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監査法人の年収相場|年代別・役職別・規模別の目安、増やすポイント

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2024.06.28

 

収入と言われる監査法人ですが、特殊な業界であることから「監査法人とはどんな仕事?」「年収ってどれくらいもらえるの?」など、業務内容や給与が見込みについて漠然としている人もいるでしょう。

監査法人とは、公認会計士法に基づき、会計監査を目的として設立された法人で、公認会計士によって組織されました。上場企業などの企業の監査を組織的に行うため設立され、監査を通して企業が法令・規則に従った適切な会計処理や、決算を行なっていることを証明する役割を担っています。

設立には最低5名以上の公認会計士が必要です。監査法人には5名以上の公認会計士が必ず在籍していますが、中には1000名以上の監査実施者を抱える大手監査法人もあります。監査業務だけではなく、コンサルタント業務もあり、幅広い知識も求められるでしょう。

 

公認会計士になるためには公認会計士試験合格後、3年間の実務経験や、実務補習所での単位取得が求められるため、合格者のほとんどが監査法人に就職します。しかし、監査法人によって、規模や業務内容、年収などが異なるのです。この記事では監査法人の年収相場について年代別・役職別・規模別の目安をお伝えしていきます。また、キャリアアップや年収を増やすポイントも合わせて紹介します。

 

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<目次>
1.監査法人の年収相場
2.監査法人が高年収の理由
3.監査法人で年収を上げるために求められる主なスキル
4.監査法人は未経験者も転職できる?
5.監査法人の年収は高収入だが、それに伴うだけの知識やスキルが必要

 

1.監査法人の年収相場

監査法人の年収はどうやって決まっていくのでしょうか。日本には大きく分けて3つの監査法人があり、それぞれを大手監査法人(有限責任監査法人)、準大手監査法人、中小監査法人に分けられます。ここでは、大手監査法人の年収相場を例として、年代別、役職別、企業規模別に確認していきましょう。

 

勤続年数別の年収相場

実は年齢は関係ありません。公認会計士試験に合格し、監査法人へ就職した時からの勤続年数で変動していきます。

例えば数年間社会人として働きながら試験合格を果たした人も、学生時代に現役合格した人も、合格した年齢が違っても働き始めた年が一緒なら、同じ年収だということです。


上記の表を見ても、勤続年数に比例して年収が増加していることがわかります。

 

年代別の年収相場

 

上記の表はあくまでも目安で、勤続年数や役職によっても大きく異なる場合があります。

監査法人の年収はどんなキャリアを積んでいるかなど、その人の能力次第でも給料アップにつながるのです。年齢だけでは一概には年収と一致しないでしょう。

 

役職別の年収相場

 

監査法人には主に4つの役職があります。

 

①スタッフ

最初のポジションで、入社2〜4年目に多い役職です。シニアスタッフやマネージャーの指導の下、監査の実務に従事します。スタッフや監査トレーニーの年収相場は350万円~650万円程度で、所属する監査法人の規模によって大きく異なる場合があり、相場にも幅が出てくるのです。
ちなみに監査トレーニーとは、監査法人で働きながら公認会計士や米国公認会計士(USCPA)の資格試験合格を目指す制度です。例えばBIG4と呼ばれる大手監査法人のEY新日本有限責任監査法人でも、監査トレーニー制度を導入しています。

 

②シニアスタッフ

スタッフとして多岐にわたる業務をこなし、4年程度の実務経験があると昇進できます。一般企業での係長のポジションで、現場責任者の立場です。
シニアスタッフの年収相場は500万円~850万円ほどで、スタッフ時代よりも100万円~200万円ほどのベースアップが期待できます。

 

③マネージャー

シニアスタッフからマネージャーへの昇進には相応のスキルが必要とされます。一般企業の課長や中間管理職のポジションで、監査・コンサルティング業務・組織のマネジメント業務など、幅広い知識が求められるでしょう。マネージャーの年収相場は800万円~1,300万円ほどで、管理職としての責任を負うため、高めの年収に設定されているようです。

 

④パートナー

一般企業の役員や執行役員と同じポジションです。監査法人の中でも最高ランクの役職で、共同経営者として法人運営やマネジメント業務にも直接携わることが可能になります。パートナーの年収相場は監査法人によって異なりますが、1,300万円~2,000万円ほどです。より高度で広範囲の知識や、ハイレベルなスキルはもちろん、大きな責任を担うため、年収相場は高くなりやすい印象です。

 

<企業規模別の年収相場>

 

中小監査法人

中小監査法人に明確な基準はありませんが、大手監査法人以外を中小監査法人と呼ぶことが多いようです。

規模に関しては、公認会計士が数名(最低5名)しかいないところもあれば、数百名もいるところもあります。中小監査法人の多くは大手監査法人出身の公認会計士が設立していて、さまざまな特徴を有しているのが強みです。

中小監査法人の年収相場は500万円〜650万円と他に比べて低めです。これは担当するクライアントの規模によっても左右されます。

 

準大手監査法人

準大手監査法人とは大手監査法人に準ずる規模の監査法人を指し、中小監査法人の中でも特に規模が大きいので、あえて別に準大手監査法人と呼ばれています。

仰星監査法人、三優監査法人、太陽有限責任監査法人、東陽監査法人が主に呼ばれていて、従業員数は100~999人です。年収相場は550万円〜870万円で幅があります。

 

大手監査法人(BIG4)

大手監査法人とは、非常に規模が大きく従業員1000人を超える法人で、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人の4つを通称BIG4と呼びます。年収相場は600万円~1,050万円で、クライアントのほとんどは大手上場企業や株式会社です。そのため、1クライアント当たりの業務収入単価も高くなる傾向があります。また、豊富な人員がそろっていてるため、幅広い内容・数多くの案件に対応できることも理由のひとつです。


2.監査法人が高年収の理由

監査法人の年収は一般的に高いといわれていますが、それはどうしてでしょうか。ここでは理由を3つに分けて解説していきます。

 

①専門的な知識やスキルが必要になるため

公認会計士になるためには、まず公認会計士試験に合格しなければなりませんが、日本国内でも超難関の資格試験です。医師・弁護士と並ぶ三大国家資格とも呼ばれていて、合格率は10%前後で推移していますが、最近は一桁台でその難易度の高さがうかがえます。

また、監査法人の福利厚生制度は上場企業と同等程度の水準です。さらに資格保有者や、公認会計士として働くうえで有利な資格・スキルの取得には手厚い補償が準備されていることが多いでしょう。これには、公認会計士として働くためには高い専門性が必要であることを求められるからです。公認会計士として活躍していくためには、試験合格後も勉強を欠かすことはできません。

そのため公認会計士として活躍して行くためには幅広い分野での知識(財務会計・企業法・監査論・租税法)を備えていることを前提とし、更に高いコミュニケーション能力やIT知識、英語(語学)力、財務、経営論などのスキルや専門知識を求められることが多いです。

資格保有者であるだけでステータスになりますし、信頼や信用を得られやすいです。また、その専門性の高さが求められる仕事であると同時に責任も負うため、受け取る報酬が高額になります。

 

②法人としての体制が整っているため

法人としての制度が適切に整っていることも、高収入を得られる理由のひとつです。特にBIG4は法人として得た収入を、適切な形(年収)で従業員に還元する仕組みが確立されています。給与規定や評価基準が明確に定まっており、役職に応じて収入のアップが見込める環境が整ってるのです。例えば残業時間が多くなってしまった場合でも、適正な残業代が給与に加算されます。

また、社員のことを考え寄り添った組織体制も整えなければいけません。多くの従業員が働くからこそ、人員や業務を管理し、そのうえで快適に働ける環境を整えられることが必要です。法人の規模だけでなく、法人としてのミッションやビジョンも年収に大きくかかわってきます。

 

③引き受ける依頼の事業規模が大きい

事業規模が大きい監査法人(BIG4)は、特に高収入の傾向があります。豊富な人員と人材がそろており、幅広い内容や多数の案件に対応が可能なため、クライアントも総じて大手の上場企業や株式会社の場合がほとんどです。事業規模が大規模な場合は、クライアントからの依頼も大規模になりやすいため、総じて監査報酬も高額の傾向があります。


3.監査法人で年収を上げるために求められる主なスキル

監査法人で公認会計士として活躍して行くためには幅広い分野での知識(財務会計・企業法・監査論・租税法)を備えていることを前提とし、更に高いコミュニケーション能力やリーダーシップ、ITスキル、英語(語学)力、財務、経営論などのスキルや専門知識を求められることが多いです。

 

語学力

外資系企業だけでなく、昨今ではグローバル展開を図っている企業も多く、語学力を身につけると、より仕事の幅が広がりキャリアアップにつながります。特に、クライアントやその関係者が外国人の場合、英語でのコミュニケーションが必須となるでしょう。

企業の中にはグローバル展開に向けて、海外からの人材を迎えたり、社内供用語を英語にしている企業も増えてきたようです。

 

ITスキル

業務の幅を広げて活躍を目指すならITスキルの習得もおすすめです。企業の会計処理にITシステムを活用する機会が多くなってきた現代において、財務報告を作成するシステムを監査する「IT監査」の需要が増えてきています。会計や業務知識に加えて、プログラミングやPCスキルなどのITリテラシーの高さが求められていますが、IT監査の需要に対してITスキルを持つ人材はまだまだ少ないです。そのため募集も多く、転職の際も他の公認会計士との差別化を図りやすく強みになります。

 

リーダーシップ

監査法人でキャリアアップや年収アップを目指すなら、リーダーシップも必要です。監査法人はチームで一つのプロジェクトを遂行することが多いため、組織を円滑に運営する力があることは大きな評価対象となります。必要な時にリーダーシップを発揮するためには、日ごろから周囲の人と良好な信頼関係を築いていることが必須です。積極的なコミュニケーションを心がけ、相手を思いやる気持ちを大切にしましょう。
シニアスタッフやマネージャーなど身近なリーダーの良い言動から真似してみたり、リーダー向けの研修や講座に参加してみるのも効果的です。リーダーシップをアピールしてキャリアを積み重ねていけば、管理職に就き収入アップも夢ではありません。また、管理職になった場合は部署全体のスケジュール管理や、法人としての活動、スタッフのサポートなどのマネジメントスキルが必要です。

 

マネジメント力

マネージャーやパートナーの役職では、組織のマネジメント力も評価に大きな影響を与えます。組織の目標や目的に対して必要なプロセスや問題点の分析をし、それを集団やチームの活動に活かすことで企業の発展や、働きやすい職場づくりへの貢献につながるでしょう。さまざまな能力や考えを持った人たちを適材適所にうまく使い、効率的に成果を上げられると良いでしょう。責任者の立場から積極的に積みながら、分析力や現状把握能力、解決力の向上を心がけるとマネジメント力の成長にもつながります。

 

コミュニケーション力

監査法人の監査業務は複数名のチームで行います。業務を円滑かつ正確に行うためには仲間同士の信頼・信用が不可欠です。また、直接クライアントとも話をするため、高いコミュニケーション力を求められます。


4.監査法人は未経験者も転職できる?

 

監査法人は業務の特性から、公認会計士の有資格者が優先的に採用されることが多いため、公認会計士の資格があれば転職できる可能性があります。監査法人の主な業務である法定監査業務は、公認会計士方にもとづく独占業務です。

そのため未経験者を採用する際は、書類選考の段階で公認会計士の有資格者かをチェックされ、たとえ実務経験がなくても、公認会計士の試験合格者であれば採用される可能性があります。

 また、近年では未経験者の教育に、積極的に取り組む流れが強くなってきました。将来のキャリア形成のために、他業種から監査法人に転職を考えている人にとっても嬉しい変化です。監査法人で働きながら勉強と実務経験を積みつつ、公認会計士の資格試験合格を目指す「監査トレーニー制度」を導入している法人もあります。

 監査法人では監査業務以外に、アドバイザリー業務やコンサルティング業務などもあるため、金融期間やコンサルティング会社の経験、経理業務の経験など、監査業務に近い経験があれば、より転職しやすくなるでしょう。

 しかし、いざ監査法人に転職をしようと思っても、何から始めればよいかわからないですよね。特に未経験の場合は、自力で転職先を見つけるのは難しいと感じるかもしれません。自力での転職活動に自信がないときは、転職エージェントへの相談がおすすめです。自身の将来やキャリア設計など、多様な相談が可能ですし、適切なアドバイスをもらいやすいこともあります。また、未公開の求人情報を持っていることもあるため、一人で悩まず、まずは相談してみましょう。


5.監査法人の年収は高収入だが、それに伴うだけの知識やスキルが必要

監査法人の年収は、大手監査法人になるほど高収入の傾向があり、また勤続年数やスキルによっても収入アップを目指すことができます。ただし、高収入に見合うだけの能力や責任を負うことも必要です。

公認会計士の資格試験の合格自体が超難関試験のため、合格は狭き門ですし、試験合格した後も、スキルアップや自己啓発に取り組み、常に向上することを求められます。

しかし、自身のスキルアップがそのまま仕事の幅の広がりや、年収アップにつながるやりがいのある仕事と言えるでしょう。近年では未経験の教育に力を入れており、そのための補償を準備している法人も増えています。自身のキャリアアップや転職を考えるうえでも、監査法人の年収や制度を知っておくことが必要です。また目先の利益や、自身のワークライフバランスばかりを重視して就活すると失敗する可能性があります。どんなビジョンやミッションを目指している法人なのかも理解しておくとよいでしょう。

しかし、いざ監査法人への転職を考えていても、自力での転職活動には限界を感じるかもしれません。そんな時は、業界に詳しい専門家に相談してみましょう。特に監査法人への転職には、業界とかかわりの深い人材紹介会社タイグロンパートナーズを利用することをおすすめします。タイグロンパートナーズでは監査法人への転職相談を行なっており、数多くの優良企業のハイクラス求人のご紹介が可能です。担当するコンサルタントは採用企業との強いパイプと、業界に対する幅広い知識と経験を備えています。また、採用企業とご相談者様の両方の立場やニーズを理解し、両社にとってベストな提案を提供できる強みを持っています。自身のキャリアアップに向けて、まずは無料相談から始めてみましょう。

 

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監修コンサルタント


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新山 雄俊 / Niiyama Takayoshi


担当職域

  • ・コンサルティングファーム
  • ・ SIer
  • ・ 製造業
  • ・ エネルギー
  • ・ ポストコンサル

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