経営共創基盤(以下、IGPI)は、2007年に産業再生機構の主要メンバーによって設立されたコンサルティングファームです。「組織構造を越える、専門領域を越える、資本主義の固定概念を越える」をコンセプトに掲げ、戦略提言だけで終わらせず、経営現場に深く入り込み、戦略立案から実行まで一気通貫で支援する独自の「ハンズオン型」アプローチを確立しています。
本記事では、同社の強みや「激務」という評判の実態、キャリアパス、中途採用の選考対策など、転職を検討する上で必要な情報を詳しく解説します。
経営共創基盤(IGPI:Industrial Growth Platform)の基本情報
| 会社名 |
株式会社 経営共創基盤
Industrial Growth Platform, Inc. (IGPI) |
| 設立年 |
2007年 |
| 所在地 |
〒100-6608
東京都千代田区丸の内一丁目9番2号 グラントウキョウサウスタワー8階 |
| 代表者 |
村岡 隆史 代表取締役CEO |
| 資本金 |
31億円(IGPIグループ) |
| 売上高 |
53億4302万
(2023年9月期/IGPI単体) |
| 従業員数 |
約220名 |
出典:株式会社経営共創基盤|会社概要
出典:株式会社経営共創基盤|沿革
出典:IGPIグループ|会社概要
2007年、産業再生機構の解散とともに、冨山和彦氏をはじめとする主要メンバーが同社を設立しました。
産業再生機構では、経営破綻した企業の再生に向け、戦略策定から実行、さらには経営陣として企業に常駐するハンズオン支援を実践していました。この経験を民間の枠組みで継続・発展させるために誕生したのがIGPIです。設立当初から「提言だけでなく、実行まで責任を持つ」という理念を掲げ、従来の戦略コンサルティングファームとは一線を画すアプローチを確立しています。
2024年には持株会社体制へ移行し、株式会社IGPIグループが設立されました。IGPIグループにおいて、同社はコンサルティングとマイノリティ投資の中核を担っています。
経営共創基盤(IGPI)の強みとプロジェクト事例
IGPIが提供するサービスと、その中核をなす事業領域・専門組織について解説します。
「ハンズオン(常駐協業)型」支援のパイオニア
IGPIの最大の強みは、単なるアドバイザーではなく「当事者」としてクライアントの変革を主導する実行力にあります。戦略を提言するだけでなく、IGPIのプロフェッショナル人材がクライアント企業の経営幹部(CEO、CFOなど)や事業部長、現場リーダーとして派遣され、経営の実行までを担います。
支援領域は企業変革、M&A、新規事業開発、事業再生、経営人材育成など極めて広範囲にわたります。また、必要に応じてコンサルティングに留まらず、自らリスクを取って事業に投資し、価値創出を目指す点も大きな特徴です。「同じ船に乗る」覚悟を示すことで、クライアントとの信頼関係を構築し、より深いレベルでの変革を実現しています。
製造業支援に特化した「ものづくり戦略カンパニー」の存在
IGPIの組織体制で特筆すべきは、製造業支援に特化した「ものづくり戦略カンパニー」の存在です。
日本経済の基盤を支える製造業は、グローバル競争の激化や技術革新の加速により、大きな変革を迫られています。ものづくり戦略カンパニーは、こうした製造業特有の経営課題に対し、深い現場理解と専門知識にもとづいた支援を提供する組織です。
在籍メンバーの約7割が製造業出身者であり、研究開発、設計、生産技術、SCM(サプライチェーンマネジメント)、原価管理といった製造業特有の課題に対して深い知見をもったコンサルタントが在籍しています。
主なプロジェクト事例
IGPIが手掛けたプロジェクトからは、同社の支援スタイルと実行力の高さがうかがえます。
コロナ禍での「月商ゼロ」からのブライダル企業再生
新型コロナウイルス感染拡大により、とあるブライダル企業では2020年4月に挙式数がゼロとなり、月商がゼロになるという危機的状況に陥りました。IGPIは私的整理スキームを用いた再生に取り組み、事業再生計画の策定支援とともに、クライアント企業・リーガルアドバイザー・メインバンクと一枚岩となって金融機関との交渉を実施。
1年弱に及ぶ交渉期間中、環境変化が相次ぎ、その度に資金が尽きかけ倒産の危機に瀕しましたが、IGPIはクライアントとともに資金繰り施策の検討と実行支援を担い、危機回避を強力に支援。粘り強いスポンサー探索の末、最適なスポンサーを見つけることに成功し、同社は完全なる再生を果たしました。
出典:株式会社経営共創基盤|コロナ禍での「月商ゼロ」からの再生
出島型組織による大手企業の新規事業創出と組織文化変革支援
既存事業の成長鈍化に直面した大手企業の新規事業創出加速に向けて、IGPIは出島型組織の立ち上げを支援しました。親会社の意思決定プロセスから独立した新会社を設立し、投資・事業実行を簡潔・スピーディーに承認できる体制を整備。IGPIのプロフェッショナルがクライアント企業の新規事業検討チームに深く入り込み、アイディエーションから事業性の検証まで幅広く伴走支援を実施しました。
さらに撤退ルールを明確に定め、事業の進行プロセスを体系化することで、リスクを管理しつつも積極的にチャレンジできる環境を構築。クライアント企業内に「挑戦する文化」「失敗を許容する文化」が根付きつつあります。
出典:株式会社経営共創基盤|出島型組織の設立と「試練」を乗り越える挑戦
グローバルニッチトップメーカーへの投資と再生
車載・IoT領域で世界首位級のシェアを誇るグローバルニッチトップメーカーは、慢性的な赤字状況に陥っていました。IGPIは製品レベル・顧客レベルの徹底した損益の見える化を実施し、生産工場の移管や工程改善などのコスト改善を図るとともに、赤字製品や顧客に対して値上げ交渉を実施。業績は支援開始後半年で回復に転じ、上場以来の最高益を達成しました。
継続的支援の要請を受けたIGPIは、第三者割当増資を引き受け、株主として「同じ船に乗る」リスク共有型でハンズオン支援を続行。各プロフェッショナルが営業と工場の現場に入り込み、同社は2年連続で上場以来最高益を更新し、株価は数倍に上昇しました。
出典:株式会社経営共創基盤(IGPI)|同じ船に乗る。組織構造を越える。IGPI流ハンズオン支援の形
激務?評判から見る経営共創基盤(IGPI)の社風・働き方
OpenWorkなどの口コミサイトの情報をもとに、転職希望者が気にする「リアルな実態」を解説します。
IGPIでは「常識を疑い、鋭い問いを立て、非連続な変革を起こす人材」を真の経営人材と位置付け、以下のような行動指針を掲げています。
- 心は自由であるか?
- 逃げていないか?
- 当事者・最高責任者の頭と心で考え、行動しているか?
- 現実の成果に固執しているか?
- 本質的な使命は何か?使命に忠実か?
- 家族、友人、社会に対して誇れるか?
- 仲間、顧客、ステークホルダーに対してフェアか?
- 多様性と異質性に対して寛容か?
出典:株式会社経営共創基盤(IGPI)|フィロソフィ
同社の行動指針からは、徹底した成果主義と、結果にコミットする強い意識がうかがえます。この厳しい指針こそが同社の強みの源泉であり、結果として「激務」と評されるハードワークに繋がっていると言えるでしょう。
実際に現場ではどのような働き方がなされているのか、OpenWorkなどの口コミサイトの情報をもとに解説します。
ポジティブな評判・口コミ
経営人材として大きく成長できる環境が整っている
IGPIでは1年目からプロフェッショナルとして扱われるなど、スピード感を持って成長できる環境が整っています。実力主義が徹底されており、若手でも裁量権の大きい仕事を任される機会が多く、経営視点を養うことが可能です。
課題解決にやりがいを感じる
クライアントの経営に深くコミットし、事業再生や企業変革といった重要課題、時には日本の産業構造に関わるような社会課題の解決に携わることができます。IGPIの「ハンズオン型」支援は戦略の実行まで深く関わるため、クライアントと苦楽をともにし、成果が出た際には直接感謝の言葉をもらえることも多く、それが大きなやりがいにつながっているとの声がありました。
柔軟な働き方ができる
一人ひとりの裁量権が大きく、フルフレックス制度などを活用したフレキシブルな働き方が可能です。与えられた責任を果たせる人であれば、家庭や子育てと両立しやすい環境ともいえます。
ネガティブな評判・口コミ
ハードワークになりやすい
IGPIの支援スタイルは、クライアント先に常駐し、結果が出るまで伴走することを基本とします。そのため、プロジェクトの負荷は必然的に高くなります。口コミサイトによると、平均残業時間は月72時間程度と、コンサルティング業界の中でも比較的長い水準といえます。
専門性を磨きにくい側面がある
ジェネラリスト志向のファームであり、ワンプール制で幅広い業界・テーマを経験することが多いため、「特定の一分野における深い専門性だけを追求したい」という人には、物足りなく感じる可能性があります。
経営共創基盤(IGPI)のキャリアパス
IGPIでは、入社後のキャリアステップが明確に定義されており、個人の成長を支援する制度も充実しています。
ファーム内での昇進プロセス
経営共創基盤における役職は、以下の6段階で構成されています。
| 役職 |
役割 |
| アソシエイト |
プロジェクトメンバーとして、上司の指示を受けながら調査・分析業務を担当。プロフェッショナルとしての基礎スキルを習得する |
| シニアアソシエイト |
特定領域のリーダーとして、独力で分析・提言を実施。自身の担当パートについて説明責任を持ち、自律的に業務を遂行する |
| アソシエイトマネジャー |
小規模プロジェクトの責任者や、大規模プロジェクトのサブリーダーを担当。プロジェクトマネジャーへの準備期間に該当する |
| マネジャー |
小・中規模プロジェクトの責任者として、クライアント折衝から実行管理まで統括。チームマネジメントも担う |
| ディレクター |
規模が大きく難易度の高いプロジェクトをリード。本質的な課題を設定し、ビジョンを掲げて変革を推進する |
| マネージングディレクター |
事業・企業・経済・社会に対してビジョンを提示し、唯一無二の価値を提供。IGPIの経営にも参画する |
出典:IGPIグループ|募集要項:IGPIカンパニーの求める人物像(株式会社経営共創基盤)
入社時の役職は経験や能力に応じて決定されます。その後はプロジェクトでの貢献度、クライアントからの評価、リーダーシップの発揮度などが総合的に評価され、ステップアップしていく仕組みです。
経営人材を育成する独自のキャリア支援制度
経営共創基盤では、特定の業界や機能に専門性を限定しない「ワンプール制」を採用しており、多様なアサインメントを通じてジェネラリストとしてのスキルを磨くことが可能です。
また、以下のような独自のキャリア支援制度も用意されています。
- グループ人材交流制度
- 国家資格取得支援制度
- 海外MBA留学制度
- コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所への派遣
総じて、幅広い視野と応用力をもつ人材として成長することが期待されていると言えるでしょう。
経営共創基盤(IGPI)の年収・福利厚生
経営共創基盤の平均年収は1,000万円程度です。
関連記事:タイグロンパートナーズ|株式会社経営共創基盤
また、年齢別の年収目安は以下の通りです。
| 年齢 |
年収目安 |
| 25歳 |
440〜1,000万円 |
| 30歳 |
700〜1,570万円 |
| 35歳 |
890〜2,010万円 |
※Openworkなどの口コミサイトの情報をもとに作成(2025年11月時点)
ただし、同社では基本給(年俸制)に加えて、会社の業績や個人のパフォーマンスに応じた業績連動型の賞与(ボーナス)があるとされています。
年齢や勤続年数ではなく、個人の実力と成果が報酬に直結するため、入社年数が浅い場合でも上記のレンジを超える年収を得ることも可能です。
一方で、福利厚生は最低限にとどまっており、外資系ファームと同様に、高い年俸で還元する方針であることがうかがえます。
参考記事:外資系戦略コンサルタントの年収はいくら?年収水準が高い理由と代表的な企業の給与を解説
経営共創基盤(IGPI)の中途採用状況
経営共創基盤への中途転職を目指すハイクラス人材に向けて、その難易度と求める人物像を解説します。
中途採用の転職難易度
経営共創基盤は少数精鋭の組織であり、採用人数が限られているため、転職難易度はかなり高いと考えられます。例年5名〜15名ほどと狭き門のため、選考を通過するためには、高い論理的思考力、コミュニケーション能力などが必要です。
ただし、事業拡大のためにファーム規模の拡大を志向していることや、多様性を尊重した採用方針などから、コンサルティング未経験者にもチャンスはあります。
求める人物像
IGPIグループの採用ページでは、求める人物像として以下の3点が挙げられています。
- 変革に向けた健全な野心
- ボーダーレスな知的好奇心
- 現実的成果に固執する胆力
上記3つの要素は、単なるアドバイザーではなく、クライアントと同じ船に乗る当事者として、困難な変革を最後までやり抜くために不可欠な資質です。机上の空論ではなく、現実を動かす強い意志と知性、そして実行力を備えた人材が求められているといえます。
出典:IGPIグループ|募集要項:IGPIカンパニーの求める人物像(株式会社経営共創基盤)
中途採用の選考フロー
選考フローは新卒・中途など、採用区分によって異なります。中途採用について詳細情報は公開されていませんが、公式ホームページに記載されている新卒採用の選考プロセスは、次のとおりです。
- 書類選考
- Webテスト
- 面接(複数回)
候補者の経歴やバックグラウンドに合わせて、似た経験をもつ社員が面接官となる傾向があります。
面接では「厳しい環境でも物事を成し遂げられる実行力・人間力があるか」がチェックされます。地頭の良さやコミュニケーション力といったコンサルタントとしての基本的な素養だけでなく、柔軟性・発想力の幅や自責思考の有無なども確認されることが多いようです。
選考対策のポイント
経営共創基盤の選考を通過するためには、「他ファームではなく、なぜIGPIなのか」を徹底的に深掘りし、明確に回答できるようにしておくことが重要です。他の戦略コンサルティングファームや総合コンサルティングファームと比較した強みを理解し、自身の経験と結びつけて語れるようにしておく必要があります。
また、ポジションによってはケース面接が実施される場合もあります。単なる分析力ではなく、IGPIのバリューを踏まえ、実行可能性の高い現実的な解決策を提示できるかが評価されるでしょう。転職エージェントとの模擬面接などを通じて、実践的な練習を積んでおく必要があります。
関連記事:コンサルタントに転職するには?未経験者に必要なスキル・経験と選考対策
経営共創基盤(IGPI)への転職ならタイグロンパートナーズに相談
経営共創基盤(IGPI)のような少数精鋭の難関ファームへの転職は、徹底した情報収集や選考対策が成功の鍵を握ります。しかし、選考には専門的な知識が求められる場面も多く、未経験から独力で内定を獲得するのは容易ではありません。
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