未経験からのコンサル転職は、数年前のように「未経験でも積極的に採用する」という状況ではなくなりつつあります。大手の総合系コンサルティングファームでは、未経験者の採用をやや絞り気味だと見られているためです。
一方で、業界やコンサルティングファームの種類によっては、今も未経験者を積極的に受け入れているケースがあります。入社後に待っている現実を知ったうえで準備すれば、未経験からでも十分にチャレンジできます。
今回の記事でお伝えするポイントは、以下の通りです。
- 大手総合系は未経験採用を絞り気味。ただし業界によって差がある
- 日系大手やブティック系コンサルティングファームは、未経験者を積極採用しているケースがある
- SIerでの上流工程・PM経験や、ソリューション営業の経験は評価されやすい
- 入社後はスキルのギャップや、年齢と役職のずれに向き合う必要がある
- コンサルティングファームの名前よりも、どのチームに入るかで選ぶことが大切
今回、タイグロンパートナーズのコンサルタントである新山と眞知田に話を聞きました。新山は、日系・外資系のエレクトロニクスメーカーやIT関連企業で15年以上にわたりエンジニア業務に従事し、開発のPMや新規事業開発も経験したのち、転職エージェントに転身しました。現在は主にコンサルティングファームへの転職支援を担当しています。
眞知田は、大手SIerでインフラエンジニアとして働き、スタートアップ企業で事業運営に携わったのち、転職エージェントに転身しました。IT・セキュリティ領域をはじめ、幅広い領域のコンサルティングファームへの転職を支援しています。
なお、採用動向に関する内容は、動画を公開した2026年2月時点の見立てであり、コンサルティングファームや時期によって状況は異なります。
▼元動画はこちら
コンサル未経験から60%以上が大手ファームに内定
未経験コンサル転職の成否は能力の差ではなく
『準備』と『情報』の差にあります。
業界特有の選考基準を知らないまま
転職活動をしてもうまくいきません。
タイグロンパートナーズでは、専門コンサルタントが応募先選定から選考対策・年収交渉まで伴走します。
- 豊富な業界知見・人脈・経験
- 実績に基づく独自の選考対策
- 中長期視点でのアドバイス
未経験からのコンサル転職の最新動向:大手総合系は絞り気味、業界によって差がある
2026年2月時点では、大手の総合系コンサルティングファームは未経験者の採用をやや絞り気味です。一方で、金融、自動車、エネルギーといった業界の経験がある方なら、コンサル未経験でも受け入れる動きが少し増えています。
大手が絞り気味になっている背景にあるのは、2〜3年ほど前の大量採用です。当時は案件が多かったこともあり、各コンサルティングファームが未経験者を積極的に採用していました。現在は、当時大量に入社した人たちが立ち上がるのを待っている段階だと考えられます。
直近の採用ニーズもコンサルティングファームでの経験者を求めるケースが多く、「未経験でもチャレンジできる」という一時期の盛り上がりは、ひとまず落ち着いてきています。
業界によって状況が違うのは、案件が盛り上がっているセクターがいくつかあり、該当セクターの案件に経験が合う人には、門戸が開かれているためです。自分がいる業界が今コンサル業界で盛り上がっているかどうかによって、チャンスの大きさは変わってきます。
自分の業界が盛り上がっているのかは、外からは判断しにくいため、業界ごとの採用ニーズに詳しい人に確認してから、応募先を検討するのがおすすめです。
未経験者を積極採用しているのは、日系大手とブティック系のコンサルティングファーム
外資系ではなく、日系の大手コンサルティングファームや、ブティック系と呼ばれる比較的最近立ち上がったコンサルティングファームでは、未経験者をかなり積極的に採用しているケースがあります。自分の業界が盛り上がっていないからといって、未経験からのコンサル転職の道が閉ざされるわけではありません。
実際に、日系大手やブティック系のコンサルティングファームへ入社するケースも多くなってきています。直近5年ほどで立ち上がったコンサルティングファームも多く、タイグロンパートナーズでも日系大手やブティック系への転職支援に積極的に取り組んでいます。
ブティック系コンサルティングファームが未経験のジュニア層を採用する理由
ブティック系コンサルティングファームが未経験者を採用するのには、はっきりとした理由があります。採用戦略として、まず案件を取ってこられる上位層から採用しますが、上位層が案件を取ってきても、進める人が足りないというケースが出てきます。結果として、ジュニアレイヤーであれば未経験者も受け入れる、という流れが生まれるのです。
ブティック系でもコンサルの手法を学べ、IPOを目指す環境もある
新山は、コンサルワーク自体はブティック系コンサルティングファームでも十分にできると考えています。ブティック系の上位層には、大手の総合系や外資系の戦略系コンサルティングファームから移ってきた人が多くいます。コンサルの手法を学ぶという意味では、大手でもブティックでもあまり変わらないケースがあります。
教育体系が整っているという点で、大手に安心感を覚える人もいるでしょう。一方でブティック系では、大手コンサルティングファームでパートナーを務めていたような人の直下で働けるケースが、かなり多くなってきています。
さらに、IPOを目指しているコンサルティングファームがあるのも、大手にはないブティック系の魅力です。立ち上げ期ならではの、変化の大きい環境で仕事ができます。未経験からのコンサル転職を考えるなら、ブティック系も選択肢に入れておくとよいでしょう。
未経験でも評価されやすい経歴:SIer出身・PM経験・ソリューション営業
未経験でも評価されやすいのは、SIerでの上流工程・PM経験、社内SEとしての企画経験、そしてソリューション営業の経験です。ITコンサルと営業職に分けて見ていきます。
ITコンサルは未経験採用が比較的多く、SIer出身者が求められやすい
業界(インダストリー)ではなくサービスラインの観点で見ると、未経験採用が比較的多いのはITコンサルの領域です。どのコンサルティングファームでも、最終的なアウトプットはITに関わるものになることが多いためです。
未経験でITコンサルに入る人の前職は幅広いものの、特に求められやすいのはSIer出身の人です。上流工程から携わった経験がある人や、プロジェクトでPMを務めた経験がある人は、比較的選考を通過しやすくなります。
事業会社で社内SEを務めている人でも、システム企画や予算策定といった経験はコンサルでも生かせます。実際に、社内SEとしての企画経験を生かして入社した人も複数います。
営業職は「業界」と「提案型の営業かどうか」がポイント
営業職の場合は、どの業界で営業をしてきたかが見られます。たとえば、金融機関の営業を経験してきた人が、金融機関向けのITコンサルにポテンシャルで採用された事例もあります。
また、無形商材を扱ってきた営業職には一定の可能性があります。具体的には、お客様のニーズをヒアリングし、どのようなソリューションを作るべきかを考えてきた人です。ソリューション営業、提案営業、コンサルティング営業などと呼ばれる経験があれば、選考で評価につながるケースがあります。
わざわざコンサルに転職するメリット
事業会社で経験を積み、社内で昇進を目指すのも立派なキャリアですが、あえて未経験からコンサルに転職するメリットは、主に次の3つです。
1つの事業に賭けるリスクを避け、キャリアの選択肢を広げられる
事業会社に転職する場合、転職先の事業に自分のキャリアを賭けることになります。変動の激しい今の時代、事業がいつまで続くのかは見えにくいため、1つの事業にキャリアを賭けるリスクを避ける意味でコンサルを選ぶ人もいます。
コンサルで様々な業界やマーケットを見ながら、最終的に自分がどこで事業に関わっていくのかを決める、というキャリアプランも考えられます。70歳まで働こうという流れが広がるなかで、ある種のリスキリングの場としてコンサルを捉えることもできるでしょう。
ただし、面接で「キャリアプランを探しに来ました」とそのまま伝えると、早く辞める前提なのかと受け取られかねません。伝える際は、たとえば「様々な業界の課題に向き合いながら、自分の専門性を高めていきたい」のように、コンサルの仕事そのものへの意欲として語るのが無難です。
自分が伸ばしたい専門性に時間を集中できる
事業会社とコンサルで同じ時間を過ごしたとしても、身につくものは異なります。事業会社では、自社特有の知見を身につけることにも一定の時間を使いますが、コンサルでは自分が身につけたい専門性にかなりフォーカスして経験を積むことができます。限られた時間のなかで自分のスキルを高めていきたい人にとっては、大きなメリットといえます。
昇進のスピードが速く、責任ある立場を早く目指せる
コンサルは、事業会社と比べて昇進のスピードが速いといえます。早く責任ある立場に就きたい人や、早く年収を上げたい人にとっては、コンサルの環境が合いやすいでしょう。
経験やスキルがあるのに、今の会社ではなかなか認めてもらえず、物事を前に進めにくいと感じている人は少なくありません。打開策として、一度業界を変えてコンサル側で事業推進に携わってから、また事業会社に戻るというキャリアも十分にありえます。
未経験でコンサルに入る前に知っておくべき現実
未経験からコンサルに入るなら、スキルのギャップ、仕事の性質の違い、年齢と役職の関係の3点は覚悟しておく必要があります。
コンサルで求められるスキルとのギャップを、時間を投資して埋める
未経験からの転職では、前職で培った専門性を生かしてコンサルティングを行うことになります。ただし、コンサルティングファームで求められるスキルセットと、自分が培ってきたスキルセットにはギャップがあり、入社後はギャップをどう埋めていくかが課題です。
ギャップを埋めるには、時間の投資も必要です。実際に業務時間外に勉強している人はかなり多く、勉強の時間を惜しむ人には難しい面が出てきます。いわゆる「激務」をどの程度つらいと感じるかは人によって異なるため、自分がどのくらいの働き方なら続けられるかを考えておくことも大切です。
「答えが決まっている仕事」から「答えのない仕事」へ移る
特にメーカー出身の人がコンサルに移る場合、答えが決まっている世界から、答えが決まらない世界に行くことになります。コンサルの仕事は、最終的には人が判断して決めるという側面がかなり強く、理屈だけでは語れない場面で、答えが決まっている仕事とのギャップに苦しむ人もいます。
タイグロンパートナーズでは、エンジニア出身の方などには、コンサルが答えの決まらない仕事だという点を事前にお伝えしています。入社前に理解しておくだけでも、入社後の受け止め方は変わってくるはずです。
年齢ではなく、役職ごとに求められる役割が決まる
コンサルは年功序列ではないため、タイトル(役職)ごとに求められる役割が変わります。20代でマネージャーを務める人もいれば、40代でシニアコンサルタント(マネージャーの1つ下の役職)の人もいて、両者を比べると、求められる内容は20代のマネージャーのほうが高くなります。見られるのは年齢ではなく、採用される役職に見合った働きができるかどうかです。
目安として、30〜35歳を超えるあたりからは専門性が求められ、プロジェクトマネジメントやチームマネジメントの経験を問われるケースが出てきます。
だからといって、30代半ばから未経験でチャレンジする余地がないわけではありません。業界(インダストリー)とソリューションの領域にどれだけ軸となる経験があるかによって、未経験でも入社できるケースは十分にあります。タイグロンパートナーズでも、20代後半から50代後半まで幅広い年代の方をご紹介しています。
部門長経験者でも、入社時はシニアコンサルタントになることがある
事業会社で部門長を務めてきた人であっても、コンサルティングファーム側から「シニアコンサルタントとして採用したい」と言われるケースがあります。シニアコンサルタントは、20〜30代で転職してくる人が多く入る、いわばボリュームゾーンの役職です。背景にあるのは、まずコンサルワークをきちんと積んでから昇進してほしいというコンサルティングファーム側の考えです。
未経験で入るのがもっとも難しい役職は、シニアマネージャーです。未経験でシニアマネージャーやマネージャーとして入社する人は多くなく、新山のイメージでは、事業会社で部門長を務めてきたような40〜50代くらいの人が時々いる程度です。部門長クラスの経験がなければ、シニアマネージャーへ横スライドで入るのは難しいといえます。
新卒からコンサルティングファームに入った生え抜きの人の中には、速いスピードで昇進していく人もいます。未経験の人がいきなり上の役職で入ると、スピード昇進してきた生え抜き社員に、下から突き上げられることになります。突き上げに耐えられなかった人も過去に一定数いたのだろう、と新山は見ています。
シニアコンサルタントから入社すれば、年下の上司がつくことも十分にありえるでしょう。ただ、コンサルティングファームが見ているのは年齢というより、実際に何ができるかという点です。入社前に、コンサル業界での役職の決まり方を理解しておくことが大切です。
コンサルティングファーム名よりも「どのチームに入るか」で選ぶべき理由
転職先は、コンサルティングファーム名やネームバリューではなく、「どのチームで働いたら自分のパフォーマンスが一番出そうか」で選ぶことが大切です。自分と合わないチームに入ってしまうと、なかなかパフォーマンスが出ず、プロジェクトへの貢献度も弱くなってしまうケースがあるためです。
覚悟を持って入社し、コンサルのスキルを身につければ、もともと持っている業界の知見と合わさって、年収が上がりやすくなったり、入社後の昇進につながったりすることは十分にありえます。一方で、入社後に活躍できるかどうかは、どのチームに入って仕事をするかにも大きく左右されます。だからこそタイグロンパートナーズでは、転職を考える方に、コンサルティングファーム名ではなくチームで探していくようお伝えしています。
ただ、どのチームが自分に合うかを、未経験の人が外から見極めるのは簡単ではありません。業界ごとの事情に詳しいだけでなく、自分の経験を深く理解してくれる転職エージェントに相談し、フィット感のある環境を一緒に探すことが大切です。
まとめ
未経験からのコンサル転職は、大手の総合系コンサルティングファームで採用が絞り気味になるなど、数年前より難しくなっている面があります。ただし、業界やコンサルティングファームの種類、積んできた経歴によっては、今も十分にチャンスがあります。
- 金融・自動車・エネルギーなど案件が盛り上がる業界の経験者や、日系大手・ブティック系コンサルティングファームにはチャンスが広がっている
- SIerでの上流工程・PM経験、社内SEの企画経験、ソリューション営業の経験は評価されやすい
- 入社後はスキルのギャップや答えのない仕事に向き合い、年齢ではなく役職に見合った働きが求められる
- コンサルティングファームの名前より、自分が力を発揮できるチームで選ぶ
大切なのは、今回の転職だけで考えるのではなく、長いキャリアの中でコンサルという選択肢をどう位置づけるかという視点です。
タイグロンパートナーズでは、業界ごとの採用動向やコンサルティングファーム・チームの特徴を踏まえて、未経験からのコンサル転職をご支援しています。お気軽にご相談ください。
▼今回の元動画