SAPコンサルタントは、世界標準のERPシステムであるSAPの導入・運用を支援する専門家です。企業のデジタル変革が加速する中、経営基盤の強化に直結するSAPコンサルタントの需要は高まり続けており、高年収を目指せる魅力的なキャリアとして注目されています。
本記事では、SAPコンサルタントの仕事内容や人材需要が高い理由、キャリアの魅力などを解説します。また、SAPコンサルへの転職で求められるスキルも紹介するので、転職活動を有利に進めたい方は参考にしてください。
SAPの基礎知識
SAPコンサルタントの役割を理解するには、SAP自体を理解しておく必要があります。
SAPはERP(統合基幹業務システム)パッケージの代表格
「SAP(エス・エー・ピー)」とは、ドイツに本拠を置くソフトウェア企業SAP社が提供する世界トップクラスのERPパッケージ製品および関連ソリューションです。社名は、設立当初の「System Analysis Program Development」の頭文字を取ったもので、企業の基幹業務を包括的にサポートする製品群として広く認知されています。
財務管理・会計・販売管理・購買管理・在庫管理・生産管理・人事管理など、多岐にわたる機能を備え、グローバル企業を中心に導入が進んでいるのが特徴です。日本国内でも大手企業をはじめ、多くの企業がSAPシステムを活用しており、ビジネスシーンで高いシェアを誇ります。
なお、株式会社ノークリサーチの調査によると、年商500億円未満の中堅・中小企業におけるSAP導入シェア(2023年)は26.0%で、大塚商会、富士通のERPパッケージに次ぐシェア第3位となっています。
出典:株式会社ノークリサーチ|2023年 中堅・中小市場におけるERPの社数シェアと有力な差別化ポイント
■ERPとは?
ERPとは「Enterprise Resource Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)」の略で、「企業資源計画」を意味します。近年のビジネスシーンにおいては、企業の会計・財務・販売・購買・在庫・生産・人事など、あらゆる業務情報を一元管理する「統合基幹業務システム」のことを指すケースが一般的です。
ERPの導入により、企業はリアルタイムで経営資源を把握・分析し、業務の効率化や迅速な意思決定が可能になります。
ERPの市場規模は拡大傾向にあり、2024年のERPパッケージライセンス市場規模は前年比12.1%増の1,684億4,000万円に達しました。今後も企業のDX投資は続くと見られ、2027年には2,240億円規模に成長する見込みです。
出典:株式会社矢野経済研究所|ERP市場動向に関する調査を実施(2025年)
SAPの主なモジュール
SAPシステムは、「モジュール」と呼ばれる業務領域ごとの機能群で構成されています。企業は自社のニーズに合わせて、必要なモジュールを選択し、ライセンスを取得する必要があります。
以下は、SAPの主要なモジュールの例です。
| モジュール名 |
主な機能 |
| 財務会計(FI) |
財務諸表の作成、総勘定元帳、債権・債務管理、固定資産管理など、社外報告向けの会計処理 |
| 管理会計(CO) |
原価計算、収益性分析、予算管理、事業別採算管理など、社内向けの経営判断・業績管理 |
| 販売管理(SD) |
見積、受注、出荷、請求、売上計上など、販売活動全般のプロセスを管理 |
| 生産管理(PP) |
生産計画、製造指図、在庫管理、品質管理など、製造業の基幹となる生産プロセスを管理 |
| 人事管理(HCM/HR) |
従業員の採用、給与計算、勤怠管理、人材育成、タレントマネジメントなど、人事関連業務全般を管理 |
| 在庫購買管理(MM) |
資材やサービスの購買要求、発注、入庫、在庫管理、請求書照合など、調達プロセス全般を管理 |
SAP導入のメリット・デメリット
SAPの導入には以下のようなメリット・デメリットがあります。
■主なメリット
・業務プロセスの標準化
SAPが提供する世界標準の業務プロセス(ベストプラクティス)に合わせて自社業務を見直すことで、組織全体の効率化が図れます。
・経営データのリアルタイムな可視化
全部門のデータが一元管理されるため、経営層はリアルタイムで正確な経営状況を把握し、迅速な意思決定を行えます。
・社会的な信頼性が高まる
SAPは世界的に高いシェアを誇り、グローバルスタンダードである「IFRS(国際会計基準)」にも対応しているため、国内外の取引先に対して高い信頼性を担保できます。また、海外拠点を含めたデータの一元管理により情報共有不足によるトラブルを防止できるほか、「世界トップシェアの堅牢なシステムを導入している」という事実そのものが、企業の管理体制に対する対外的な信用力を高めることにつながります。
■主なデメリット
・導入・運用コストの高さ
ライセンス費用や導入支援のコンサルティング費用、インフラ構築費用など、初期コストが高額になる傾向があります。企業の規模にもよりますが、トータルで数千万円~数億円かかることも珍しくありません。
・カスタマイズの複雑さ
標準機能から外れた独自の業務プロセスを維持しようとすると、追加開発(アドオン)が複雑化し、コスト増加や将来のアップデートの障害となる可能性があります。
・定着化へのハードル
新しいシステムと業務プロセスの両方に全社的な適応が必要であり、現場の抵抗や混乱を乗り越え、定着させるためのチェンジマネジメントが必要です。
SAPコンサルタントとは?
SAPコンサルタントは、SAPを導入・運用するクライアント企業のサポートを担う専門家です。コンサルティングファームやシステムインテグレーター(情報システムの構築や運用を担う「SIer」と呼ばれる企業)などに所属し、SAPの導入・運用に関するコンサルティングサービスを提供します。
SAPコンサルタントの役割と仕事内容
SAPコンサルタントの主な役割は、クライアント企業の経営課題や業務課題に対し、SAPシステムを活用した最適なソリューションを提案・実現することです。
高度な専門知識を活かしてクライアントの業務要件とSAP標準機能との適合性を分析し、必要なモジュールの選定や、標準機能で対応できない部分に対するカスタマイズの要否を判断します。
また、導入後のアフターフォローも、SAPコンサルタントの仕事内容の一つです。運用サポートのほか、システムの不具合対応といった運用保守に関わる場合もあります。
SAPコンサルタントとSAPエンジニアの違い
SAPコンサルタントとSAPエンジニアの主な違いは、担当する業務範囲です。SAPコンサルタントは、システム導入を検討する段階から支援を担い、業務改善提案・要件定義・プロジェクト管理や稼働後のフォローアップといった領域を担います。それに対して、SAPエンジニアはシステム設計・開発テスト・モジュールの開発・アドオン開発などの領域を担うという違いがあります。
SAPコンサルタントの需要が高い理由
コンサルティング業界ではSAPコンサルの需要が高く、活躍の機会が非常に多いです。ここでは、SAPコンサルの需要が高い理由や背景をご紹介します。
企業のDX化が加速しているから
近年のビジネス環境ではデジタル化のニーズがますます高まり、多数の企業がERPシステムの導入や自社の古いシステムの更新を検討しています。もともとシェアが高く世界中の企業で導入実績があるSAPシステムは、グローバル展開を目指す大企業を中心に依然として需要が高い状況が続いています。
SAPのシステムは専門性が高いから
SAPシステムの導入・運用を支援するには、高度な専門知識や技術が必須です。具体的には、プログラミング・システム統合・データ移行・セキュリティ対策などに対応できる技術力が求められます。また、モジュールごとの専門的な知識も必要です。
SAPコンサルタントはこのような技術力・専門性の高さから市場価値が高く、今後も引き続き多くの企業で活躍が期待されています。
2027年問題の影響があるから
SAP社の「SAP ERP 6.0」や「SAP Business Suite」など一部製品は、2027年にサポート終了予定(追加料金により2030年まで延長可能)となっています。そのため、後継製品である「S/4HANA」への移行が推奨されている状況です。こうした背景から、システムの移行を検討する企業が多く、SAPコンサルタントによる支援が必要とされています。
慢性的にIT人材が不足しているから
日本国内はIT人材不足が年々深刻化しています。社会でIT活用が進み、IT人材の需要が増加しているにも関わらず、供給が間に合わずギャップが拡大している状況です。SAPコンサルタントは希少価値の高いIT職種の1つであることから、採用市場で人気が高く仕事の単価も高い傾向にあります。
SAPコンサルタントの魅力・やりがい
SAPコンサルタントとして働くメリットや、仕事のやりがいなどを解説します。
経営の中核に関わるインパクトの大きな仕事
SAPコンサルタントは、単なるシステム導入に留まらず、クライアントの業務プロセス全体を見直し、再構築するプロジェクトに携わることができます。
クライアントの経営層や役員クラスと直接対話し、経営課題の解決に貢献できる点は大きなやりがいにつながるでしょう。
高度な専門性とポータブルスキルの習得
SAPコンサルタントとして働くことで、「SAPの専門知識」と「特定の業務知識」というかけ合わせの専門性が身につきます。例えば、財務会計モジュールを専門とするコンサルタントは、SAPの知識に加えて会計・財務の深い理解が必要です。製造業向けのプロジェクトに携わるコンサルタントは、生産管理や品質管理の業務知識が蓄積されます。
こうした専門性を兼ね備えた人材は希少価値が高く、転職市場でも評価されやすいでしょう。
加えて、論理的思考力、プロジェクトマネジメント力、問題解決能力、高度なコミュニケーション力といった、業界を問わず通用するポータブルスキルも磨かれます。仮にSAPコンサルタント以外のキャリアに転じる場合でも強力な武器となり、多様なキャリアパスを描きやすくなるでしょう。
グローバルプロジェクトへの挑戦
SAPは世界標準のERPであるため、グローバルプロジェクトに携わる機会が豊富にあります。日本企業の海外拠点へのSAP導入支援や、外資系企業の日本法人での導入プロジェクトなど、国境を越えたプロジェクトが数多く存在します。
こうしたプロジェクトでは、英語でのコミュニケーションが必須となるため、語学力を活かしたい、将来的に海外で働きたいと考えるハイクラス人材にとって、SAPコンサルタントは理想的なキャリアと言えるでしょう。
高年収を目指せる
高年収が期待できる点も、SAPコンサルタントの大きな魅力です。一般的なSAPコンサルタントの年収相場は500万円〜800万円程度といわれていますが、多くのコンサルティングファームは徹底した成果主義を採用しています。そのため、20代や30代といった若手であっても、実力次第で相場を大きく上回る収入を狙うことが十分に可能です。
関連記事:ITコンサルタントの年収は?未経験からの転職や年収アップの戦略を解説
例えば、SAPコンサルタントの採用に注力しているアクセンチュアでは、実力主義が徹底されています。役職別の年収目安は以下の通りです。
| 役職 |
年収目安 |
| アナリスト/シニア・アナリスト |
600万円〜750万円 |
| コンサルタント |
800万円〜1,200万円 |
| アソシエイト・マネジャー |
800万円〜1,400万円 |
| マネジャー |
1,100万円〜1,700万円 |
| シニア・マネジャー |
1,500万円〜2,100万円 |
| アソシエイト・ディレクター/プリンシパル・ディレクター |
1,800万円〜2,500万円 |
| マネジング・ディレクター |
2,400万円以上 |
関連記事:アクセンチュアの年収は?役職・職種・年代別に徹底解説
成果を出せば、20代でも1,000万円以上の年収を得られる可能性があります。
SAPコンサルタントの働き方
SAPコンサルタントの仕事はプロジェクトベースで進行するため、担当するプロジェクトのフェーズや規模によって働き方が大きく変わります。
例えば、プロジェクトの立ち上げ期や、システムトラブルが発生した際には業務負荷が高くなり、残業時間が多くなることもあります。一方で、システムが安定稼働した後の運用保守の段階では比較的業務が落ち着き、ワークライフバランスを重視した働き方ができる場合も少なくありません。また、プロジェクトとプロジェクトの合間を利用して、まとまった休暇を取得しリフレッシュするコンサルタントもいます。
さらに、SAPコンサルタントは市場全体で慢性的に不足しているため、転職の際に就業条件についての希望を通しやすいという側面もあります。所属するコンサルティングファームの方針や制度にもよりますが、フルリモートワークやフレックスタイム制を活用するなど、自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現しやすい職種といえるでしょう。
SAPコンサルタントに求められるスキル
クライアント企業にコンサルティングサービスを提供するには、高度な専門知識や技術が必要です。今後、SAPコンサルタントへの転職を検討するなら、以下のスキルの習得を目指しましょう。
①SAPに関する専門知識
SAPコンサルタントとして活躍するためには、大前提としてSAPそのものに対する深い理解が求められます。自身が専門とするモジュール(財務会計、販売管理、生産管理など)について、標準機能の仕様や設定方法、他モジュールとの連携の仕組みを熟知している必要があります。
SAP社が提供する公式トレーニングの受講や「SAP認定コンサルタント」などの資格取得を通じて、体系的な知識を身につけておきましょう。
質の高い提案を行うために、最新製品や関連技術のトレンドを常にキャッチアップし続けることも重要です。
②IT技術の基礎知識
SAPコンサルとして活躍するには、基本的なITの知識とスキルが不可欠です。データベース、ネットワーク、サーバーなどに関する基礎知識があれば、プロジェクトに参加するエンジニアと円滑に連携できます。またSAP独自の開発言語である「ABAP」に関する知識があると、大きな強みになるでしょう。
特に、エンジニアとしてのバックグラウンドを持っている方は、これまでに培ったシステム設計・開発の経験をダイレクトに活かせる可能性があります。
③プロジェクト管理能力
SAP導入プロジェクトは、数カ月から数年という長期間にわたり、多数の関係者が関与する大規模なものとなることが少なくありません。そのため、SAPコンサルタントには、プロジェクトの進行状況を管理し、スケジュールやリソースを調整する管理能力が求められます。
④コミュニケーション能力
SAPコンサルタントは、最適な導入方針を策定するために、クライアントが抱える課題や要望を的確に引き出す必要があります。
クライアント企業の中には、現状の業務分析はある程度進んでいても、「何が優先すべき本質的な課題なのか」「どのプロセスから解決に着手すべきか」といった整理が追いついていないケースも少なくありません。そのような状況下で、対話を通じて潜在的な課題を顕在化させ、クライアントとともに最適な解決策を導き出していく力が求められます。
また、実務においては、社内の開発チームやクライアント側のプロジェクトメンバーなど、立場の異なる関係者と密接に連携する場面が多々あります。
ここでは、難解な技術用語をビジネス用語に置き換えてシンプルに説明したり、複雑な業務要件を的確に把握してシステム設計へと反映させたりする能力が不可欠です。多様なバックグラウンドをもつメンバーと信頼関係を築き、円滑にプロジェクトを推進できる人物こそが、SAPコンサルタントとして高く評価されます。
⑤問題解決能力
企業がSAP導入に踏み切る本質的な目的は、システムの刷新そのものではありません。経営資源を一元管理し、データにもとづいた迅速な意思決定を可能にすることで、複雑化する経営課題を解決することにあります。
したがって、SAPコンサルタントには、クライアントが直面している事象を表面的にとらえるのではなく、論理的思考にもとづいて課題のボトルネックを特定し、実効性のある改善策を立案・提案する能力が求められます。
また、適切な解決策を提示するには、財務会計、サプライチェーン、人事といった各業務プロセスへの深い造詣や、クライアントが属する業界特有の商習慣に対する理解も必要です。
クライアント企業の現状の業務フローやシステム運用を正しく理解した上で、問題点を発見・特定し、解決策を実行まで導く知識・スキル・経験こそが、SAPコンサルタントの価値の源泉といえるでしょう。
⑥英語力
SAPコンサルタントとしてより高いレベルを目指すのであれば、ビジネスレベルの英語力も備えておきたいスキルです。
世界各国で採用されているSAPの特性上、海外拠点への導入プロジェクトが発生することも珍しくありません。こうしたグローバル案件に携わる場合、英語でのコミュニケーション能力が必要となります。
また、キャリア形成の視点でも英語力は重要です。公式ドキュメントやトレーニング資料、システム内部のコードなどは英語がベースとなっており、最新の技術情報も英語で先行して発信されます。英語力を磨くことは、専門性を高めるための強力な武器となるでしょう。
SAP導入支援に強いコンサルティングファーム
SAPコンサルタントへの転職を検討する際は、業界を牽引する主要コンサルティングファームの特徴を理解しておきましょう。ここでは、SAPと強力なパートナーシップを築き、グローバル規模で豊富な導入実績を誇る代表的な4社を紹介します。
アクセンチュア
アクセンチュアは、年間に1,500件を超えるSAP導入プロジェクトを手掛け、グローバル全体で7万5,000人以上ものSAPコンサルタントを擁する世界最大級のファームです。
SAPのグローバルアワードである「SAP Pinnacle Awards」では40以上の受賞歴があり、日本国内においても、ナンバーワンのSAP導入企業に贈られる「ザ・ベスト・サービス・パートナー・アワード」を7年連続で受賞するなど、圧倒的な実績を誇ります。
業界ごとの深い知見、最先端のテクノロジー、そしてグローバルのナレッジを融合させることで、SAPを起点とした企業の抜本的な業務変革を実現しています。
出典:アクセンチュア株式会社|SAPとのアライアンス
関連記事:アクセンチュアはどんな会社?事業内容や強み・社風を詳しく解説
デロイト トーマツ コンサルティング
デロイト トーマツ コンサルティングは、SAPのグローバルパートナーとして30年間にわたりコンサルティングサービスを提供しています。約3万名のSAPコンサルタントを擁し、世界20ヵ国で170件以上の導入実績を持つほか、戦略策定から導入・保守・運用までを「End-to-End」で支援できる点が大きな強みです。
2024年には、顧客の成功への貢献と高品質なソリューション提供が評価され、「2024 SAP® Pinnacle Award」において「Sales Success」「Delivery Quality」「RISE with SAP」の3部門を同時受賞しました。グローバルな知見を活かした高品質なデリバリー能力が高く評価されています。
出典:デロイト トーマツ グループ |日系グローバル企業のSAP S/4HANA導入事例
出典:デロイト トーマツ グループ|Deloitte + SAP
関連記事:デロイト トーマツ コンサルティングの年収・給与事情と競合との比較
PwCコンサルティング
PwCコンサルティングは、SAPが日本での事業を開始した当初から30年以上にわたる協業関係を築いています。PwCのグローバルネットワーク全体で1万2,000名以上のSAPコンサルタントを有し、世界中のクライアントを支援しています。
その実績は高く評価されており、SAPビジネスへの貢献度や顧客満足度において最も優れたパートナー企業および個人に授与される「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2025」では、「SAP Business Technology Platformアワード」を受賞しました。長年の信頼関係と高度な技術力を活かし、企業の持続的な成長を支えています。
出典: PwC Japanグループ|PwCコンサルティング、「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2025」においてSAP® Business Technology Platformアワードを受賞
出典:PwC Japanグループ|日本企業を成長へ導くDXとサステナビリティ経営 ――SAPジャパン代表取締役 鈴木洋史 氏×PwCコンサルティング代表執行役CEO 大竹伸明 対談
関連記事:PwCコンサルティングの年代別・役職別の平均年収や転職情報を紹介
アビームコンサルティング
日本発の総合コンサルティングファームであるアビームコンサルティングは、30年近くにわたるSAPとの強固なパートナーシップを持っています。特筆すべきは、SAP認定コンサルタント資格取得数が5,399件と国内最多(世界では6,400件超)を誇る点です。
また、SAPの戦略的パートナーシッププログラムである「Regional Strategic Service Partner(RSSP)」にグローバルで初めて参画しました。アジア太平洋地域に特化した専門知見とSAPとの連携を一層強化しており、日本企業のアジア展開や、アジア地域におけるデジタルトランスフォーメーション支援において独自の存在感を示しています。
出典:アビームコンサルティング株式会社|コンサルタント(SAPテクノロジー)30年近くにわたるSAPとの強固なパートナーシップ
出典:アビームコンサルティング株式会社|SAPコンサルティング
関連記事:アビームコンサルティングはどんな会社?強みや年収レンジ・リアルな評判を徹底解説
未経験でもSAPコンサルタントは目指せる?
SAPコンサルタントは高い専門性が求められるため、転職のハードルは低くありません。
しかし、コンサルティング未経験であっても、以下のような経験がある場合は、SAPコンサルタントとしてのポテンシャルが評価され、採用される可能性は十分にあります。
- ERPパッケージの導入・運用経験がある方
- 事業会社でSAPに親和性の高い基幹業務(調達・営業・物流・生産管理・経理・経営企画など)の経験がある方
- SIerでのSE・プログラマ経験がある方
特に、大手コンサルティングファームでは、企業のDX需要の急増や、人材獲得競争の激化などを背景に、20代~30代前半の若手ポテンシャル人材の採用・育成に力を入れています。
充実した研修プログラムを用意しているファームも多く、論理的思考力やコミュニケーション能力といったコンサルタントに必要な基礎スキルさえ身についていれば、SAPに関する専門知識は入社後にキャッチアップすることも十分に可能です。
未経験からSAPコンサルタントに転職するには?
キャリアチェンジしてSAPコンサルタントを目指すなら、転職活動へ向けて以下の準備をするとよいでしょう。キャリアアップ転職を実現するために、ぜひ以下のポイントを参考にしてみてください。
SAPに関する知識・経験を身につけておく
SAP社が提供するトレーニングを受ける
SAPシステムに関するスキルを高めたい場合は、SAP社が提供するトレーニングの受講が有効です。SAP社では学習リソースを提供しており、「SAP Learning Hub」でのライブセッションや実践演習などを実施しています。これらに加えて、市販の書籍でSAPシステムに関する知識・ノウハウを学ぶのも一つの方法です。
実務経験を積む
SAPシステム未経験の場合は、まずSAPシステムの導入プロジェクトへ積極的に参画して実務経験を積む必要があります。まずはSAPプロジェクトに参加し、実務を通じてSAPコンサルの働き方を学んでいきましょう。SAPコンサルタントを目指すなら、キャリアパスを意識して実務経験を積める機会を探してみてください。
SAP認定コンサルタント資格を取得する
SAPコンサルタントとしての信頼性を高めるためにも、「SAP認定コンサルタント資格」の取得が推奨されます。こちらはSAP社が公式に認定する資格制度です。SAPシステムの知識と技術の習得を証明できるため、目的に合わせて分野やレベルを選択し、取得を目指すとよいでしょう。SAP認定コンサルタント資格は、以下の分野およびレベルに大きく分かれています。
【SAP認定資格の分野】
・アプリケーションコンサルタント:SAP導入の提案や支援を担うコンサル向けの認定資格
・デベロップメントコンサルタント:SAPのアプリケーションを開発するプログラマー・システムエンジニア向けの認定資格
・テクノロジーコンサルタント:SAPのシステム管理に携わるインフラエンジニア向けの認定資格
【SAP認定資格のレベル】
・アソシエイト:SAPの基礎的な知識やスキルを証明する中級者レベルの認定資格
・スペシャリスト:SAPの基礎に加えて各モジュールの知識やスキルを証明する中級者レベルの認定資格
・プロフェッショナル:SAPの実務やプロジェクト経験など高度な知識やスキルを証明する上級者レベルの認定資格
転職の軸を明確にする
SAPコンサルタントへの転職を成功させるためには、志望動機の解像度を高めることが重要です。まずは「なぜSAPコンサルタントなのか」を言語化しましょう。「現職ではシステム開発者として部分的な改善しかできなかったが、コンサルタントとして経営基盤の刷新をリードしたい」といった、現職の課題感と結びついた転職理由は、説得力を生みます。
次に、徹底した企業研究を通じて「なぜそのコンサルティングファームなのか」を深掘りします。コンサルティングファームによって強みやカルチャーは様々です。過去の経歴が、その会社のどの強みと合致するのか、他社ではなぜダメなのかを具体的に語れるように準備しましょう。
さらに「5年後には大規模プロジェクトのマネージャーになりたい」「英語力を活かしてグローバル案件を統括したい」といった将来のビジョンを明確にしておくと、採用担当者に成長意欲や本気度が伝わり、他の候補者との差別化につながります。
ハイクラス転職に強い転職エージェントを活用する
SAPコンサルタントのような専門性の高いポジションへの転職は、ファームごとの特徴や採用動向を踏まえた、専門的なサポートが不可欠です。
SAPコンサルタントへの転職を希望する方は、コンサルティング業界への転職に豊富な実績を持ち、自分だけでは気付けない強み・ポテンシャルの明確化を支援できるタイグロンパートナーズへご相談ください。業界知見・人脈・経験が豊富なコンサルタントが、中長期的なキャリア相談から面接対策・入社後フォローまで伴走します。