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FASとは?コンサル・投資銀行との違い、仕事内容、キャリアの魅力を徹底解説

FASとは?コンサル・投資銀行との違い、仕事内容、キャリアの魅力を徹底解説

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2026.02.01

    選考対策 業界解説 職種解説

M&A市場の拡大に伴い、企業の財務領域を専門的にサポートするFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)への注目が高まっています。企業の成長戦略や事業再生に不可欠な存在となりつつある一方で、「具体的にどのような仕事なのか」「経営コンサルタントや投資銀行と何が違うのか」といった疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、FASの全体像や具体的な仕事内容、主要コンサルティングファームの特徴、働く魅力や転職成功のポイントなどを、網羅的に解説します。

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FASとは?

はじめに、FASの定義や市場を取り巻く環境、類似業種との違いについて解説します。FASの全体像を把握することで、その役割と専門性をより深く理解できるでしょう。

FASの定義

FAS(Financial Advisory Services)とは、企業の財務領域に特化した専門的なアドバイザリーサービスの総称です。企業の経営課題、特にM&Aや事業再生、不正調査といった重要な局面において、財務の観点からクライアントを支援し、課題解決へと導く役割を担います。

高度な財務・会計知識をもつプロフェッショナルが、客観的な分析や評価にもとづいたアドバイスを提供することで、クライアントの意思決定をサポートし、企業価値の向上に貢献します。

関連記事:FASは未経験からでも転職可能?必要なスキルと資格、年収相場

市場規模は拡大傾向

FASの需要は、日本国内のM&A市場の活況を背景に拡大を続けています。株式会社レコフのデータによると、日本企業が関わるM&Aの件数は5,115件(2025年)にのぼり、高い水準で推移しています。

この背景には、事業承継ニーズの増加や、グローバルでの競争力強化を目的としたクロスボーダーM&Aの活発化があります。また、コーポレートガバナンス・コードの浸透に伴い、企業の内部統制強化や不正調査に関するニーズが高まっていることも、FASの活躍の場が広がっている要因です。

出典:株式会社レコフ|マーケット情報- クロスボーダーM&A

FASと経営コンサルティングの違い

FASと経営コンサルティングは、どちらも企業の課題解決を支援する点で共通していますが、役割と専門領域には違いがあります。

FASはM&Aや事業再生、不正会計といった、企業の将来を左右する「有事」の局面で活躍します。財務データにもとづく客観的かつ専門的な分析を強みとし、特定の財務課題に対して、短期集中的に解決策を提供することが主な役割です。

一方、経営コンサルティングが扱うのは、事業戦略の策定や組織改革、新規事業開発といった「平時」における企業の持続的成長に関するテーマが中心です。全社的な視点から中長期的な経営課題に取り組みます。

このため、FASの業務では財務データにもとづいた数値の正確性や客観性が厳しく問われるのに対し、経営コンサルティングの業務では市場の動向などを踏まえた仮説構築力や、戦略を立案する上での柔軟な発想が重視される傾向にあります。

FASと投資銀行の違い

FAS、投資銀行、PEファンドは、いずれもM&Aに関わる業務を行いますが、立ち位置や役割などが異なります。

FAS 投資銀行 PEファンド
立ち位置 アドバイザー アドバイザー 投資の当事者
役割 財務分析・評価による意思決定支援 M&Aの交渉・成立の主導 投資先の経営関与・価値向上
業務 デューデリジェンス、バリュエーション、PMI支援など 案件ソーシング、交渉、資金調達支援、など 投資判断、経営支援など
収益源 アドバイザリー料 仲介手数料 売却益

FASはクライアント側に立ち、財務の専門家としてアドバイスを提供することが中心です。大規模案件だけでなく中小規模の案件も幅広く手がけ、財務デューデリジェンスによるリスクの洗い出しや、企業価値評価(バリュエーション)といった分析的な業務を担うのが特徴です。また、M&A成立後の統合プロセス(PMI)まで一貫して支援し、クライアントの長期的な事業成長を見据えたサービスを提供します。

一方、投資銀行の主な役割は、M&Aの仲介役として取引を成立させることです。売り手と買い手の間に入り、交渉を主導してM&Aを成立に導くことがミッションであり、特に大規模な案件を中心に扱います。M&A成立後のPMIは行いませんが、新株発行など、資金調達に関わる点がFASとの大きな違いです。

PEファンドは、投資家から集めた資金をもとに企業へ投資し、経営に深く関与しながら企業価値を高めた上で売却益(キャピタルゲイン)を得ることを目的としています。投資銀行やFASがアドバイザーとしてクライアントを支援する立場であるのに対し、PEファンドは自らが投資の当事者となる点が大きな違いです。

FASで財務分析やバリュエーションのスキルを磨いた後、投資銀行やPEファンドへ転身するケースは多く、これらの業種へのキャリアの足がかりとしても注目されています。

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FASの業務内容

FASが提供するサービスは多岐にわたりますが、その中核をなすのはM&Aアドバイザリー、企業・事業再生支援、フォレンジックの3つの領域です。

M&Aアドバイザリー

M&Aアドバイザリーは、企業の買収や売却といった成長戦略の根幹に関わる重要な意思決定を、財務の専門家として支援する業務です。戦略策定の初期段階から、ディールの実行、そしてM&A成立後の統合プロセス(PMI)まで、一貫してクライアントに寄り添い、M&Aの成功をナビゲートします。

主な業務内容は以下の通りです。

  • デューデリジェンス(DD)

買収対象企業の財務状況や事業内容を精査し、潜在的なリスクや課題を洗い出す調査です。FASの専門家が財務諸表を詳細に分析し、M&A実行の可否や買収価格の妥当性を判断するための情報を提供します。

  • バリュエーション(企業価値評価)

対象企業の価値を算定する業務です。DCF法や類似会社比較法など、専門的な手法を用いて企業の価値を客観的に評価し、買収・売却価格の交渉における重要な判断材料を提供します。

  • PMI(Post Merger Integration)

M&A成立後、期待されるシナジー効果を最大化するために、経営方針、業務プロセス、組織文化などを統合していくプロセスを支援します。PMIの成否がM&A全体の成功を左右するともいわれています。

日本企業による海外企業の買収など、国境を越えた「クロスボーダーM&A」が増加しており、グローバルなネットワークと知見をもつFASの存在感が高まっています。

企業・事業再生支援

企業・事業再生支援は、経営不振や資金繰りの悪化といった経営危機に直面した企業を、再建計画の策定から実行までハンズオンで支援する業務です。

具体的には、事業ポートフォリオの見直しによる不採算事業の売却(カーブアウト)、コスト構造の抜本的な改革、資金繰り改善策の立案などを通じて、企業の収益力回復を目指します。また、金融機関との間に入り、借入金の返済スケジュール見直し(リスケジュール)交渉を代行するなど、財務面での調整役も担います。

クライアントのオフィスに常駐し、経営陣と膝を突き合わせながら再建に取り組むことも少なくありません。

フォレンジック(不正調査)

フォレンジックは、企業内で発生した不正や不祥事に対し、事実関係の調査、原因究明、そして再発防止策の策定までを支援するサービスです。会計不正や役員・従業員による横領、情報漏洩、贈収賄など、調査対象は多岐にわたります。

近年ではコンピュータなどの電子データを解析して証拠を保全する「デジタルフォレンジック」の重要性が高まっており、高度な専門性が求められます。

不正の調査だけでなく、その後の再発防止に向けた内部統制システムの構築・強化支援や、上場企業における会計監査人からの指摘事項への対応支援なども、FASの重要な役割の一つです。

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FASの主要コンサルティングファーム

FASの主要プレイヤーである「BIG4系FAS」と「独立系FAS」について、それぞれの特徴や強みを解説します。

BIG4系FASの特徴

BIG4系FASとは、世界4大監査法人(Deloitte、PwC、EY、KPMG)を母体とする総合コンサルティングファーム「BIG4コンサル」の系列に属するFASです。

  • 合同会社デロイト トーマツ
  • PwCアドバイザリー合同会社
  • 株式会社KPMG FAS
  • EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

これらのFASは、世界中に広がるネットワークを駆使したクロスボーダー案件への対応力に強みがあります。

また、クライアントは日本を代表する大企業や上場企業が中心であり、社会的な影響の大きな大規模案件に携わる機会が豊富です。そのため、若いうちから多様な業界やサービスラインでの経験を通じて、コンサルタントとしての幅広い知見とスキルを身につけられる環境があります。

独立系FASの特徴

独立系FASは、特定の領域に特化することで独自の地位を築いているFASです。

  • フロンティア・マネジメント株式会社
  • 山田コンサルティンググループ株式会社
  • 株式会社AGS FAS
  • 株式会社プルータス・コンサルティング

特定領域(M&A、事業再生、中堅・中小企業支援など)に特化した専門性が強みです。少数精鋭で裁量が大きく、若手のうちから大きな裁量を与えられ、主体的にプロジェクトを推進する機会に恵まれています。ファームによってはポテンシャルを重視した採用を積極的に行っており、BIG4と比較するとコンサルティング未経験者にも門戸が広く開かれている傾向があります。

なぜ人気?FASで働く3つの魅力

FASが転職市場で人気を集める理由を、やりがい・キャリアパス・年収の3つの観点から解説します。

企業の成長・再生に直接貢献できる

FASのコンサルタントは、クライアント企業の経営層と直接対峙し、財務戦略という重要な意思決定のプロセスに関与します。M&Aの実行支援を通じて企業の成長戦略を実現したり、事業再生計画の策定を通じて経営基盤の安定化に貢献したりと、企業の変革に深く関われる点が、FASの大きな魅力です。責任の重さに比例して、貢献している実感を得やすい職種といえるでしょう。

また、若手のうちから経営層と対話する機会が多いため、ビジネスに不可欠な経営視点を早期に養える点も魅力です。

市場価値の高いキャリアを構築できる

FASで培われる専門スキルは汎用性が高く、転職市場において高く評価される傾向があります。FAS経験者は、コンサルティングファームはもちろん、事業会社のCFO(最高財務責任者)や経営企画部門、PEファンド、投資銀行など、多様なキャリアを選択できます。特に、BIG4系FASでグローバル案件の経験を積めば、将来的に海外でのキャリアを考える上でも有利に働くでしょう。

高年収を目指せる

厳しい業務の対価として、高い報酬を得られることもFASの強みといえます。

FASでは、個人のパフォーマンスが報酬に直結する成果主義の給与体系を採用しているケースが多く、年収は一般的な事業会社(平均478万円)と比較して高水準で、20代で年収1,000万円を超えることも珍しくありません。

出典:国税庁 | 令和6年分 民間給与実態統計調査

「FASはやめとけ」と言われる理由や働き方の実態は?

FASの厳しい側面として語られる「激務」や「プレッシャー」の実態を解説します。

激務でワークライフバランスが取りにくい

FASが「激務である」といわれる背景には、短期間で高品質なアウトプットを出すことが常に求められる、業務特性があります。

M&Aや事業再生といった案件は、クライアントの経営を左右する重要なプロジェクトであり、極めてタイトなスケジュールで進行します。チームは少数精鋭で構成されることが多いため、コンサルタント一人ひとりが担う業務の範囲は広く、責任も重くなりがちです。そのため、プロジェクトの繁忙期には、深夜や休日の対応が発生することも珍しくありません。

ただし、FAS全体で働き方改革が進んでおり、全社的に残業時間を管理したり、プロジェクトの合間に長期休暇の取得を推奨したりと、ワークライフバランスの改善に取り組むファームも増えています。

求められる水準が高くプレッシャーが大きい

FASは、クライアントにとって重要な意思決定を左右する業務を担うため、分析や報告における些細なミスも許されないという大きなプレッシャーが伴います。

​求められるスキルの水準も非常に高く、財務・会計に関する深い専門知識はもちろんのこと、複雑な課題を構造化する論理的思考力、経営層と対等に渡り合うコミュニケーション能力、そしてグローバル案件ではビジネスレベルの英語力など、多岐にわたる能力が必要です。

特に未経験から転職した場合は、高度な専門知識を短期間で習得する必要があるため、業務時間外でのキャッチアップが不可欠です。この学習負荷の大きさも、厳しい側面の一つといえます。

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FASへの転職を成功させるには?

FASへの転職難易度を踏まえ、未経験からでも転職を成功させるために評価される経験・スキル、そして選考を突破するための具体的な対策を解説します。

未経験からの転職難易度

未経験からFASへの転職は可能ですが、難易度は高いといえます。中途採用では即戦力として期待されるため、財務分野に関する基礎知識や高い学習意欲は必須です。それに加え、なぜFASでキャリアを築きたいのか、自身の経験をどう活かせるのかについて、納得感のある志望理由を語れなければ、選考を通過することは難しいでしょう。

一方で、M&A市場の拡大に伴い、FAS全体の採用数は増加傾向です。特に若手層のポテンシャル採用に積極的なファームも増えており、未経験者にとっての門戸は以前よりも広がっているといえます。

評価される経験・スキル・資格

FASへの転職において、以下のような経験・スキル・資格は高く評価されます。

  • FASと親和性の高い職務経験(監査法人での監査業務、金融機関での融資・審査業務、事業会社での経理・財務・経営企画業務)
  • ポータブルスキル(論理的思考力、コミュニケーション能力、英語力)
  • 会計・財務関連の資格(公認会計士、USCPA、日商簿記1級 など)

FASは専門職であるため、未経験者であっても最低限の財務・会計知識は必要です。具体的には、財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を正確に読み解くスキルや、簿記の基礎知識などが求められます。

その上で、M&Aや事業再生に対する強い関心と、業界動向を自ら学ぶ学習意欲をアピールすることが、ポテンシャルを評価してもらう上では重要です。

関連記事:【PwC出身】エリート会計士が選んだネクストキャリア

選考プロセスと面接対策

FASの選考は、一般的に「書類選考→適性検査→面接(2〜3回)→内定」という流れで進みます。

面接では志望動機や自己PRといった一般的な質問に加えて「なぜFASに興味があるのか」「最近気になったM&A案件は何か」といった点が問われます。自身の強みやスキルを棚卸しした上で、FASの業務でどのように活かせるかを具体的にアピールできるよう準備しておきましょう。

コンサルティングファームの場合は論理的思考力や仮説構築力などを評価するために、ケース面接が実施されることもあります。

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投資銀行やPEファンドは求められる経験やスキルのハードルが高いため、まずFASで財務デューデリジェンスやバリュエーションの実務経験を積み、その後ステップアップするキャリアパスを選ぶ方も多くいます。とはいえ、BIG4系FASのような難関コンサルティングファームで求められる専門性やスキルの水準は非常に高く、十分な準備なしに選考を突破することは困難です。また、ファームごとに異なる選考基準を把握し、独力で対策を行うことにも限界があります。

そこで有効な選択肢となるのが、FASに精通した転職エージェントの活用です。タイグロンパートナーズは、年収1,000万円以上のハイクラス・プロフェッショナル人材に特化した転職エージェントであり、コンサルティングファームへの豊富な支援実績を誇ります。

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当社代表取締役野尻 剛二郎

当社代表取締役

野尻 剛二郎

慶應義塾大学卒/元モルガン・スタンレー

株式会社ビズリーチ 主催
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