コンサルティングファームへの転職では、書類が通っても面接で落とされるケースが多いです。
そして、不合格の理由は、突き詰めると「コンサルタントとして活躍するイメージが湧かない」ということに集約されます。
面接官に「活躍するイメージが湧かない」と思わせてしまう主な要因は、以下の3点です。
- コミュニケーション上のストレス
- 清潔感やTPOの問題
- マインドセットの欠如
今回、タイグロンパートナーズのコンサルタントである菊池に話を聞きました。菊池は、日系コンサルティングファームで採用と人事を担当し、現在はコンサル業界専門の転職エージェントとして面接対策を行っています。
採用する側から見た「落ちる人の共通点」を率直に言語化した内容を、以下にまとめました。
この記事を読み終える頃には、実際の面接の際にどこを直せばいいのかが具体的に見えてくるはずです。
▼元動画はこちら
コンサル未経験から60%以上が大手ファームに内定
未経験コンサル転職の成否は能力の差ではなく
『準備』と『情報』の差にあります。
業界特有の選考基準を知らないまま
転職活動をしてもうまくいきません。
タイグロンパートナーズでは、専門コンサルタントが応募先選定から選考対策・年収交渉まで伴走します。
- 豊富な業界知見・人脈・経験
- 実績に基づく独自の選考対策
- 中長期視点でのアドバイス
コンサル面接で落ちる理由は、突き詰めると「活躍するイメージが湧かない」こと
面接で不合格になる理由は、細かく分解すればいくらでも出てきます。ただし、共通点を突き詰めると「コンサルタントとして活躍するイメージが湧かない」というところに尽きます。
面接官との話のなかで「クライアントの前に立っている姿が想像できない」と感じさせてしまうと、不合格につながります。
では、何が「イメージが湧かない」を生むのか。主な理由を3つ紹介します。
理由1:コミュニケーション上のストレス
コミュニケーション上のストレスは、面接のなかで顕著に出ます。しかも面接官は、面接中に感じたストレスを自分だけの問題として処理しません。
面接で「クライアントにもコミュニケーションでストレスを与えてしまうのではないか」と思わせてしまうことが、不合格に直結するのです。
1. QAがズレている
もっともわかりやすい減点が、質問と回答がズレている「QAズレ」です。
たとえば、以下の内容は典型的なQAズレのケースとなります。
Q:どのような業務を担当していましたか?
A:~で苦労しました
本人は関連する話をしているつもりですが、面接官の質問には答えていません。面接官は「苦労した話」を聞いているのではないからです。
QAズレが積み重なると「クライアントとのやり取りでも同じことが起きるのではないか」という懸念を、面接官に持たせてしまいます。
そして、自分の回答がズレていないかを確かめる基準になるのが、二郎系ラーメンの「にんにく入れますか?」です。
ラーメン店での正解は「アブラ、野菜、マシマシ」。聞かれていないトッピングまで含めて一気に伝えるのが、自然な受け答えになります。
一方、面接での正解は「入れます」「入れません」の2択です。まずは聞かれたことにしっかり答えましょう。
現実の会話では前者のほうがスムーズな場面も多く、だからこそ癖として出やすい点が厄介です。
回答する前に「今の質問は端的に答えるべきか、掘り下げて答えるべきか」と一拍おいてみると、ズレはかなり防げます。
2. 結論ファーストになっていない
質問と回答自体はズレていないのに、「結論ファーストができていない」ために落とされるパターンもあります。
話の全体を通して見れば答えにはなっているものの、前置きが長く、結論が最後に来てしまうケースです。結論が後回しになると、面接官はどこが回答なのかわからないまま、神経を尖らせて最後まで聞くことになります。
結論を探させる話し方は、聞く側に大きなストレスを与えます。
ただし、結論の後回しは話の順番を入れ替えるだけで解消できる問題です。「まず答えを言い切り、次に背景や補足を足す」という対策をしておくだけで、印象は変わります。
3. 相手が求めている「回答の深さ」を読めていない
質問にも答えていて結論も先に言えているのに、マイナスイメージが付いてしまうのが「回答が浅い」ケースです。
回答が浅くなるのは、メタ認知の不足が主な要因です。面接官がどこまでの深さを求めているのかを把握できていないため、答えの方向は合っているのに内容が浅くなってしまいます。
たとえば「施策の効果は?」と聞かれて「数字だけを返して終わる」のか「数字に至った構造まで返す」のか。求められている解像度は、質問の文脈や面接官の役職から読み取るしかありません。
また、結論ファーストとQAズレを意識しすぎた結果、短い単語で言い切ったまま、話の続きを面接官に委ねてしまわないように注意しましょう。
答えを先に置き、理由と具体例まで自分から続けるまでがワンセットと考えておくと、端的すぎる回答は避けられます。
理由2:クライアントの前に出せなさそうな見た目
コミュニケーションとは別の軸で不合格になる理由として「クライアントの前に出せなさそう」という見た目の問題があります。
評価されているのは「格好良さ」ではありません。重視されるのは、以下の2点です。
もちろん、スーツのクオリティを見て合否を判断することはありません。問題になるのは、たとえばTシャツ一枚で、髪も整えないまま面接に出てくるようなケースです。
話している内容に問題がなくても、身なりが整っていないと「クライアントの前でも同じことをしかねない」と受け取られてしまいます。
面接は初対面かつ企業対個人の、あくまでオフィシャルな場です。スーツにYシャツを着て、できればネクタイも締めていくのが基本です。
なお「元気でハツラツとした印象」は、あればプラスに働くことが多いものの、ないから落ちるという性質のものではありません。服装で落ちるのは、あくまで最低限の身なりが整っていないレベルの話です。一方で、仏頂面のように相手が違和感を覚える表情だと、通過は難しくなります。
スーツ文化がない会社で働いている人はどうすべきか
「普段はTシャツにジャケットで働いていて、スーツを持ち歩くと現職で怪しまれる」という事情がある人もいます。
スーツで面接に行きにくい場合、カジュアルな服装でも、コンサルティングファームの考え方次第で問題にならないケースは多くあります。ただし、必ず大丈夫とは限りません。
減点を防ぐポイントは、人事担当や転職エージェントに事前に伝えておくことです。「職場にスーツ文化がないので、普段の服装で面接したい」と申告しておけば、トラブルになることはほとんどありません。
逆に、何も言わないまま面接を終えてしまうのは避けましょう。面接官は、面接の場で「なぜスーツではないのですか?」とはなかなか聞きません。
つまり、事情が伝わっていなければ、誤解されたまま評価が確定します。不要な減点を避けるという点でも、先に言っておくのが無難です。
理由3:マインドセットが伴っていない
マインドセットに関しては、コミュニケーションや見た目のように「悪いところを直せば済む」と切り分けにくい領域といえます。
ただし、コンサルティングファームの面接で求められるマインドは、突き詰めると「入社後、何でも前向きに取り組んでくれる人か」ということです。そして、前向きに取り組む姿勢の有無は、主に次の3つの場面で出てきます。
- どのような案件をやりたいかを聞かれたとき
- 現職への不満を語るとき
- 応募先の組織の仕組みに触れたとき
どれも身構えずに答えてしまいがちな場面だからこそ、素の考え方が出やすくなります。
1. 案件の選り好みは「アベイラブル(待機状態)」への懸念に直結する
コンサルティングファームの面接では、案件の選り好みをしない姿勢が重要です。現に「どのような案件をやりたいですか?」という質問は、面接でよく聞かれます。
やりたい案件を聞かれて「戦略案件しかやりたくない」「戦略案件以外をやるなら考え直したい」などと答えてしまうと、合格するのは一気に厳しくなるでしょう。
仕事にこだわりを持つこと自体は素晴らしいものです。ただ、強すぎるとこだわりではなくプライドに見えてしまい「希望の案件がなかったときはどうするのか」という疑問を持たれます。
コンサルタントは、クライアントからチャージをいただいて成立する仕事です。稼働できない待機期間(アベイラブル)が生まれることはコンサルティングファームとして避けたいリスクにあたります。
もっとも、いきなり「案件は選り好みします」と宣言する候補者は、さほど多くありません。「どのような案件も将来的に何かしらの経験になるはずだ」とポジティブに捉えられる人が通過しやすい、という傾向として押さえておけば十分です。
2. 現職への不満が次々と出てくる人は、他責思考を疑われる
現職に対する不満が次々と出てくる人は、面接官に「他責思考な人だ」と思われてしまいます。
「自分が希望する案件を担当できていないのは、努力が足りないからではなく会社が悪い」という考え方が根本にあると、入社後も同僚やクライアント先にネガティブな空気が伝わりかねません。面接官は、とくにネガティブな空気が周囲に伝わる点を警戒します。
とはいえ、転職理由を語るうえで現状の課題に触れないわけにはいきません。現職については、たとえば以下の順で話すと、同じ内容でも受け取られ方が変わります。
1. 事実としてどのような課題があるのか説明する
2. 課題に対して自分は何を試したのか説明する
3. 試した結果を踏まえて、環境を変える判断をしたことを話す
誤解されないよう言葉選びに気をつければ、問題ありません。
3. コンサルティングファームの仕組みに反することを言うと、合っていない人と思われる
人柄とは別に、「単純に合っていないかもしれない」と判断されてしまうケースもあります。代表的なのが「ワンプール制」と「セクション制」の取り違えです。
- ワンプール制:部門で区切らず、コンサルタント全員を1つの母集団として扱う制度
- セクション制:業界別・機能別のユニットに所属が分かれる、専門性が重視される制度
2つの制度はどちらが優れているというものではなく、単に組織の作り方が異なるだけです。ただし、面接での「言ってはいけないこと」は真逆です。
たとえば、ワンプール制のコンサルティングファームを受けているのに「これまで担当してきた仕事だけを続けたい」と言えば、自社の特徴を理解していないと受け取られます。
逆に、セクション制のコンサルティングファームで「ユニットを越えて様々な仕事をしたい」と言うと、「弊社のことを理解しているのかな?」と怪しまれます。
どちらも、事前に調べれば防げる失敗です。応募先がどちらの組織形態なのかは、最低限調べておきましょう。
ただし、面接用に回答を取り繕う必要はない
3つの不合格理由を読んで「どこを見られているかわからないのは、難易度が高い」と感じた人もいるかもしれません。ただし、実際には過度に神経質になる必要はないといえます。
コンサルティングファームが雰囲気で候補者を落とすことは、まずありません。各社には「特定の質問に特定の答え方をする人は、入社後にパフォーマンスを発揮しにくい」というキラークエスチョンと回答傾向の蓄積があり、合否はその蓄積に照らして判断されていると菊池は見ています。
そして、どの質問が来るかを読んで準備するのは現実的に難しいところです。仮に面接だけ突破できたとしても、入社後のキャリアがよいものにならない可能性もあります。
だからこそ、マインドセットに関しては、基本的には正直に話すのが一番です。
正直に話すことを前提に、明確なNGだけは避けるように努めましょう。最低でも「案件への強すぎるこだわりを口にすること」と「現職の会社や同僚の悪口を言うこと」は絶対に避けてください。
コンサルティングファームごとの「らしさ」はどう調べるのか
ワンプール制かセクション制かはわかりやすい特徴ですが、コンサルティングファームごとのカルチャーは各社で幅が大きく、全体に共通する特徴は挙げにくいのが実情です。
とはいえ、有力な情報をできるだけ多く集める方法はあります。ポイントは、情報収集を面接前だけで終わらせず、面接の場そのものも使うことです。
まず、転職エージェントや知人からコンサルティングファームの内部情報を集めておきましょう。内部情報を押さえたうえで、一次面接で情報収集するのが有効です。
「〇〇という話を聞いているのですが、実際はいかがですか?」と面接官に聞きます。面接官自身がなぜ今のコンサルティングファームを選んだのか、入って感じたことをよい面も悪い面も含めて引き出しておきます。
そして、二次面接で「一次面接で〇〇さんに△△と伺いました。自分が調べた情報とも合致していて、まさに聞いていた通りだと感じました。△△という点が、御社を志望する理由です」と使いましょう。一次面接を、合否を待つだけの場にせず、情報を取りにいく勝負の場として使う発想です。
また、情報の入り口としては、コンサルティングファームのホームページも使えます。書かれているのは表面的な内容が中心ですが、公開情報である以上、コンサルティングファームとしても否定できません。
「ホームページに〇〇と書かれているので、内部の雰囲気も〇〇なのかと思ったのですが、実際はいかがですか?」という聞き方なら、質問としても自然に成立します。
ただし、転職エージェントや面接、ホームページを使った情報収集にも限界はあります。中途採用では、入社後に配属されるチームが予め決まっているケースがあり、配属先チームの雰囲気はどこにも公開されていないためです。
チームの雰囲気を推し量るうえで、もっとも知りたいのは「自分の上司になるのは誰か」という情報です。ところが、上司の情報は面接前にもっとも手に入れにくいものでもあります。
手に入れにくい情報を得ようと躍起になるよりは、持っている情報をどう組み立てるかにシフトしたほうが、面接対策全体の効率はよくなります。限られた情報を武器に変えていく方針で、対策を立てていきましょう。
タイグロンパートナーズの担当者が面接対策に1人あたり1〜10時間かける理由
タイグロンパートナーズでは、候補者1名に対して少なくとも1時間、多い方では10時間ほどの面接練習を行っています。時間をかけるのは、「選択肢」という考え方を大切にしているからです。
内定がない状態では、そもそも応募先のコンサルティングファームに行くべきかどうかを検討することすらできません。逆に、内定を1つでも持っていれば、はじめて自分のキャリアを本気で比較できるようになります。
だからこそ、行くか行かないかの判断は後に回して、まず内定を取るところまでを支えることにこだわっています。
まとめ
コンサル面接で落ちる理由は、面接官が「活躍するイメージ」を持てないことに集約されます。そして、活躍するイメージを妨げる要因は次の3つです。
- 質問とズレた回答・結論の後回し
- 清潔感とTPOを欠いた身なり
- 案件の選り好みや他責思考
いずれも、才能やポテンシャルの問題ではありません。どれも事前の準備で十分カバーできます。
面接に対する不安が少しでもあるなら、準備しておくに越したことはありません。面接対策のやり方が気になるという段階でも構いませんので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
▼今回の元動画