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M&A業界とは?業界動向や主な業務、転職成功のコツを解説

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2022.06.22

M&A業界では、人員増強の動きが活発化しています。M&A業界への転職を検討している方に向けた、業界動向や転職成功のコツを解説します。

DXや業界再編を見据えたM&Aのほか、後継者不足に伴う事業承継のためのM&Aが増加し、2022年1月のIT・ソフトウェア業界のM&A件数は、過去最多を記録しました。今後も、さらに多くのM&Aが行われると予測する識者が多く、市場は過熱しています。これに伴い、M&Aを支援する企業が属するM&A業界では、人員増強のための採用が活発化しています。

本記事では、M&A業界への転職を検討している方に向けて、業界動向や転職を成功させるコツなどについて解説します。

<目次>
1.M&Aの仲介や支援を主な事業とするM&A業界
2.M&A業界の動向
3.M&A業界における主な業務
4.M&A業界への転職に求められる資格・スキルなど
5.他業界での特筆すべき実績や経験
6.M&A業界への転職を成功させるコツ

 

1.M&Aの仲介や支援を主な事業とするM&A業界

そもそもM&A業界とは、どのようなところなのでしょうか。M&Aは、Mergers(合併) and Acquisitions(買収)の略で、会社や事業の売買、合併による統合、事業提携による協業などを行うための手法全般を指す言葉です。
つまり、M&A業界とは、M&Aの仲介や支援を主な事業とする業界だといえるでしょう。

近年は、経営の多角化や活発化を目指す大企業や、継承者不足で事業や会社を譲渡したい企業でM&Aの需要が高まっていることから、M&A業界でも活発な採用が行われています。

2.M&A業界の動向

国内のM&Aは増加傾向にあり、近年は大企業から中小企業、さらには個人へと広がりを見せています。

M&Aを選択するケースが増えている最大の理由は、経済環境や社会環境の変化にあります。右肩上がりの経済成長が続いていた時代、各企業は多様な事業を生み出し、順調に業績を拡大してきました。
しかし、飽和状態にある市場の中で、新たなビジネスチャンスにつながる事業を育てることは容易ではありません。優れた事業を受け継ぎ、スピーディーに新規事業を展開できるM&Aは、最も簡単で成功確率の高い経営手法として注目されているのです。

中小企業や個人がM&Aによる企業規模の拡大によって得られるさまざまな効果、すなわちスケールメリットを得ることができれば、認知度やブランド力の向上にもつながるでしょう。最近では、個人がM&Aを活用することで、起業までの時間を短縮するケースも見られるようになりました。

また、売り手側にもメリットがあります。特に中小企業では、経営者の高齢化や後継者不足といった問題が深刻化し、「会社を売却したい」「なんとかして従業員の雇用を守りたい」といったニーズが増加しました。唯一無二の優れた技術を有する企業が廃業した場合、貴重な技術やノウハウが消滅してしまいます。そこで、M&Aを選択することで、譲受企業にすべての技術と従業員を託す企業が増えているのです。

政府も、企業の国際競争力向上や中小企業の後継者不足解消を目指して、M&Aを積極的に行うよう支援しています。こうした動きを受けて、M&A業界の需要も高まりました。異業種からの参入も増加しており、多くの企業が働き手を求めています。M&A業界への転職を目指している方にとって、市場が拡大基調にある今は大きなチャンスだということができます。

 

3.M&A業界における主な業務

M&A業界における主な業務は、M&Aを希望する企業を支援することですが、具体的にはどのようなことを行うのでしょうか。続いては、M&A業界における「オリジネーション」と「エグゼキューション」という2つの支援業務について、詳しく見ていきましょう。

①オリジネーション

オリジネーションとは、M&Aの初期段階における業務のことを指す言葉です。具体的な業務としては、例えば潜在的な買い手と売り手を探してM&Aを提案したり、M&Aを希望する企業同士をマッチングさせたりして、見込み案件と潜在案件の開拓や発掘につなげます。場合によっては、クライアントがとるべき戦略の提案から関わり、戦略に合ったM&Aの相手先探しまで行うこともあります。

オリジネーションを行う際には、売り手と買い手の双方にシナジー効果がある状態を見定め、またそれぞれの希望が最も良い形で叶うバランスを見極めることが肝心です。営業力のほか、企業の特性を見極める力や提案力などが求められるため、M&A業界の企業が活躍します。

オリジネーションの主な業務は、下記のとおりです。
<オリジネーションの主な業務>
・見込み案件と潜在案件の開拓・発掘
・企業価値の評価
・スケジュール策定
・M&Aをする相手を探し、マッチングする
・交渉のアドバイス

 

②エグゼキューション

マッチングが終了した後、合意形成以降のプロセスのことをエグゼキューションといいます。エグゼキューションの段階で重要なのは、「M&Aをしよう」と決めたクライアントが、最終的に契約を締結するまでに必要な手続きのフォローアップです。
例えば、下記のような業務がエグゼキューションに該当します。

<エグゼキューションの主な業務>
・買収のスキーム決定
・合意書、契約書の作成代行、もしくは内容に関するアドバイス
・売り手と買い手、双方の企業価値の判断
・一連の事務手続きのサポート
・アフターフォロー

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4.M&A業界への転職に求められる資格・スキルなど

M&Aには非常に広範な知識が必要であるため、新卒採用よりも中途採用に重きを置く企業がほとんどです。必ずしも同業界である必要はありませんが、クライアント企業に安心感を与えるためにも、即戦力として活躍できるだけの社会人経験は必須であるといっていいでしょう。
そのほか、下記に挙げるような資格やスキルなどがあると、採用の際に有利に働くといえます。

M&Aに関連する資格やスキル

M&Aに関連する資格を取っておくことは、M&A業界への転職を有利にするひとつの手段であるといえます。M&Aに関わる人が取得しておくべき資格には、国家資格がありません。そのため、法律や経理、財務関係、事業承継に詳しい弁護士、公認会計士、税理士、司法書士といったその道のプロフェッショナル以外は、民間の認定資格で知識を証明するのがおすすめです。
具体的には、次の3つの民間資格があります。

M&Aエキスパート

M&Aエキスパートとは、日本M&Aセンターと金融財政事情研究会が協働で企画・運営する認定制度のことで、誰でも受験することができます。M&Aに関する知識を総合的、かつ網羅的に習得できる資格です。

さらにステップアップするなら、事業承継実務に関する最難関資格「事業承継シニアエキスパート」、事業承継と中小企業のM&Aに関する基礎知識をもとにM&Aシニアエキスパート養成スクールの受講へステップアップできる「事業承継・M&Aエキスパート」を目指すといいでしょう。

 

M&Aスペシャリスト

M&Aスペシャリストとは、日本経営管理協会(JIMA)が認証した資格です。資格取得のための勉強をする中で、中堅・中小企業の事業承継におけるM&Aについて、実務に活かせる知識を身につけることができます。難度は若干高めですが、M&Aの領域で実際に活躍している人が講師として指導してくれる上、年に数回ある更新指定研修で知識のアップデートが可能です。

 

M&Aアドバイザー

M&Aアドバイザーは、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)の認定資格です。M&Aに関する一通りのアドバイスと契約成立までのサポートができる人材の育成を目指すもので、入門セミナーを受けた後、養成講座を受講して修了すれば取得できる資格で、資格試験はありません。

 

学歴

出身大学を問わない採用も増えてきた昨今ですが、M&A業界においては学歴もひとつの重要なチェックポイントです。基本的には大卒以上で、メガバンクや投資銀行などのM&A部門を目指すなら、関連する学部の大学院修了以上の学歴が求められます。
ただし、M&A業界における企業の入社選考においては、学歴よりも先に職歴をチェックされることが多いため、学歴に自信がない人であっても特筆すべき職歴を持っていれば転職成功の可能性はあるでしょう。

 

英語力

大手企業や外資系企業、グローバルなM&A支援を行う会社への転職では、英語力が必須です。そこまで高い英語力が求められない企業でも、ある程度の英語の読解が必要になるケースは少なくないため、英語力がある場合は積極的にアピールすることをおすすめします。

 

金融の知識

M&Aの仲介は、企業のお金の流れを把握した上で行うため、金融に関する知識は欠かせません。そのため、金融業界出身者は、M&A業界への転職においてかなり有利になります。財務が読めることも重要ですから、簿記の資格なども役立つでしょう。よりハイレベルな知識が求められる投資銀行などを目指す場合、公認会計士や税理士といった資格を取得しておくのもひとつの手です。

 

営業力

「事業承継について悩んでいるけど、解決策が見つからない」という企業や個人に対してM&Aを提案するのも、重要な業務のひとつです。M&Aによって現在の状況がどう変わるか、どんな効果が期待できるかということについて説得力を持って伝える必要があるため、営業力がある人は重宝されるでしょう。
特に、法人営業で高い実績を上げた経験があれば、積極的にアピールすることが大切です。

 

ポテンシャル

M&A業界は、ハードワークになりやすい業界です。そのため、転職者も体力に自信がある20代から30代が多いでしょう。若くて体力がある人材であれば、特別なスキルや経験がなくてもポテンシャルがある人材として採用されることがあります。

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5.他業界での特筆すべき実績や経験

M&A業界は、20代から30代の転職者が多いです。ただ、年齢を重ねている方であっても、これまでの社会人経験の中で何か特筆すべき実績や経験を持っていれば、転職のチャンスは十分にあるといえます。面接の際には、これまでの実績や経験をアピールするとともに、業務遂行にかける熱意などを伝えることをおすすめします。

6.M&A業界への転職を成功させるコツ

M&A業界への転職を成功させるためには、どのようなことをすればいいのでしょうか。続いては、M&A業界への転職活動を行う上で、特に意識したいポイントを5つご紹介します。

「なぜM&A業界なのか」を言語化しておく

M&A業界は、時流に乗って拡大基調にある、人気の業界です。金融業界出身者をはじめ、さまざまな業界からM&A業界を目指す人が増えているため、転職市場の競争率は高いといえます。優秀な人材も多いので、「なぜM&A業界なのか」「M&A業界で何をしたいのか」といった、志望動機について説得力を持って語れないと、ライバルに勝つのは難しいでしょう。

そのため、あらかじめ自分の中で志望動機を突き詰め、明確な言葉で語れるようにしておくことが大切です。

 

転職の軸を明確にしておく

スムーズに転職活動を進めるには、ぶれない「転職の軸」を持っていることが重要です。転職の軸とは、転職先を選定するにあたって重視する条件のこと。転職したい企業が何社かある場合や、同時に複数の企業から内定を得た場合などは、転職の軸に沿って優先順位を決めましょう。

転職の軸は人によって異なりますが、主に次のようなものがあります。

<転職の軸として重視する条件の一例>
・社風
・企業の経営方針
・福利厚生
・ワークライフバランス
・仕事内容

 

M&A業界と企業について十分に調べた上で応募する

M&A業界や応募する企業について、よく調べないままに応募するのは禁物です。表面的な情報だけに惹かれて応募し、採用・入社に至った場合、イメージと現実の乖離が大きく、入社後の活躍につながらない可能性があるからです。
「入社してみたら経営状況が悪かった」「将来性に不安があった」といった失敗を防ぐためにも、必ず情報収集をしてから応募しましょう。

 

自分の特性に合った企業を探す

一口に金融業界出身といっても、持っているスキルや得意分野はさまざまです。例えば、大手証券会社や投資ファンドなどでM&A業務を行っていたのなら、M&Aのプロセス実行・管理を担うエグゼキューションの領域のほうが活躍しやすいでしょう。

前職でもM&Aのアドバイザリー業務をしていたのなら、案件の発掘・創出を担当するオリジネーションの領域で強みを発揮できる可能性があります。
自分のやりたいことと、経歴から期待されることのバランスを見て、強みをうまくアピールしましょう。

 

転職エージェントを利用する

競争率の高いM&A業界への転職を成功させるには、転職のプロに依頼するのがおすすめです。転職エージェントを利用すると、情報収集を代行して特性に合った企業を探してくれるほか、書類作成や面接に役立つ情報の提供、強みを把握するためのキャリアの棚卸、転職の軸を見つけるためのキャリア相談などのサポートを受けることができます。

業界の特性をよく理解していて、豊富な紹介実績を持つ転職エージェントに依頼するのがコツです。

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M&A業界への転職ならタイグロン パートナーズへ

DXや業界再編を見据えたM&A、後継者不足に伴う事業承継のためのM&Aが増加しているM&A業界では、人員増強のための採用が活発化しています。そんなM&A業界への転職を実現させるためには、あらかじめ自身の転職活動の軸とするポイントを明確にし、業界や応募企業についての入念なリサーチや、自身のこれまでのキャリアやスキルを整理しておくことが必要です。

タイグロン パートナーズでは、プロフェッショナル人材に特化したトップレベルの人材紹介サービスを行っています。

M&A業界への転職を検討している方や優秀な人材を採用したい企業担当者の方は、ぜひタイグロン パートナーズへお問い合わせください。

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監修コンサルタント


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信藤 啓吾 / Shindo Keigo


担当職域

  • ・投資銀行
  • ・ PEファンド
  • ・ 不動産
  • ・ VC

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