株式会社ドリームインキュベータ(以下、ドリームインキュベータ)は、従来の戦略コンサルティングを超えた「ビジネスプロデュース」という独自の視点で事業支援を行う、日本発のコンサルティング会社です。最新の平均年収は1,200万円超と日系コンサルティングファームの中でも高水準であり、実力次第で3,000万円以上を狙える環境が整っています。
本記事では同社の職種・役職別年収や高年収の理由、労働環境などを詳しく解説します。キャリアパスを見据えて転職を検討したい方に役立つ情報を盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。
ドリームインキュベータ(DI)の会社概要
ドリームインキュベータは2000年に設立された日本発の戦略コンサルティングファームです。国内企業に対する経営戦略支援とベンチャー投資の両軸で事業を展開しています。
商号 |
株式会社ドリームインキュベータ |
設立 |
2000年6月1日 |
本社所在地 |
〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-2-6
東京倶楽部ビルディング4F・6F |
代表者 |
代表取締役社長 三宅 孝之 |
連結純資産 |
131億円 ※2025年3月末時点 |
従業員数 |
214名(連結職員数) ※2025年3月末時点 |
出典:株式会社ドリームインキュベータ|会社概要
コーポレートミッションに「社会を変える 事業を創る。」を掲げ、企業や社会に新たな価値を生み出す「ビジネスプロデュース」を実践しています。
ドリームインキュベータの最新の平均年収は1,216万円
ドリームインキュベータは少数精鋭で高収益な事業モデルを背景に、コンサルティング業界でもトップクラスの高年収で知られているコンサルティングファームです。
直近3年間(各年度末)の有価証券報告書に記載のある平均年収は、以下の通りです。なお、2022年度には事業投資先の売却による特別賞与が出たことにより、平均年収が1,776万円と大きく増加しています。
年度 |
平均年収 |
2024年度 |
1,216万円 |
2023年度 |
1,274万円 |
2022年度 |
1,776万円 |
出典:株式会社ドリームインキュベータ|IRライブラリ
同社は「人材が最大の成長エンジン」と位置づけ、投資収益を役職員にも分配する制度を導入しています。このような従業員重視の経営方針が、高年収の実現につながっています。
ドリームインキュベータと競合他社との年収比較
ドリームインキュベータと同規模の、国内コンサルティングファームの平均年収を比較しました。従業員数1,000名以下の各社年収データは以下の通りです。
ファーム名 |
最新の平均年収 |
従業員数 |
ドリームインキュベータ |
1,216.6万円 |
214名 |
フロンティア・マネジメント |
1,209.8万円 |
388名 |
シグマクシス・ホールディングス |
1,207.7万円 |
77名 |
タナベコンサルティンググループ |
759.7万円 |
430名 |
※2025年7月時点で公開されている各社の最新IR資料をもとに作成
ドリームインキュベータは、他社と比較しても高い給与水準を誇ります。
ドリームインキュベータの職種別・役職別の年収
ドリームインキュベータの各役職や年次に応じた年収の目安は以下の通りです。
役職 |
年次 |
年収(目安) |
ビジネスプロデューサー |
1~7年目 |
600万円~1,200万円 |
アソシエイトマネジャー |
8~10年目 |
1,200万円~1,400万円 |
マネジャー |
11年目~ |
1,500万円~2,000万円 |
シニアマネジャー |
実力次第 |
2,000万円~2,500万円 |
オフィサー |
実力次第 |
3,000万円以上 |
ドリームインキュベータでは、実力主義の年俸制を採用しており、四半期ごとの評価によって昇給・昇格が決定します。そのため、同じ役職でも年収幅が広く、実績次第で若手でも2,000万円以上の高収入を狙えるのが特徴です。
ドリームインキュベータの新卒の平均年収(2025年7月時点)
ドリームインキュベータの新卒初任給は、他の大手コンサルティングファームと比較しても遜色ない水準です。
ファーム名 |
新卒初任給 |
福利厚生 |
勤務地 |
学卒 |
院卒 |
ドリームインキュベータ |
600万円 |
620万円 |
- 借上社宅制度
- 慶弔見舞金制度
- 就業不能所得補償制度
- 従業員持株会
- 健康管理(人間ドック補助)
- 入社準備金前借制度
- 健康保険組合
- 他各種社会保険
|
原則東京 |
デロイト トーマツ コンサルティング |
580万円 |
修士:600万円
博士:620万円 |
- 各種社会保険完備
- 企業年金基金
- 退職金制度
- 総合福祉団体定期保険
- 財形貯蓄制度
- 定期健康診断
- 保養施設利用補助
- カフェテリアプラン
- ワーキングプログラム
- 資格補助制度など
|
東京、大阪、福岡(プロジェクトによる) |
PwCコンサルティング |
665万円 |
修士・博士:685万円 |
- 各種社会保険加入
- 退職金制度
- 慶弔見舞金
- 団体生命保険
- 長期所得補償保険
- 資格取得支援制度
- 契約施設・ホテル・スポーツクラブなど割引利用
- 各種クラブ活動(PwC Funs)
- ベビーシッター補助
- 保活支援サービス
- カウンセリング制度など
|
東京(プロジェクトによる) |
KPMGコンサルティング |
570万円 |
修士・博士:590万円 |
- 各種社会保険完備
- 退職金制度
- 公認会計士企業年金基金
- 健康保険組合カフェテリアプラン
- ワークライフバランス支援制度
- マッサージルーム
|
東京・大阪(プロジェクトによる) |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング |
450万円〜 |
450万円〜 |
- ベビーシッター利用など補助制度
- 健康保険制度
- 総合福祉団体定期保険
- 企業型確定拠出年金(401K)
- 東京海上日動メディカルアシスト
- メンタルサポートサービス
- カフェテリアプラン
- 全国契約宿泊施設の割引利用
|
東京(プロジェクトによる) |
※各社採用ページや、転職口コミサイトをもとに作成
ドリームインキュベータの年収に関する口コミ
ドリームインキュベータの社員や元社員の口コミでは「四半期ごとに昇進のチャンスがあり、年次に関係なくステップアップできる環境が整っている」という声が多く見受けられます。また「結果を出せば短期間で年収が上がる」という口コミもあり、昇給のスピード感に満足している声が目立ちます。
一方で、評価の客観性、透明性が少ないという声も見受けられました。
ドリームインキュベータへの転職を検討する際は、同社の実力主義的な評価制度を十分に理解しておくことが重要です。
ドリームインキュベータが高年収な理由
ドリームインキュベータが高年収を実現している背景には、同社独自のビジネスモデルと組織体制が深く関係しています。
高い収益性と複合事業による収益源の多様化
ドリームインキュベータは、国内の大手企業を中心に経営コンサルティングとインキュベーション(新規事業創出)を融合させた、独自の事業モデルを展開しています。
少数精鋭のプロフェッショナルが、クライアント企業に対して高付加価値のサービスを提供することで、高い収益性を確保しているのが特徴です。
また、純粋な戦略コンサルティングによる収益に加え、投資案件からのキャピタルゲインも、高年収を実現している要素のひとつ。多額の投資収益が出た場合、それが業績賞与として社員に還元されるため、年収が大きく増加することもあります。
実力主義・成果主義にもとづいた昇給制度
ドリームインキュベータは、個人の成果や組織への貢献を重視した評価制度を採用するコンサルティングファームです。
実績次第では、20代後半で年収2,000万円を超える可能性もあります。個人の貢献度や成果がダイレクトに年収へ反映されるため、高いモチベーションを維持しながら働くことが可能です。
また、マネジャーへの昇格も、大きく年収が上がる要因です。マネジャーの年収目安は1,200万円〜1,400万円と、より重い責任を伴うポジションに見合った報酬が設定されています。
ドリームインキュベータの年収を決める要素
ドリームインキュベータの年収は、個人の成果や会社の業績によって変動します。ここでは、年収を決定する主要な要素について解説します。
各プロジェクトでの成果
ドリームインキュベータは成果重視の報酬体系を採用しており、プロジェクトごとの評価が収入に直結します。単にプロジェクトに参加するだけでなく「クライアント企業に付加価値の高いサービスを提供できたか」が昇給や賞与に影響します。個人の成果に応じて年収が決まる点は、成果主義で働きたい方にとって重要な要素です。
特別賞与
ドリームインキュベータでは定期的な賞与はありません。しかし、投資案件が成功し、キャピタルゲインが生じた場合や、業績が好調な場合には、特別賞与が支給されることがあります。
ドリームインキュベータのワークライフバランス
ドリームインキュベータの労働環境は、プロジェクトの性質や個人の裁量によって、柔軟に調整できる側面があります。転職口コミサイトでは、「働く場所や時間の自由度が高く、休暇の取得も比較的しやすい」という声が多くみられました。
実際に他の大手ファームと比較しても、ドリームインキュベータの平均残業時間は、業界の平均的な水準にあります。
ファーム名 |
月間残業時間 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー |
79.4時間 |
A.T.カーニー |
74.4時間 |
ベイン・アンド・カンパニー |
72.4時間 |
ボストン・コンサルティング・グループ |
66.9時間 |
ドリームインキュベータ |
58.2時間 |
デロイト トーマツ コンサルティング |
53.5時間 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング |
45.6時間 |
PwCコンサルティング |
42.5時間 |
KPMGコンサルティング |
41.7時間 |
アクセンチュア |
30.4時間 |
※口コミサイトをもとに作成
ただし、繁忙期や個人の役割に応じて、通常の勤務時間を超えた対応が必要になる場合があることは留意しておきましょう。
ドリームインキュベータの福利厚生
ドリームインキュベータは以下のように福利厚生が充実しています。
- 借上社宅制度
- 慶弔見舞金制度
- 入社準備金前借制度
- 選択制退職金制度
- 従業員持株会
- 自社株交付制度(ESOP)
- 語学研修支援制度
- 就業不能所得補償制度(GLTD)
- 他各種社会保険完備
- 生活習慣病予防検診補助(35歳未満)
- 人間ドック補助(満35歳以上)
- PET検査補助(満40歳以上)
- 医療費補助(インフルエンザ予防接種、会社常備薬)
- 産業医によるカウンセリング制度
- 健康保険組合
- EAP(外部専門家によるカウンセリングなど)
同社の福利厚生は、社員のキャリアアップ支援や生活サポート(社宅・金銭補助)、ヘルスケアまで幅広くカバーしている点が特徴です。このことから、同社が従業員の働きやすさと成長の両立を重視している点がうかがえます。
ドリームインキュベータの中途採用の募集要項(2025年7月時点)
2025年7月時点で、ドリームインキュベータでは以下の職種で中途採用を実施中です。
募集職種 |
ビジネスプロデューサー |
ビジネスプロデューサー(Technology & Amplifyプラクティス採用) |
仕事内容 |
ビジネスプロデュース、戦略コンサルティング(ストラテジー&インストレーションプラクティス)、グローバル戦略共創を通じた、新たな事業や産業の創造、成長支援 |
DIの新たなサービス領域における立ち上げメンバーとして、DX/IT 領域の戦略・企画構想~実行・実装支援 |
募集資格 |
四年制大学や大学院を卒業後、企業や官公庁などでの実務経験がある方(経営企画業務経験、戦略コンサルティング経験者などは歓迎) |
以下いずれかの実務経験がある方
- コンサルティングファーム出身(テクノロジー系コンサルティングプロジェクト経験者)
- SIer、ソリューション・テクノロジー系ベンダー出身(コンサルティングサービス部門や企画部門の経験者)
- 大手事業会社出身(経営企画部門、新規ビジネス開発部門、DX 企画・推進部門経験者)
|
給与 |
ドリームインキュベータの規定による |
福利厚生 |
- 借上社宅制度
- 慶弔見舞金制度
- 就業不能所得補償制度
- 従業員持株会
- 健康管理(人間ドック補助)
- 入社準備金前借制度
- 健康保険組合
- 各種社会保険
|
教育制度 |
語学研修、メンター制度、実務研修 |
勤務地 |
原則、本社オフィス(東京) |
出典:株式会社ドリームインキュベータ|採用情報
ドリームインキュベータが求める人材像
ドリームインキュベータは、単に与えられた業務をこなすのではなく、「世の中に大きなインパクトを与える」というミッションに従い、自らの枠を超えて挑戦する人材を求めています。
新たな事業や産業の創造、成長支援といった多岐にわたる役割を担う同社で活躍するためには、コンサルティングファームという領域を超えて戦略を構想し、策定する力が必要です。
加えて、多様なバックグラウンドを持つ仲間を巻き込み、組織の壁を越えて目標達成へと導く能力も必要とされます。
社会に対して自分がどのような価値を生み出すかを考え、その実行まで責任を持って推進する、いわば「起業家的精神」を持っている人がドリームインキュベータにフィットするでしょう。
ドリームインキュベータの転職難易度
ドリームインキュベータは少数精鋭体制のため、コンサルティング業界の中でもトップクラスの転職難易度とされています。具体的な募集人数は非公開なものの、年間で数名しか採用しないという情報がありました。
ただし、近年では採用を強化する動きがあり、2024年の有価証券報告書では、2023年3月末時点で87名だったビジネスプロデューサーを、2025年3月末までに196名に拡大するとしていました。
2025年3月末現在、ビジネスプロデュースに携わる従業員は174名なので、引き続き以前よりも採用を強化していくと考えられます。
ただし、他の大手コンサルティングファームに比べると、採用人数が少なく、狭き門なのは事実です。
ドリームインキュベータ入社後のキャリアパス
ドリームインキュベータで培った専門性と実践力は、多種多様なフィールドで活かすことが可能です。ここでは、ドリームインキュベータで描ける具体的なキャリアパスを紹介します。
社内でのキャリアパス
ドリームインキュベータでは、個人の成長と貢献に応じて、明確なステップアップが用意されています。
ビジネスプロデューサー(BP)
キャリアの初期段階では、ビジネスプロデューサー(BP)としてプロジェクトの最前線で活躍します。マネジャーの指導を受けながら、クライアント企業の課題を高い視座でとらえ、主体的に事業をプロデュースしていく役割です。実務を通じてコンサルティングの基礎を固め、戦略策定から実行支援までの幅広いスキルを磨きます。
マネジャー・シニアマネジャー
経験を積むと、マネジャーやシニアマネジャーとして、プロジェクトチームのリーダーを任されます。プロジェクト全体の設計から進行管理、チームメンバーのコーチング、育成までを幅広く担う役職です。
執行役員
個別のプロジェクトの総責任者として、クライアント企業の成長に深くコミットします。また、ドリームインキュベータの経営チームの一員として、会社全体の事業戦略策定や重要な意思決定、その実践にも携わります。組織の中核を担い、会社全体の方向性を決定づける重要なポジションと言えるでしょう。
社外でのキャリアパス
ドリームインキュベータで培われるスキルと経験は、幅広い分野でのキャリアにつながります。
事業会社への転職
ドリームインキュベータで培った経営戦略立案や事業推進のスキルは、事業会社の成長を牽引する上で大きな武器となります。「自らの手で事業を大きくしたい」という強い思いを持つ方にとって、魅力的な選択肢になるでしょう。
スタートアップ企業への転職
ベンチャー企業支援で培った経験は、急速に成長するスタートアップ企業でも活用できます。スタートアップ企業は社員と経営者との距離感が近いため、経営層に近い立場で業務に携われる点が特徴です。挑戦することを求められる事業創造の現場において、ドリームインキュベータで培ったスキルは大きな強みとなるでしょう。
ファンド業界への転職
ドリームインキュベータでの投資案件への関与を通じて得たPEファンド(プライベートエクイティファンド)の知識は、ファンド業界でのキャリアに役立ちます。
ただし、高度な金融知識と専門性が必要で大きなキャリアチェンジとなるため、転職難易度は決して低くありません。ファンド業界に転職するには、ドリームインキュベータでの経験を活かしつつ、業界研究を十分に行うことが求められます。
起業
ドリームインキュベータが「社会を変える意志」や「起業家的精神」を有する人材を求めていることからも、起業は身近なキャリアパスと言えるでしょう。同社で身につけた中期経営計画の立案や新規事業開発といった実践的なスキルは、自身のアイデアを形にし、事業として成功させる上で強力な武器となります。
ドリームインキュベータへの転職はタイグロンパートナーズへお任せ
狭き門であるドリームインキュベータへの転職を成功させるためには、徹底した準備と業界に精通したプロフェッショナルによるサポートが欠かせません。
ハイクラス・プロフェッショナル求人に特化した転職エージェント「タイグロンパートナーズ」では、業界に精通したコンサルタントが、あなたの経験・スキル・志向を深く理解した上で、各ポジションの詳細や、選考で求められる要素を的確にアドバイスします。
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