グロービング株式会社は、2017年の設立からわずか7年で東証グロース市場への上場を果たした急成長中のコンサルティングファームです。「ジョイント・イニシアティブ」と呼ばれる手法やAIなどを活用し、従来のコンサルティングに一石を投じる存在としても注目を集めています。
本記事ではグロービングの事業内容や強み、働き方、年収、採用動向などを詳しく解説します。
早期上場で注目の新鋭ファーム「グロービング」とは?
グロービングは、従来のコンサルティングサービスの在り方を顧客基点で再定義し、事業インパクトの最大化を目指す、新進気鋭のコンサルティングファームです。
グロービングの会社概要
| 商号 |
グロービング株式会社
Globe-ing Inc. |
| 設立年 |
2017年 |
| 所在地 |
東京都港区南青山三丁目1番34号 |
| 代表者 |
代表取締役社長 兼 CEO 上級執行役員
田中 耕平 |
| 資本金 |
約12億円 |
| 売上高 |
約82.5億円 |
| 従業員数 |
273名(2025年5月末時点) |
出典:グロービング株式会社|会社概要
出典:グロービング株式会社|有価証券報告書-第10期(2024/06/01-2025/05/31)
グロービングは2017年1月の創業からわずか約7年で、2024年11月に東京証券取引所グロース市場への上場を果たしました。初値は公募価格(4,530円)を大きく上回る5,600円を記録し、市場からの期待の高さを示しました。2025年11月17日時点での時価総額は700億円を超えており、上場間もない企業として非常に高い評価を受けています。
創業理念と6つの“Don’t”
グロービングは、従来のコンサルティング業界の在り方(「べき論」の提示に終始し、実行や成果にコミットしないスタイル)に疑問を呈し、クライアントの事業変革に本質的に貢献することを追求しています。
その思想を明確に定義しているのが「6つの”Don’t」と呼ばれるバリューです。
- デジタルを分からない、業務を知らない、ビジネスを知らないのに、××戦略を描くようなことは、しない
- 大きなSIやBPOなど、自社ビジネスのボリュームゾーンを自作自演で作り上げるようなことは、しない
- 本当のプロフェッショナルしか採用、しない
- 繰り返し使えるノウハウや知見はコンサルティングサービスとして提供、しない(インダストリアライズし安価で提供する:SaaS by GLB)
- 本当に自社を変革する気のない、クライアントの変革ごっこにお付き合い、しない
- 自社ですべてのサービス提供を独り占めするようなことは、しない(強みを持つ他ファーム、ベンチャーと積極的にコラボレーション)
出典:グロービング株式会社|代表パートナー 挨拶
裏を返せば「実行と成果にコミットする」「ノウハウはAI・SaaS化し安価に提供する」「本気度の高いクライアントと真の変革を目指す」という強い意志表示と言えます。
グロービングの成長を支える3つの強み
グロービングの急成長を支えているのは、従来のコンサルティングの枠組みを超えた独自のアプローチです。ここでは同社の競争力の源泉となる3つの強みを解説します。
ジョイント・イニシアティブ型コンサルティング
「ジョイント・イニシアティブ型(JI型)コンサルティング」とは、コンサルタントがクライアントの事業の当事者として深く関与し、事業の実行と推進をハンズオンで担う手法です。
従来型のコンサルティングでは、外部の専門家として課題を分析し、戦略や施策を提案して終わりというケースも少なくありません。一方、グロービングでは戦略立案だけでなく、実行フェーズにおいてもクライアントと並走し、成果創出まで責任を持つ長期伴走型のアプローチを採用しています。
具体的には、豊富な知見や事業推進能力を持ったメンバーが、クライアントの事業責任者・中核メンバーとして参画し「外部視点を持ったインサイダー」として、意思決定に関与します。
以下はJI型コンサルティングを活用したプロジェクトの一例です。
日系大手自動車会社におけるAI全社プロジェクトのPMロール拝命
日系大手自動車会社に対し、AI活用に関する全社変革プロジェクトをリードしました。具体的には、コンサルタントがAI戦略検討部署へ出向し、全社のAI戦略やガバナンスを経営陣とともに検討。さらに製造現場(次世代工場など)のユースケースの具体化やAI実装までをハンズオンで推進し、全社的な変革をドライブしました。
日系大手製薬会社におけるCxOロールへの就任
日系大手製薬会社に対し、デジタルを活用した全社変革をドライブしました。シニアメンバーがデジタル担当のCxO(最高役員クラス)に出向・就任し、変革をリード。CxOを支えるために新設された変革専門組織にもコンサルタントを派遣し、クライアントメンバーと協働で、デジタル化を含む全社変革の実行と推進を実現しました。
経営・リーダー人材の不足により、変革の「実行」フェーズでつまずきがちな多くの日本企業にとって、JI型コンサルティングは極めて価値の高いサービスと言えるでしょう。実際に、2025年5月期(4Q)の売上高構成において、JI型コンサルティングは49%を占めており、同社のビジネスの中核をなしていることがわかります。
AIによる事業のトランスフォーメーション実現
JI型コンサルティングと並ぶもう一つの強みが、AIによる事業トランスフォーメーションの実現に向けた取り組みです。同社におけるAI関連プロジェクトは急速に増加しており、2025年5月期のAI関連売上比率は30%に達しています。
さらに、グロービングはAIを活用したコンサルティングノウハウを実装したSaaSプロダクトの開発・提供を、今後の主力事業として積極的に推進しています。以下のような、数兆円から数十兆円規模のプロダクトの共同開発が進行中です。
| プロダクト名 |
概要 |
| スペンドインテリジェンススイート |
超大手電気メーカーの調達機能子会社と、日本初となる支出の分析・最適化(スペンドマネジメント)を実現するSaaSプロダクトを共同開発 |
| 企画支援AIエージェント「グロービングくん」 |
超大手自動車OEMと、ホワイトカラー人財不足の解消を目的とした企画業務(リサーチ、資料作成など)を支援するAIエージェントを共同開発 |
同社は、世界中の企業に戦略コンサルのノウハウを注ぎ込んだAIエージェントを普及させ、生産性を飛躍的に向上させる「経営OS構想」の実現を目指しています。
また、同社は社内でもAIを活用した生産性の向上に取り組んでいます。ジュニアスタッフの工数の多くを占める議事録作成や、リサーチ業務の生産性向上を目的としたツールを自社開発し、業務工数の削減を実現しました。
動的平衡マネジメント
グロービングは、欧米流の画一的な経営手法に代わる、日本企業に適した独自の経営方法論「動的平衡マネジメント」を提唱しています。
これは、生物学者の福岡伸一氏が提唱する「動的平衡(Dynamic Equilibrium)」の概念を経営に応用したものです。組織や機能ではなく、社員一人ひとりの「人」の主観と経営哲学を軸に「相互主観」を形成し、企業を生命体のように継続的に進化させる(動的平衡な状態)ことを目指します。
同社は、この哲学をJI型コンサルティングと統合して実践しています。さらに、動的平衡マネジメント方法論の確立のため、AIエージェント開発費なども含め約4億円のR&D(研究開発)投資を実施する予定です。
グロービングの働き方と社風
Openworkなどの口コミサイトの情報をもとに、グロービングでの働き方や社風を解説します。
勤務体系とワークライフバランスの実態
Openworkなどの口コミサイトによると、グロービングの平均残業時間は58.7時間です。
急成長中のスタートアップであることや、JI型コンサルティングでクライアントの成果に深くコミットすることなどから、労働時間は長くなる傾向があります。プロジェクトによっては休日出勤などが発生することもあり、激務になる場合もあるようです。
一方で、オフィス出社、クライアント先常駐、リモートワークは、おおむね1:1:1の割合となっており、フレックス制度なども活用できるため、プロジェクトの性質や進行状況に応じて柔軟に働き方を選択できるとされています。
グロービングでのキャリアパス
グロービングでの一般的なキャリアパスは以下の通りです。
| 役職 |
主な役割・必要なスキル |
| コンサルタント |
プロジェクトを下支えするメンバーとして、分析・調査・仮説構築面で貢献する |
| シニアコンサルタント |
メンバーを1〜2名つけて、モジュールを完全にリードし、クライアントマネジメントの一端を担う |
| マネージャー |
1つのプロジェクトを自分の力で回すことに加え、プロジェクト以外でも貢献(採用・評価・外部発信など)する |
| シニアマネージャー/アソシエイトパートナー/ディレクター |
2つ以上のプロジェクトを自分の力で回すことに加え、プロジェクト以外でも貢献(採用・評価・外部発信など)する |
| パートナー |
10名程度の自分のチーム・ピラミッドを創る |
| エグゼクティブパートナー |
20~30名のチーム・ピラミッドを創ることに加え、上級執行役員として会社全体の経営も担う |
| シニアパートナー |
数十名以上のチームを創ることに加え、会社の取締役・上級執行役員として会社全体の経営も担う |
出典:グロービング株式会社|Thought Leadership Strategy
特徴的なのは、社員一人ひとりが希望するキャリアパスを実現できるよう、多様なサポート・研修が用意されている点です。
- 全社トレーニング:シニアパートナーや各インダストリーの専門メンバーが講師となり、実践的な知見を共有する
- Enjoy Working Session:チームで実施する仕事を楽しむためのコミュニケーション
- カウンセラーとの1on1:プロジェクトの上司とは別にカウンセラーがアサインされ、キャリアプランや悩みについて定期的にフラットに相談できる
その他、リーダーシップ研修や全社ワークショップなども実施され、社員が圧倒的なスピードで成長できる環境が整えられています。
スタートアップ特有の社風
グロービングは設立から間もないスタートアップであり、大手ファームのような年功序列や組織的なしがらみがほとんどありません。その結果、大きな役割も若手に積極的に任せるカルチャーが根付いています。
この文化を象徴するのが「社内チャレンジ制度」です。これは、自ら手を挙げれば年次に関係なく、最上流の工程を手がけるチームのプロジェクトに参画できるチャンスが与えられる制度で、意欲次第で早期から難易度の高い経験を積むことができます。
また「クライアントに本当に意味のあることを考え抜き、実行する」という文化も浸透しており、本質的な価値提供のために仕事に真正面から向き合える環境が整っています。
グロービングの平均年収・評価制度
グロービングの平均年収や評価制度について、詳しく解説します。
平均年収は約1,520万円
2025年5月期の有価証券報告書によると、グロービングの平均年収は約1,520万円です。
出典:グロービング株式会社|有価証券報告書-第10期(2024/06/01-2025/05/31)
中途採用の募集要項によると、スタッフクラスの想定年収は600万~2,000万、シニアクラスは2,000万以上とされており、実力次第で高収入を狙える環境が整っています。
また、優秀な人材の採用と定着のために高い報酬を還元する戦略をとっており、2025年は6月の年次昇給の他に、12月に平均3.4%の給与改定を実施することを発表しました。特に優秀なハイパフォーマー層については、30〜40%の昇給が実現する見込みです。
上場企業ならではの福利厚生
グロービングでは、主に以下のような福利厚生が用意されています。
- 持株会制度
- RS(譲渡制限付株式)
- 企業型確定拠出年金
- 健康診断・人間ドック・予防接種費用補助
- 産業医によるメンタルヘルス相談
- 保養施設や運動施設の利用補助(TJK健保サービス)
- 社内カフェ制度(ウォーターサーバー/コーヒーメーカー/お菓子)
- ベビーシッター割引券配布
- 書籍購入費補助
- 交通費実費支給
- タクシー代補助
出典:グロービング株式会社|Thought Leadership/コンサルタント
転職難易度の高いグロービングへ転職するには?
グロービングは、その高い成長性、独自のビジネスモデル、業界トップクラスの待遇から、転職市場において人気が高いコンサルティングファームです。
従業員数は2023年5月期の88名から2024年5月期には203名、さらに2025年5月期には273名へと急拡大しており、採用意欲は旺盛です。しかし、優秀層の獲得を目指していることもあり、採用基準は決して低くありません。転職成功の可能性を高めるためには、戦略的に準備をする必要があります。
求める人物像の把握
グロービングが求める人物像は以下の通りです。
- クライアントの成功を自分ごと化し、社会にインパクトを与えたい人
- リスクをとってチャレンジできる人
- 高い成長意欲のある人
JI型コンサルティングを強みとし、スタートアップとして急成長を続ける同社では、単なる分析能力や論理的思考力だけでは不十分です。当事者意識を持ってクライアントの懐に深く入り込む力や、前例のない課題にも果敢に取り組むチャレンジ精神、そしてその環境を楽しみ自ら成長し続ける意欲が重視される傾向があります。
選考フローと対策のポイントの理解
グロービングの中途採用では、書類選考を通過後、シニアメンバーとの複数回の面談(各1時間程度)を経て、内定に至るケースが一般的です。
面接ではコンサルタントとして活躍するために必要な論理的思考力や思考体力に加え、以下の素養を高いレベルで備えているかがチェックされます。
- 自ら手を動かし、泥臭く実行フェーズを推進できる行動力
- 組織に深く入り込み、多様な関係者を巻き込みながら変革を主導するリーダーシップ・コミュニケーション能力
- クライアントに専門的な知見を提供するために必要な事業経験・専門性
STARメソッドなどを用いながら、上記の素養があることを自身の経験にもとづいて論理的かつ詳細に説明できるように準備しておきましょう。
※STARメソッド:過去の経験や行動を、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の4つの要素に沿って伝える方法
コンサルティング業界に強い転職エージェントの活用
グロービングのような採用基準の高い難関コンサルティングファームへの転職を成功させるためには、一般的な選考対策だけでは不十分です。経営方針への深い理解を示すことに加え、企業が求める人物像やカルチャーと自身の経歴がいかに合致しているかを、効果的にアピールする必要があります。
戦略的に準備を進めたいと考えている場合は、豊富な業界知見・人脈・経験を持ったコンサルタントが多数在籍する、タイグロンパートナーズにご相談ください。
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