メーカーで培った業界知見やマネジメント経験はコンサルティングファームで高く評価され、未経験からコンサルタントへの転身を実現するケースは増えつつあります。一方で、業務のスピード感や成果主義の評価制度など、メーカーとの環境の違いに戸惑い、転職後に後悔する人も一定数存在します。
本記事では、メーカーからコンサルへの転職で活かせる経験や転職で後悔しやすいケース、メーカー出身者を積極的に採用しているファームなどを詳しく解説します。
コンサル未経験から60%以上が大手ファームに内定
未経験コンサル転職の成否は能力の差ではなく
『準備』と『情報』の差にあります。
業界特有の選考基準を知らないまま
転職活動をしてもうまくいきません。
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未経験でもメーカーからコンサルへの転職は可能?
コンサル未経験でも、メーカーで培った業界知見や業務改善の実績があれば、コンサルティングファームへの転職は可能です。その理由を、業界の採用動向と実際の成功事例をもとに解説します。
未経験者の採用を拡大しているファームは増加傾向
DX推進や業務改革へのニーズが高まるなか、コンサルティングファームでは事業会社出身者を採用する動きが広がっています。なかでも総合系・IT系コンサルティングファームでは、コンサル経験そのものよりも、特定業界における専門知見やネットワーク、課題解決に向けた業務経験を評価するケースは少なくありません。
この点で、メーカー出身者は製造現場やバリューチェーンの実態を理解していることが強みになります。製造現場、サプライチェーン、生産管理、品質管理、調達などの経験は、製造業向けの業務改革、DX推進、SCM改革、ERP導入支援などのプロジェクトで活かしやすいでしょう。
20代〜50代まで幅広い年代にチャンスがある
メーカーからコンサルへの転職は、若手だけに限られるものではありません。20代〜30代前半では、論理的思考力や成長意欲、メーカーでの業務理解などをもとに、ポテンシャルを評価されるケースがあります。
30代後半以降では、製造業で培った専門性やマネジメント経験、部門横断のプロジェクト経験などが評価対象になります。特定領域での経験や強みをアピールできれば、年齢を重ねていることが必ずしも不利になるわけではありません。
以下は、タイグロンパートナーズを通じてメーカーからコンサルティングファームへの転職を実現した方の事例です。
| 年代・性別 |
前職 |
転職先 |
年収 |
| 30代男性 |
日系大手メーカー / 経営企画 |
外資系戦略ファーム / 戦略コンサルタント |
800万円→1,200万円 |
| 30代女性 |
完成車メーカー / 設計エンジニア(MBSE導入) |
MBSEコンサルティングファーム / コンサルタント |
550万円→900万円 |
| 40代男性 |
スマートファクトリーDX開発部長 |
製造業特化型コンサルティングファーム / DXコンサルタント |
840万円→1,000万円 |
| 40代男性 |
大手タイヤメーカー / 事業企画 |
日系総合コンサルティングファーム / シニアエキスパート |
1,150万円→1,400万円 |
| 50代男性 |
総合重工業メーカー / 企画業務グループ長 |
日系大手総合コンサルティングファーム / シニアエキスパート |
1,400万円→2,400万円 |
| 50代男性 |
日系大手自動車部品メーカー / マーケティング |
日系大手総合コンサルティングファーム / エキスパート |
1,800万円→2,200万円 |
出典:タイグロンパートナーズ|コンサルティングファームの転職成功事例
このように年代を問わず、メーカーで培った専門性や実務経験を明確に示せれば、コンサルティングファームへの転職を実現できる可能性があります。
メーカーからコンサルへの転職で活かせる経験
メーカーでの経験はコンサルティングファームが求めるスキルセットとの親和性が高く、選考でも評価されやすい傾向にあります。
特定業界(自動車・化学・食品など)の知見
コンサルティングプロジェクトでは、クライアントの業界構造や商習慣を踏まえたうえで、課題整理や提案を行う必要があります。そのため、自動車、化学、食品、電機、素材など、特定業界における専門知見や実務経験は大きな強みになるでしょう。
特に、製造現場の実態やサプライチェーン、取引慣行、収益構造などは、外部から短期間で把握することが難しい領域です。インダストリー別の組織を有するコンサルティングファームでは、こうした知見が製造業向けの業務改革やDX推進、SCM改革などのプロジェクトで評価されやすい傾向にあります。
特定職種の知見
生産管理、品質管理、SCM、調達、研究開発、マーケティングなど、メーカー特有の職種で培った専門知識も、コンサルティング業務で活かしやすい経験です。実務を通じて業務フローや現場課題を理解している人材は、クライアントの課題をとらえやすいと言えます。
例えば、生産管理の経験があれば、生産計画や在庫管理、納期調整に関する課題を把握しやすくなります。品質管理の経験は、品質改善や不良率低減に向けた業務改革で活かしやすいでしょう。
マネジメント経験
マネジメント経験は、コンサルティングファームでのプロジェクト推進やクライアント対応にも活かせます。たとえば、部門横断プロジェクトの推進、工場全体の業務改革、海外拠点との連携などの経験は、複数の関係者を巻き込みながら成果を出してきた実績として評価されます。
マネジャー以上のポジションを目指す場合は、メンバー育成、関係者調整、意思決定支援などの経験も高く評価される傾向があります。
メーカーからコンサルに転職するメリット
メーカーからコンサルへのキャリアチェンジがもたらすメリットを解説します。
経営の上流・全社変革に携われる
自社の枠を超えて複数企業の経営課題に向き合える点は、メーカーからコンサルへ転職するメリットの一つです。
メーカーでは自社の一部門・一機能の中で業務を進めるのが一般的ですが、コンサルタントはクライアント企業の経営層と直接対話しながら、全社戦略や大規模な変革プロジェクトに関わります。より広い視点でビジネスに関わりたい人にとって、コンサルティングファームは魅力的な環境と言えるでしょう。
プロフェッショナルな環境で成長できる
コンサルティングファームでは、短期間で多様な業界やテーマのプロジェクトに携わる機会があります。そのため、論理的思考力、仮説構築力、資料作成力、プレゼンテーション力など、業界を問わず活かせるスキルを磨きやすい環境です。
また、研修制度やメンター制度を整えているファームもあり、未経験からでもコンサルタントとして必要な思考法や仕事の進め方を学ぶ機会があります。メーカーで培った業界知見を土台にしながら、より汎用性の高いスキルを身につけられる点は、キャリア形成における大きなメリットと言えます。
年収アップを狙える
コンサルティング業界は、メーカーと比べて給与水準が一般的に高く、転職によって年収アップを実現できるケースが大半です。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、製造業の平均年収は約568万円です。一方、コンサルタントの平均年収は600万円〜900万円程度とされています。
出典:国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査
ファームや役職によっても年収は大きく異なります。例えばタイグロンパートナーズにおけるコンサル決定年収は1,300万円(※)であり、経験やポジションによっては、さらに高い年収を狙える可能性もあります。
※2025年1-12月実績。成約実績の平均概算金額
メーカーからコンサルへの転職で後悔するケース
メーカーからコンサルへの転職にはメリットが多い一方で、両者の環境の違いを理解しないまま入社すると、ギャップに苦しみ後悔するケースもあります。
業務のスピード感と評価方法の違いに戸惑う
メーカーでは、製品開発や業務改善を年単位で進めるケースも少なくありません。一方、コンサルティングファームでは、数週間から数カ月単位でプロジェクトが進むことも多く、限られた期間で一定水準のアウトプットを求められます。
また、評価方法もメーカーとは異なる場合があります。年次や在籍期間だけでなく、プロジェクトでの貢献度や成果が評価に反映されやすいため、じっくり時間をかけて成果を積み上げる働き方に慣れている人は、入社後に戸惑うかもしれません。
想像より地道な実務にギャップを感じる
コンサルタントという仕事に対して、経営層への提案や戦略立案といった華やかなイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、実際の業務では、情報収集、データ分析、議事録作成、資料修正など、地道な作業も多く発生します。コンサルタントとして活躍するためには、泥臭い作業も含めてクライアントの課題解決にコミットする覚悟が必要です。
ものづくりの実感が薄れ、やりがいを見失う
メーカーでは、自分が関わった製品が市場に出たり、現場の改善が数字や品質に反映されたりすることで、成果を実感しやすい場面があります。一方、コンサルティング業務では、戦略提言や業務改革に関するレポート、ソリューション提案書などを通じて、クライアントの意思決定や変革を支援することが中心です。
そのため、提案の効果が表れるまでに時間がかかることもあり、自分の貢献を実感しにくい場合があります。ものづくりそのものにやりがいを感じてきた人は、手触り感の違いに戸惑うことがあるでしょう。
専門性だけでは評価されないと痛感する
メーカーで培った専門性そのものが成果に直結するとは限りません。コンサルタントとして成果を創出するためには、業界知見に加えて、論理的思考力やドキュメンテーションスキル、コミュニケーション力などが求められます。
そのため、前職での専門性を前提に即戦力として活躍できると考えていると、入社後に求められる役割との違いに戸惑う可能性があります。
メーカー出身者を積極的に採用しているコンサルティングファーム
メーカー出身者を積極的に採用しているファームを、総合系・戦略系・製造業特化型の3つに分けて紹介します。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは、業界別・機能別の組織を有するケースが多く、メーカーでの業界知見を活かしやすい環境と言えます。
以下に、メーカー出身者向けの代表的な募集ポジションと応募要件をまとめました。
| ファーム名 |
募集職種 |
主な応募要件 |
| アクセンチュア |
製造プロセスDXコンサルタント / アーキテクト(インダストリーX本部) |
・製造業における5年以上の幅広い業務経験
・製造業向けの部門横断プロジェクトマネジメント経験 |
| デロイト トーマツ |
コンサルタント(自動車・製造業領域) |
・事業会社でのDX推進、システム開発業務の経験者
・SIerなどでシステム構築・導入プロジェクトにおける上流工程の経験者 |
| PwCコンサルティング |
製造業コンサルタント |
・社内改革プロジェクト経験
・海外拠点における業務経験 |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング |
自動車・運輸業界向け ビジネスコンサルタント |
・5年以上の業界経験、業務経験
・新規事業の構想立案・推進経験 |
| KPMGコンサルティング |
コンサルタント(製造セクター) |
・製造関連企業での実務経験
・業務改革、システム導入のプロジェクト経験 |
| アビームコンサルティング |
戦略コンサルタント |
・製造業における経営企画・事業企画・業務改革などの経験(3年以上)
・AI/IoT/データ関連業務経験 |
| ベイカレント |
コンサルタント(製造業) |
・社会人経験3年以上
・製造業界における業務経験 |
※2026年6月23日時点の募集職種
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームでは、事業戦略や新規事業、M&Aなど、経営に近いテーマを扱うケースが多くあります。そのため、メーカーで経営企画や事業企画に携わってきた人は、経験を活かしやすいと言えます。
以下に、メーカー出身者向けの代表的な募集ポジションと応募要件をまとめました。
| ファーム名 |
募集職種 |
主な応募要件 |
| マッキンゼー・アンド・カンパニー |
アソシエイト(オペレーション) |
・製造、調達、サプライチェーン管理、製品開発などに関する実務経験 |
| ボストン コンサルティング グループ |
コンサルタント |
・社会人経験7年以上
・企業における実務経験 |
| ベイン・アンド・カンパニー |
コンサルタント |
・事業会社における実務経験
・ビジネスレベルの英語力 |
※2026年6月23日時点の募集職種
製造業特化コンサルティングファーム
製造業特化コンサルティングファームでは、製造業の現場改善や業務改革を主な支援領域としています。そのため、開発・設計・生産技術・品質管理などの経験を、より直接的に活かしやすい環境と言えます。
以下に、メーカー出身者向けの代表的な募集ポジションと応募要件をまとめました。
| ファーム名 |
募集職種 |
主な応募要件 |
| オーツー・パートナーズ |
製造業コンサルタント |
・製造業でのエンジニア経験(開発・設計・生産技術等、3年以上)
・PLM/BOM導入や工場デジタル化の推進経験 |
| レイヤーズ・コンサルティング |
PLMコンサルタント |
・PLM導入の実務経験
・ECM領域における業務改革推進の経験 |
| 日本能率協会コンサルティング |
R&D領域コンサルタント |
企業や公的機関における研究・開発職の経験(3年以上) |
※2026年6月23日時点の募集職種
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メーカーからコンサルへの転職を成功させるためには、自身の業界知見や経験を応募先ファームの選考基準に合わせて的確にアピールする必要があります。しかし、多様な選択肢の中から自身の志向・適性にマッチするファーム・ポジションを見つけ出し、選考対策を進めることは決して容易ではありません。
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