未経験からコンサルティングファームに転職すると、1年目は入社前に思い描いていた仕事とのギャップに戸惑う場面があります。クライアントの社員と同じ作業を任されることもあれば、提出した資料に厳しいフィードバックが入ることもあります。
ただし、1年目の大変さの多くは、仕事に対する「こだわり」の向け方を変えることで乗り越えられるものです。
コンサル1年目の現実として押さえておきたいのは、以下の3点です。
- 泥臭い作業も含めた「何でも屋」に近い仕事がある
- 苦戦しやすいのは「こだわりが強すぎる人」と「なさすぎる人」
- 志望の「芯」は、経験に基づく仮説として言語化しておく
今回、タイグロンパートナーズのコンサルタントである菊池に話を聞きました。菊池は、日系の大手コンサルティングファームで営業や面接官、人事の業務を担当し、BIG4と呼ばれるコンサルティングファームの採用支援を経て、現在はコンサル業界への転職支援を中心に行っています。
採用する側と転職を支援する側の両方からコンサルを見てきた経験をもとに、1年目に苦戦する人と乗り越えられる人の違いをご紹介します。
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コンサル1年目に待っているのは、泥臭い作業も含めた「何でも屋」の仕事
コンサル1年目の仕事は、泥臭い作業も含めた「何でも屋」としての色合いが強いものです。クライアントの支援に入ると、先方の社員と同じ作業をすることも珍しくありません。
コンサルタントと聞くと、ホワイトボードを前に経営者と膝を突き合わせ、活発に議論する姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。確かに、経営者との議論もコンサルの仕事の延長線上にはありますが、入り口からいきなり議論の場に立てるわけではありません。
たとえば、クライアント先で段ボールを組み立てて物を運ぶといった仕事もあります。段ボールを運びながら「荷物運びをするためにコンサルになったわけではないのに」と感じてしまうのは、コンサルの世界でよくある話です。
一見するとコンサルタントが担うべきではない業務も、物事を前に進めるという意味では必要になります。コンサルに向いているのは、目の前の作業だけを見るのではなく、より上位の目的に視座を上げて捉えられる人です。
また、雑用に見える仕事が、思わぬ価値につながることもあります。たとえば、クライアントの部長のためにカップラーメンを買いに行くといった仕事です。クライアントの部長クラスと距離を縮めておくことは、ほかでは得にくい情報を手に入れるうえで重要です。コンサルティングファームのパートナークラスにはなかなかできない、若手だからこそ担える役割だと発想を転換できれば、泥臭い仕事も自分の強みとして活かせるようになります。
コンサル入社後に苦戦しやすい人の2パターン:こだわりが強すぎる人となさすぎる人
コンサルに入ってから苦労しやすいのは、「こだわりが強すぎる人」と「こだわりがなさすぎる人」です。一見すると正反対のタイプですが、どちらも入社後の苦戦につながりやすい点は共通しています。
パターン1:こだわりが「自分」に向きすぎている人
こだわりが強いこと自体が問題なのではありません。厳しいのは、こだわりが自分自身に向いている場合です。コンサルタントという仕事をしている自分にこだわっていると、段ボールを運ぶような仕事に力を注げず、入社後に苦戦する傾向が強くなります。
対策は、こだわりの向きを変えることです。自分がどう見えるかではなく、どのようなこだわりを持ってクライアントに貢献するかを考えます。クライアントに対して、そして自分のアウトプットに対してこだわる姿勢を見いだせれば、こだわりの強さがコンサルの仕事で活きてきます。
パターン2:こだわりがなさすぎる人
反対に、こだわりがなさすぎる人も入社後に苦しくなる傾向があります。「任されたことは何でもやります」という姿勢自体は、マインドとしてとても素晴らしいものですが、問題は芯がないまま入社した場合です。
表に出さなくても、「やりたいことがあってコンサルに入った」という芯を持っていないと、自分が苦しいときにコンサルの仕事を辞めてしまうリスクがあります。芯があれば、「やりたいことを実現するまでは諦めきれない」という心の中の声が支えになります。
こだわりがない人に必要なのは、やりたいことを無理に決めることではありません。自分の経験から価値を出せそうな領域を、仮説として見いだしておくことです。
未経験でも1年目から活きる2つの素地
コンサルでの経験がなくても、入社1年目から活きる素地は2つあります。相手の期待値を超えるのが好きなことと、大企業ならではの進め方を理解していることです。
相手の期待値を超えるのが好き
コンサルティングファームの仕事は、クライアントがあってこそ成り立つものです。クライアントが何を求めてコンサルにお金を払っているのかを理解し、クライアントの期待をくみ取ったうえで、期待を超える動きができるかが求められます。期待を超えることが好きな人は、コンサルに向いているといえます。
大企業ならではの進め方を理解している
コンサルは費用がかかるため、資金体力のある大企業がクライアントになるケースが多くなります。必然的に、コンサルタントとして入る案件も、大企業のなかでの様々な変革支援が中心です。
大企業に所属した経験が、必ずしも重要というわけではありません。重要なのは、大企業特有のやりづらさや、社内の進め方に沿わないと物事が進まないという特性を理解しているかどうかです。大企業の特性を理解していないと、クライアントに対して平気で「実行すればよいのではないですか」と言ってしまいかねません。
未経験者が面接で伝えるべき志望の「芯」は、仮説思考で言語化する
面接で伝える志望の芯は、「やりたいこと」ではなく、自分の経験に基づく仮説として言語化しておきましょう。1年目の苦しい時期を乗り越える支えになるのは自分なりの芯であり、芯を最初に問われるのが面接だからです。
「やりたいこと」ではなく「経験から見た親和性」を仮説として伝える
芯を言語化するときに役立つのが、コンサルの働き方としてよく挙げられる「仮説思考」です。たとえば、いきなり次のように伝えると、面接官には「本当ですか」と懐疑的に受け止められがちです。
NG例:「〇〇をぜひやりたいです」
やりたいことをそのまま伝えるのではなく、自分の経験を根拠にした仮説として伝えます。
OK例:「製造業でものづくりの改善に取り組んできたので、コンサルの中でも同じ系統の案件とは親和性が高いと考えています」
経験を根拠にした伝え方ができれば、こだわりはあるものの強すぎず、仮説思考もできる人として受け止められます。菊池は、こだわりと仮説思考のバランスにコンサルの適性が表れると見ています。やりたいことが明確でない人も、自分の経験から価値を出せそうな領域を仮説として見いだしておけば、入社後も「入社前に考えていた通りだ」と感じられ、ギャップも生まれにくくなるでしょう。
面接では「本当に成長したい」という姿勢を前面に出す
面接で印象に残すべきなのは、「本当に成長したい」という姿勢です。
最近はコンサルティングファームでも、働き方がサステナブルでなければ成り立たないという声が多く、働き方は今後も変わっていくでしょう。それでも当面は、厳しいフィードバックを受けながら鍛えられる環境についていく姿勢を示す人のほうが、好意的に受け止められやすいといえます。
コンサル転職前にできる準備と自己診断
転職前にできる準備は、自分の考え方を確認し、1人で判断せずに第三者に相談することです。「こだわりが強すぎる」「こだわりがなさすぎる」といった特徴は、マインドセットで変えられます。向いていない状態のまま入社すると1年目はやはり苦しくなるため、入社前に次の5つのポイントを確認しておきましょう。
- クライアントの期待をくみ取り、期待を超えることにやりがいを感じるか
- 大企業ならではの物事の進め方ややりづらさを理解しているか
- 泥臭い作業も、プロジェクトを進めるための仕事として捉えられるか
- 自分の経験から価値を出せそうな領域を、仮説として言葉にできるか
- 厳しいフィードバックも、成長のための材料として受け止められるか
すべてに自信を持って「はい」と答えられなくても構いません。引っかかった項目は、入社前に考え方を整理しておきたいポイントです。
自分がコンサルに向いているかどうかは、1人で考えたり友人に聞いたりしても、なかなか判断しにくいものです。多くの候補者を支援してきた転職エージェントへの相談も、自己診断の方法として活用してください。
まとめ
未経験でコンサルに入ると、1年目は泥臭い仕事や厳しいフィードバックなど、想像とのギャップに直面しやすくなります。ただし、1年目の大変さの多くは、こだわりの向け方を見直すことで乗り越えられます。
- 泥臭い作業も、上位の目的から捉え直す
- こだわりは「自分」ではなく、クライアントとアウトプットに向ける
- 志望の芯は、経験に基づく仮説として言語化しておく
コンサル1年目の働き方は決して楽ではありませんが、入社前にマインドセットを整えておくことで、理想と現実のギャップは小さくできます。
タイグロンパートナーズでは、コンサルへの向き不向きに迷っている段階からご相談を受け付けています。お気軽にご連絡ください。
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