DXコンサルの仕事内容と年収相場|求められるスキル、転職する方法

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2024.07.26

    職種解説

企業変革の場面でも盛んに聞かれるDXですが、デジタル化とは意味が異なります。
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術とデータの活用によって企業のビジネス変革を実現し、競争力の優位性を高めていくことです。

日本企業のDXは海外よりも遅れていると言われ、DX推進する人材の不足などの課題があります。DXコンサルタント(以下、DXコンサル)はそのような企業のデジタル変革を支援する役割です。
今回はDXコンサルの仕事内容や転職する方法を解説します。

1.DXコンサルとは?

DXコンサルは、クライアント企業がDXを導入するためのコンサルティングを行う職業です。
ITやデジタル技術を活用して、業務プロセスやビジネスモデルの変革を行い、業界における競争力を高めるための支援を行います。
デジタル戦略の策定やデジタル技術の導入をサポートすることで、最終的には業務効率や生産性向上、事業基盤の強化などの経営課題を解決へ導くことを目指します。

2.DXコンサルの仕事内容と年収相場

DXコンサルの主な仕事内容

①デジタル技術を活用した提案

事業会社などのクライアントに対して、デジタル技術を活用したビジョン策定を行います。クライアントにアドバイスを行うだけでなく、アイデアを提案するケースも多いです。
特に戦略立案は、複雑化している自社システムの再配置、市場環境や行政の施策、ライバル企業の動向から現場社員の反発まで、これらすべてを包括した検討が必要になるので、非常に難易度が高い仕事といえます。

②DX推進のサポート

クライアントがDXを推進する際のサポートを担当します。クライアントにシステム開発が得意なエンジニアがいない場合、DX推進全般のサポートをすることになるため、業務内容は非常に幅広いといえるでしょう。その際、ソフトウェアの設計時に必要な図であるユースケースの作成も行います。

③デジタル人材の育成

DXに対応できる従業員の育成も役割の1つです。DX推進にはデジタル技術を活用できる人材が社内に必要なため、人材育成の部分も重要になります。
DXは一時的な取り組みではなく、継続的な施策が求められるため、​​クライアント企業の人材育成も間接的にサポートが必要になるのです。

④DXによる新規ビジネスの立案

今後はデータ利活用が企業にとって成長のポイントになることが見込まれ、既存事業内容やノウハウだけでは太刀打ちできません。そのため、デジタル技術を取り入れた新規事業の創出が重要になります。
しかし、DXを用いた新規ビジネスの立案にはいくつかの課題があり、例としてIT技術を戦略に落とし込めないことや、人材やスキルのミスマッチが挙げられます。

上記の課題解決を図りながら、レガシーシステム(古いシステム)の刷新や概念実証(PoC・Proof of Concept)を主導して、新規ビジネスを立ち上げるのもDXコンサルタントの役割です。

デジタルマーケティング施策の立案・実行

データを利活用できる体制を整備し、そのデータを用いてマーケティング戦略を立案することも業務内容です。
製品・サービスの顧客体験価値を向上させるには、実店舗やECサイト、オウンドメディア、SNSなどの複数のチャネルのユーザーを分析し、それぞれに適切な施策を行う必要があります。
実際、各チャネルのデータ分析や社内での情報共有はDXが実現できていないと難しいので、この点からもDXコンサルタントの需要は高いといえるでしょう。

DXコンサルの年収相場

DXコンサルの年収水準は平均約1,000万円と高い傾向にあります。全体の平均年収の458万円と比較すると大幅に高い水準といえます。

また、主な就職先がIT企業やコンサルティングファームなど年収が高い業界となるため、1,500万円や2,000万円といった、非常に高額な年収が得られるケースも多いです。

ただし、デジタルやITを活用したDXの推進、DXの戦略策定、DXロードマップの策定など高度な業務を担当するため、年収が高いだけに達成すべき成果の難易度も高く設定されている状況です。

参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2022.htm

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3. DXコンサルに求められるスキル

DXコンサルとして企業を支援する場合、経営の専門知識やITスキルも必要です。DXコンサルに転職するのであれば、具体的にどのような知識やスキルが必要になるか以下でご紹介します。

①ITに関する深い知識

DXコンサルには、システムやネットワークに関する理解、技術トレンドの情報収集が求められます。仮にIT企業や製造業で開発の課題を解決しなければならないときは、開発フローへの理解が必要です。ITに関する知識がなければ、クライアント企業のインフラやシステムの課題を把握・改善ができません。
また、デジタル戦略の策定から関わる場合には、最先端のデジタル技術に関する知識も必要です。たとえば、AIやIoT、MR(複合現実)、RPAによる自動化、センシング技術などは、BtoB企業でも積極的に導入される分野のため、深く理解しておきましょう。

②ビジネスや事業企画に対する知識

DXはデジタル化による企業のビジネスモデルの変革が目的です。

DXコンサルはビジネスの設計に関わるため、クライアント企業の問題点を俯瞰的に把握して改善点を見つけ出すために、ビジネスや事業企画に対する知識が必要となります。
特にビジネスモデルや競合環境を深く理解することで、効果的なデジタル戦略を策定できるでしょう。また、新たなビジネスアイデアを生む企画力、発想力も求められます。

<マネジメントスキル>

開発は1人ではなくチームで行うため、チームを引っ張っていくマネジメントスキルが求められます。特に規模の大きな組織になるほど、メンバーのリソース調整やモチベーション管理が重要です。
プロジェクトマネジメントの経験やリーダーシップスキルがあると、プロジェクトを円滑に進め、目標達成に導くことができます。各メンバーの役割を明確にし、協力体制を築くことで、効果的なチーム運営が実現します。

③提案力

DXコンサルには、クライアント企業の課題やニーズを的確に把握し、最適なソリューションを提案する力が求められます。市場の動向や技術の進化を踏まえた革新的なアイデアを経営層に提案し、企業のDXを成功へ導くことが重要です。

④コミュニケーション能力

DXコンサルは、企業内の多様な部門や外部パートナーと連携し、プロジェクトを推進します。そのため、明確に意見を伝え、相手の意図を正確に理解するコミュニケーション能力が不可欠です。
交渉力やプレゼンテーションスキルも求められます。

⑤問題解決能力

DXプロジェクトでは、予期せぬ課題や困難が発生することが少なくありません。そうした状況下で迅速に問題を分析し、適切な解決策を見つけ出す能力が重要です。柔軟な発想と的確な判断力を駆使し、プロジェクトの進行をサポートしましょう。

⑥論理的思考力

DXコンサルには、複雑なデータや情報を整理し、論理的に分析する力が求められます。企業の強みや得意領域、成功事例を分析し、説明することが必要になるでしょう。
デジタル技術やビジネス戦略を結びつけ、説得力のある戦略を構築するためには、論理的思考力が欠かせません。

4.DXコンサルに転職するには?

将来性や平均年収の高さからDXコンサルに転職したい方は多いかもしれません。ここからは実際に転職したい方に向けて、DXコンサルに転職する方法についてご紹介します。

未経験でのDXコンサルへの転職は可能?

未経験者でもDXコンサルに転職できる可能性はあります。

その根拠として、DXに関する業務経験がなくても採用している企業もあることが挙げられます。需要が高まりつつも、IT人材は不足傾向にあるので、将来性が見込まれる職種といえるでしょう。
また、ITやDXに対する知識やエンジニアとしての業務経験があると、選考がスムーズに進みやすいです。

 

DXコンサルに転職する方法

DXコンサルへの転職には、エージェントの利用がおすすめです。

理由として、転職のためのアドバイスや選考対策などを行ってくれることが挙げられます。非公開の求人情報を紹介してもらえる場合もあり、自分の希望に合ったコンサルティング会社への転職ができる可能性が高まります。また、エージェントは転職の専門家であるため、コンサルタントのキャリアに関する相談もできるでしょう。

5.DXコンサルはITスキルが求められるハイクラス人材

企業のデジタル化やDXによる業務改革・ビジネス変革が求められる機会が増え、DXコンサルの重要性も高まっています。DXコンサルには問題解決能力や論理的思考力のようなコンサルタントとしての能力のほか、ITに関する深い知識やテクノロジートレンドの理解も必要です。

ただし近年は、IT人材は不足する傾向が続いており、コンサルティング未経験でもDXコンサルとして転職できる可能性があります。

DXコンサルへ転職をする際は、業界と関わりの深い人材紹介会社を利用するのがおすすめです。各業界のプロが集結したコンサルタント集団のタイグロンパートナーズでは、DXコンサルへの転職相談を行っています。

ハイクラス、プロフェッショナル求人を多数ご紹介できますので、DXに強みのあるコンサルタントやエンジニアの方はぜひご相談ください。

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監修コンサルタント


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眞知田 晃平 / Machida Kohei


担当職域

  • ・コンサルティングファーム
  • ・ SIer
  • ・ ポストコンサル

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当社代表取締役野尻 剛二郎

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野尻 剛二郎

慶應義塾大学卒/元モルガン・スタンレー

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