構築につながっています。
今後、コンサルタントの数がさらに増えることを見据え、こうした仕組みとしての理念浸透やカルチャー醸成の施策に最優先で取り組んでいく方針です。
また、フリーランスの方々との協業についても「人」としての関係性を重視しています。単なるスポットリソースではなく、長期的なパートナーとして信頼関係を築くことを大切にしています。会食などを通じて関係を深め、一人ひとりの志向や強みに合ったプロジェクトや挑戦機会を提案することで、長く協働できる関係性を築くことを心がけています。
中川 浩幸氏
LASINVAが求める人物像
ビュアー
私たちが重視するのは「素直さ」と「やり切る力」です。若手であれば、この二つさえ備わっていれば必ず成長していけると考えています。もちろんITリテラシーやデータ分析の素養があれば尚良いですが、何よりも大切なのは、顧客に好かれ、学び続け、最後までやり切る姿勢です。
一方で上位層に求めるのは、単にPMとしてマネジメントするだけでなく、自ら「手も足も口も動かし」ながら現場に入り込める力です。大手ファーム出身でPM経験が豊富な方でも、当社に来たからにはご自身で案件開拓を担い、体制構築と実務推進の両面を動かすことが求められます。レイヤーや役職に関係なく、自ら汗をかき現場をリードできる方こそ、今の組織フェーズで大きな力を発揮できると思います。
活躍している社員の一例として、元大手航空系グループでグランドスタッフを務めていた女性社員についてご紹介します。IT経験は限定的でしたが、圧倒的なおもてなし力と先回りの配慮で役員層の信頼を獲得し、「コンサルの新しい形」とまで評価されました。業務知識は努力でキャッチアップしましたが、それ以上に人を動かす力が成果に直結しました。テクノロジーが進化しても、プロジェクトを前に進めるのは人であり、人間味のある力は代替されません。LASINVAでは、論理力や分析力と同じくらい「人を動かす力」を大切にしています。
中川 浩幸氏
現フェーズで入社するメリット
ビュアー
大きく二つあります。
第一に、事業の安定成長と人材育成の基盤が整ってきたことです。コンサルティング事業では、コンサルタントだけ100名に迫る規模となり、案件の幅も広がりました。人材育成の面でも、BCGや他ファームの人材育成ノウハウや研修プログラムを参考に、独自の教育プログラム「eVoLution」として体系化しました。若手には必ずOJTで伴走者がつく仕組みを整えています。かつては立ち上げ期特有の不安定さもありましたが、今は安心してキャリアを築けるフェーズに入ったと考えています。
第二に、「第二創業期」としての面白さがあります。顧客との関わり方や事業テーマ、プロダクト展開、組織構築など、まだまだ自分たちで作り込める余白が大きいと考えており、上場している大規模ファームのように組織として上が詰まってしまう状況ではなく、安定した環境で挑戦できるのは今のタイミングならではだと考えています。
当社には、チャレンジを歓迎する文化があります。先ほどご紹介した若手の「サッカーチームを手弁当でも支援したい」という声から実際のスポンサー営業戦略や生成AI活用支援につながった事例がありますし、地方創生やベンチャー支援も社員の挑戦から生まれた取り組みです。こうした声を会社として真剣に受け止め、実際に動かしていく。挑戦の芽を大切にすることが、当社だからこそ得られるやりがいであり魅力だと考えています。
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【大公開】BCG流コンサル教育に迫る―未経験でも活躍できる仕組み
中川 浩幸氏
LASINVAへの応募を検討される方へ
コンサルタント経験者の方へ
当社はデリバリー品質と顧客インパクトを最優先にしています。高いノルマに追われることなく現場での結果にこだわりたい方に最適です。戦略立案から実装・定着までを一気通貫で担いながら、プロダクト開発や新規事業にも関与できます。実際に大手コンサルティングファームから転職された方からも「ノルマに縛られずデリバリーに集中できる」「事業づくりや会社づくりに携われる」「代表や社員が等身大で信頼できる」といった声をいただいています。
コンサルタント未経験・若手の方へ
必要なのは、経験やスキルよりも「素直さ」と「やり切る力」です。当社にはBCG出身者が設計した体系的な研修と実務OJTがあり、基礎からしっかり学べる環境があります。昇進・昇給のスピードに上限はなく、成果に応じて公平に評価されます。さらに、スポーツ支援や地方創生、プロダクト開発など、社員の「やってみたい」という声から新しい取り組みが次々に立ち上がっています。安定と挑戦を両立できる環境で、自分の可能性を広げたい方に最良のフィールドです。
LASINVA社員が出演するYouTube動画のご紹介
【体験談】SEからコンサルに転職して後悔なし!激変キャリアを大解剖

中川 浩幸氏
タイグロンパートナーズ Executive Consultant 新山より
ビュアー
株式会社LASINVA(ラシンバ)
インタビュワー:タイグロンパートナーズ株式会社 Executive Consultant 新山 雄俊
インタビュー実施:2025年9月