SE(システムエンジニア)として働きながら、ITコンサルへの転職を考えている方は多いのではないでしょうか。年収アップを目指せる一方で、転職した人が全員うまくいくわけではなく、入社後に挫折してしまう人もいます。
結論からいえば、ITコンサル転職で失敗しやすいのは、SIerとの仕事の違いを理解しないまま、役職や人の印象でコンサルティングファームを選んでしまう人です。失敗を防ぐために押さえておきたいポイントは、以下の4つです。
- SIerとITコンサルでは、仕事の出発点とチームの組み方が違う
- 同じITコンサルでも、プライム案件か二次請け案件かで働き方が変わる
- 転職理由に立ち返り、未経験なら「役職は低め、年収は高め」のオファーを選ぶ
- レイヤー・得意業界・プライム比率・評価制度・組織体制を複数社で比べる
今回、タイグロンパートナーズのコンサルタントである眞知田と持田に話を聞きました。眞知田は大手SIerでインフラエンジニアとして働いた後に転職エージェントに転身し、現在はDX・ITコンサル領域を中心に転職支援を行っています。持田は一貫して転職エージェントとして働き、コンサルティングファームやSIer、事業会社の社内SEといったバックグラウンドを持つ方の、DX・ITコンサル領域への転職を支援してきました。
この記事では、SE出身者がITコンサル転職でつまずくポイントと、失敗を防ぐためのコンサルティングファーム選びの軸を具体的にご紹介します。
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コンサル未経験から60%以上が大手ファームに内定
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SE・SIerとITコンサルの違いは「システムを届ける」か「課題を特定する」か
SIerとITコンサルのもっとも大きな違いは、仕事の出発点です。SIerやSEの仕事は、基本的にはシステムを届けることが中心です。一方でITコンサルは、システムを作ることを前提にしていません。クライアント企業が今どのような課題を感じているのかを抽出するところから入り、課題を特定したうえで、どのようなシステムを入れるべきか、どう進めるべきかを考えます。
ただし、SE出身の方がITコンサルに転職する場合、最初はPMO案件から入ることが多いです。PMO案件とは、プロジェクトの進行管理や全体調整を担う案件のことです。課題のヒアリングから始まる案件に比べるとSEとしての経験を生かしやすく、取り組みやすい面があります。
PMO案件から入る場合でも、業務内容や求められる考え方は大きく変わります。仕事の変化にしっかりキャッチアップし、SEとして経験してきた範囲の外まで自分から学びにいく好奇心や姿勢があるかどうかで、転職後の結果に差が出てくるでしょう。
SE出身者がITコンサル転職後につまずく3つのポイント
SE出身者が入社後に「辛い」と感じる理由は、大きく「スピード感と仕事の感覚」「チームの組み方」「コンサルティングファームとの相性」の3つに分けられます。
スピード感と「何に対価をもらうか」の感覚が合わない
まず挙がるのが、コンサルの仕事のスピード感が自分に合わなかったというケースです。加えて、仕事に対する感覚の違いもあります。SIerでは、システムを入れて納品するところが一つの到達点になります。一方でコンサルは、「コンサルタント1人が1カ月入ってくれるなら〇〇万円」という形で、稼働に対して対価をいただく仕事です。業務の前提が違うため、コンサル特有の対価の考え方になじめずにつまずく人もいます。
少人数や1人でプロジェクトに入る働き方に戸惑う
チームの組み方の違いも、つまずきの原因になります。SIerでは、1つのシステムを納品するために複数のチームが組まれ、チーム内で仕事が完結することが多くあります。一方で、大手コンサルティングファームでも1つのプロジェクトに入るのは5人程度か、もう少し多いくらいです。規模の小さいコンサルティングファームになると、1人でプロジェクトに入らなければならないこともあります。
大人数のチームの一員として動くことに慣れていると、少人数で自分の役割を広く担う働き方にギャップを感じやすくなります。
コンサルティングファームのカルチャーや得意業界と、自分の志向が合わない
スピード感やチームの組み方には問題がなくても、入ったコンサルティングファームそのものと合わないケースもあります。カルチャーが合わない場合に加えて、入社先が強みを持つ業界(インダストリー)や扱う案件と、自分の志向性が合っていないと、入社後はかなり苦しくなります。
SIer出身の方は、得意業界と違う案件に入るミスマッチにも注意が必要です。大手SIerでは業界ごとにチームを分けていることもあり、自分の得意業界がはっきりしている方が多くいます。
コンサルティングファームで得意業界を軸に活動できればミスマッチは少ないですが、現実はそのようなケースばかりではありません。たとえば、金融業界のシステム要件や業務フローを理解している人が、ある日から自動車業界の案件を担当することになるなど、経験を生かしにくいミスマッチが起こることもあります。
様々な業界を経験したいという志向の方なら問題ありませんが、SIer出身者には自分の得意領域を軸として残したいと考える方も多くいます。経験と違う業界の案件にアサインされると厳しくなりやすいため、得意領域を残したい方は、コンサルティングファームの得意業界を事前に確認しておきましょう。
プライム案件か二次請け案件かで、ITコンサルの働き方は変わる
ITコンサルの働き方を大きく左右するのが、どのような立場で案件に入るかです。プライム案件とは、事業会社と直接契約している案件のことです。一方で、ほかの会社が元請けとして受けた案件に入る形は、二次請け、三次請けと呼ばれます。
入社後最初にアサインされる案件(ファーストアサイン)が二次請けの場合などは、元請け側からの要求の厳しさでつまずく人もいます。実際に聞いた話では、元請けの下に入った案件で、ミーティング後に「何時間以内に議事録を出すように」と求められ、提出すると大量のフィードバックが返ってきて、修正した議事録をまた何時間以内に出し直すよう言われた、ということもあったそうです。本人の能力とは関係なく、厳しい扱いを受けてしまう場面もあります。
もちろん、二次請けの案件が悪いわけではありません。ただ、プライム案件を経験したいなら、自分がイメージするプライム案件が志望先にどれくらいあるのかを把握しておくことが大切です。プライム案件の比率は、コンサルティングファームによって差があります。
とはいえ、案件が二次請けか三次請けかは、個人では入社してみないとわからないのが普通です。タイグロンパートナーズでは、各コンサルティングファームの案件の状況についても情報を集め、候補者の方にフラットにお伝えしています。
ITコンサル転職で挫折しやすいのは「人の印象」と「オファーの役職」で決めるケース
入社後の挫折は、転職先を決める段階の判断から始まっていることがあります。とくに注意したいのが、「人の印象」と「オファーの役職」で決めてしまう2つのケースです。
転職理由とは違う「人の印象」で決めてしまう
危険なのは、最初に話していた転職理由やコンサルティングファーム選びの観点と、最終的に決めるときの軸が大きくぶれてしまうケースです。
たとえば「ITコンサルとして上流から関わりたい」と話していたのに、最後はコンサルティングファームの中身を判断せず、「面接官の印象が良かった」「社内の雰囲気がよさそうだった」「社長から熱心に誘われた」といった理由だけで決めてしまうケースです。人の印象だけで選んだ結果、入社してみるとプライム案件に関わる機会をなかなか得られなかった、研修もないまま単独でアサインされて深夜まで残業が続いた、といったことが起こりえます。
人の印象で決める失敗を避けるには、最終判断の前に「なぜ今回転職するのか」という軸に立ち返ることが大切です。上流から関わりたいのであれば、入社後に上流の案件に入れる見込みがあるか、プライム案件がどれくらいあるかを確認したうえで、冷静に判断しましょう。
オファーの役職(タイトル)の高さで決めてしまう
もう一つよくあるのが、オファーの役職で決めてしまうケースです。ほかのコンサルティングファームではシニアコンサルタントでオファーが出ていたのに、1社だけマネージャーでオファーが出たとします。条件だけを見れば、高く評価してくれるほうを選びたくなるのは自然な気持ちです。
しかし、マネージャーには相応の責任範囲があります。面接でマネージャーとしての素養を見たうえでの内定ではあるものの、コンサル未経験なのにマネージャークラスの期待値や役割を求められ、自分のスキルと合わずに苦しくなるケースは少なくありません。
背景には、役職と年収の関係があります。コンサルティングファームでは役職ごとの年収レンジがある程度決まっていますが、役職と年収の対応関係は各社で違います。たとえばA社はマネージャーで年収1,200万円まで、B社はシニアコンサルタントで1,200万円まで出る、といった違いです。年収レンジが役職ごとに決まっている以上、前職の年収をふまえた金額で内定を出すために、役職を上げてマネージャーでオファーするケースもあります。
コンサル未経験で転職するなら、役職(タイトル)はできるだけ低めに、年収はできるだけ高めに選ぶのが、つまずきにくい方法のひとつです。
ITコンサルでは、マネージャーからシニアマネージャーへ上がるときに、複数のプロジェクトをマネジメントできるかどうかが大きく見られるといわれます。いきなりマネージャーとして入ると、次に目指すのはシニアマネージャーへの難しい昇格です。一方でシニアコンサルタントとして入れば、次の目標はマネージャーへの昇格で、シニアマネージャーへの昇格よりハードルは低いと考えられます。
高い役職のオファーを受けたときは、提示された役職で入社後に期待される役割を自分が担えるかを考えてみてください。同じくらいの年収で、より低い役職のオファーもあるなら、長い目で見ると低い役職で入社するほうが挫折しにくい選択になりやすいでしょう。
ITコンサル転職で確認すべきコンサルティングファーム選びの5つの軸
SE出身者がITコンサルティングファームを選ぶ際には、大手か独立系か、プライム案件が多いか、どの業界に強いかなど、様々な観点があります。なかでも押さえておきたいのは、次の5つの軸です。
1. 自分がやりたいレイヤー
最初に押さえたいのは、自分がどのレイヤーの仕事をしたいのかです。ITコンサルの中でもIT戦略そのものに携わりたいのか、まずはプロジェクトのデリバリー(実行支援)から入って上流に進めればよいのかを整理しましょう。デリバリーから入るのであれば、志望するコンサルティングファームで実際に上のレイヤーへ進んでいけるかどうかも確認が必要です。
2. 得意な業界と、今後注力する業界
コンサルティングファームがどの業界に強みを置いているかも重要です。今の強みだけでなく、今後どの業界に注力していくのか、逆にどの業界はやらないのかまで確認しておくと、得意領域と違う案件に入るミスマッチを避けやすくなります。
3. プライム案件の比率
前述の通り、プライム案件か二次請けかで働き方は大きく変わります。自分がイメージするプライム案件がどれくらいあるのかは、入社前に確認しておきましょう。
4. 評価制度と昇格の基準
入社後に昇格するとき、どのような観点で評価されるのかも見ておきたいポイントです。評価の項目自体はどのコンサルティングファームでもほぼ共通していますが、どこに重きを置くかは各社で違います。たとえばマネージャーからシニアマネージャーに上がるときにどのような目線で見られるのかまで見据えて、コンサルティングファームを選ぶのがおすすめです。
評価の重きの置き方は、組織体制と深く結びついています。シニア以上のメンバーに営業の役割を任せるコンサルティングファームでは、どれだけ受注できたかを重く見るところがあります。一方で、営業部隊を別に持っている場合は、担当する案件をどれだけ拡大できたかが評価されやすい傾向があります。
5. 組織体制と事業の広がり
組織体制は、得意分野とあわせて必ず押さえておきたい項目です。業界別(インダストリーカット)やサービスライン別に部門を分けているコンサルティングファームもあれば、部門を分けずにまとめて運営する「ワンプール制」を採るケースもあります。
事業内容も一律ではありません。コンサル事業だけでなく、プロダクト事業やフリーランス関連の事業を手がけ、コンサルからほかの事業に挑戦できるコンサルティングファームもあります。自分がどのようなキャリアを描きたいかに合わせて、どの組織体制が合うのかを見ておきましょう。
1社目の内定で決めず、複数のコンサルティングファームを受けて横比較する
コンサルティングファーム選びでは、1社で内定が出たからといってすぐに決めず、複数社を受けて横並びで比べてから決めることが大切です。複数社の話を聞くなかで、ようやく自分に合うコンサルティングファームが見つかることもあれば、ある1社で気づいたリスクを、以前面接を受けたところでも確認しておこうと思えることもあります。
見るべき観点が多い分、見落としやすい落とし穴も多くありますが、事前に防げるものも少なくありません。カルチャーや入社後にどのような上司がつくかは、実際に入社してみないとわかりません。一方で、どの業界でどのようなソリューションを提供しているか、どのような組織体制でどのようなキャリアパスを描けるか、どのような働き方なのかは、ある程度事前に把握できます。
各コンサルティングファームの得意分野と組織体制を押さえたうえで、人事や現場の社員とすり合わせる動きも重要です。個人ではなかなか手に入らない情報もあるため、人事や転職エージェントにも確認しながら判断しないと、選考を通過した後に苦しむことになりかねません。
タイグロンパートナーズがSE出身者の転職支援で大切にしていること
タイグロンパートナーズでは、DX・ITコンサル領域について、各社の情報を細かい粒度まで把握しています。大切にしているのは、プライム案件の状況や組織体制など、個人では手に入りにくい情報も含めて、フラットにお伝えすることです。
また、元SIerの眞知田をはじめ、様々な経歴を持つメンバーが在籍しています。SE・SIerとしてのご経験を理解したうえで、どのような仕事に生かせるのかまで深掘りし、ご本人が思い描いていなかったキャリアプランをご提案できるのが強みです。
まとめ
SE・SIerからITコンサルへの転職で失敗する人には、仕事の違いを理解しないまま、役職や人の印象でコンサルティングファームを選んでしまうという共通点があります。入社後のつまずきを防ぐために、次のポイントを押さえておきましょう。
- システムを届けるSIerと、課題を特定するITコンサルの違いを理解する
- プライム案件と二次請け案件で働き方が変わることを知っておく
- 転職理由に立ち返って判断し、未経験なら役職は低め・年収は高めのオファーを選ぶ
- レイヤー・得意業界・プライム比率・評価制度・組織体制を複数社で比べる
いずれも、事前の情報収集と準備で防げるものです。タイグロンパートナーズでは、SE・SIer出身の方のITコンサル転職について、コンサルティングファームごとの情報提供からキャリアのご相談まで承っています。お気軽にご相談ください。
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